「子ども情報ステーション by ぷるすあるは」精神障がいやこころの不調、発達凸凹をかかえた親とその’子ども’の情報&応援サイト

双極性障害[そうきょくせいしょうがい](そううつ病)

子どもも大人もイラストで学ぶ病気や障がい

双極性障害(そううつ病)

そう状態(元気すぎる)とうつ状態(元気がなさすぎる)があらわれる病気です。

ページにおこしいただきありがとうございます。
大人も子どももいっしょに見られて、基本的な知識を学べるページです。およそ小学校中学年~大人の人に向けです。もっとくわしい情報を知りたいときは、参考サイトがページの下の方にあります。(子どものみなさんは、わかりにくいことや、ぎもんに思ったことは、大人の人に聞きながら読んでください。)

担当:ぷるすあるは
*図書を追加しました 更新日:2021年12月

 

01 どんなことが起きるの?(症状)

 

そう状態(元気すぎる)とうつ状態(元気がなさすぎる)がくり返す病気です。
症状のあらわれ方や経過はひとりひとりちがいます。ここではおきやすいことをあげます。

そう状態のとき

「そう」は陽気になるイメージがあるかもしれません。実際には、イライラやおこりっぽさがでてくることが多いです。
そう状態は、まわりから見て、病気の症状だとわかりにくく、自分でも気づかないことも多いです。
症状がひどくなると、仕事や対人関係のトラブル、借金など、社会的な問題につながってしまうこともあります。入院が必要になることもあります。

まわりがそれほどは困らない程度のそう状態は、「軽そう状態」といいます。

 

うつ状態のとき

うつ症状がひどくなると、身のまわりのこともできなくなり、人をさけ、ひきこもることもあります。
そんな自分をさらにせめてしまい「しにたい」「きえたい」と感じることさえあります。
(うつ病のページに症状のくわしい説明があります)

経過[けいか]について

 

うつ状態から病気が始まった場合、すぐにはそううつ病かどうかはわかりません(なので、途中でうつ病→そううつ病へと病名がかわることもめずらしくありません)。
そう状態に気づかれずに「うつ病」として治療されていることもあります。
経過全体でみると、そう状態よりも、うつ状態の時期がしめる割合がずっと多いことが一般的です。
波が繰り返す病気で、生活上の工夫をしながらゆっくりつきあう慢性疾患[まんせいしっかん]です。

02 回復のサポートになることは?(治療[ちりょう]など)

 

自分にあった病気とのつきあい方、生活の工夫を見つけていけるとよいです。

治療が必要な「そう状態」を経験した人は、繰り返すことが多いため、症状がおちついているときも、クスリをつづけることがすすめられています。
そううつ病では気分を安定させるクスリが一般的です(うつ病の「抗うつ薬」とは種類のことなるクスリです)。

大切な話は、’そう’や’うつ’がひどくないときにします。落ち着いているときに、「不調のサイン」「調子がかわる(そう状態になる)ときのサイン」などを、本人とまわりの人とで話しておけるといいと思います。

家族やまわりの方へ 本人が心配な状態なのに病院に行かないことを相談したいとき

通院先があるときは、まず、通院先へ相談します。
家族だけでも相談できる公の期間に、保健所、精神保健福祉センターがあります。相談は無料です。
》相談先のページ

※調子の波やさまざまな症状に、家族や身近なひとがまきこまれてしまうことがあります。まわりの方がサポートされることも大切です。

調子の波とつきあいながら、ひらめきや企画力、行動力などが、仕事や新しい物事へのチャレンジなどに生かされていることもあります

03 病気の人はどれくらいいるの? 原因は?

 

1000人に7人くらいといわれています*。

うつ病よりは少ないです。
原因ははっきりわかっていませんが、脳の病気という側面が大きいと考えられています。

*厚生労働省|みんなのメンタルヘルス

 

04 (親が病気のとき)子どもの安心のためにできることは?

病状から、子育てや家事、仕事などへさまざまな影響があることがあります。次のような子どものサポートができます。

  • 日常生活をサポートする:食事、生活リズム、身だしなみ、学校の準備、遊びなど
  • サービスや制度を使い、現実的な家事育児の負担をへらす(特にうつ状態のとき)
  • 子どものどんなきもちもみとめる
  • 親の病気の傾向や、うつ・そうの調子のきりかわるときの特徴[とくちょう]を説明する、病状は子どものせいではないことを伝える
  • こまったときの対処法を相談しておく(「こまったときカード」を作るなど)
  • 家族が少し元気になる、病気や対応について知る、ひとりだけで抱えずに相談してみる

 

以下のページで、子どもの気持ちと行動の理解、病気について伝えようと思ったら、子どもの安心のためにできること、など、さらにくわしく説明しています。
》親がこころの不調になったときの子どものケアガイド

病気をかかえながらの子育てのための本
》ゆるっとこそだて応援ブック


子ども関連のページ

小学生のみなさんへ(子どもへのメッセージと工夫)
中学生のみなさんへ(子どもへのメッセージと工夫)
『お母さんどうしちゃったの・・・─統合失調症になったの─』(子どものケアの絵本)

このページの最後の参考図書のコーナーに、双極性障害の親をもつ子どもにおくる応援の絵本の情報があります。

05 よくある質問 Q&A

 

 

06 関連コラム/ページ

》イラストで学ぶうつ病

ゆるゆる子育て
障がいをかかえながらの子育てを応援しているページ

親が精神障がいやこころの不調になったときの子どものケアガイド
お子さんがいる場合の子どものケアについてまとめたページ

家族の対応いろいろ
病気や障がいの方がいるときの家族の対応例を紹介しているページ

07 もっとくわしい情報を知りたいときの参考サイト&図書

ウェブサイト

・すまいるナビゲーター双極性障害(大塚製薬)http://www.smilenavigator.jp/soukyoku/index.html

・日本うつ病学会双極性障害委員会 http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/sokyoku/
啓発用パンフレット「双極性障害(躁うつ病)とつきあうために」「双極性障害とは(I型・II型)」「睡眠覚醒リズム表」などが掲載されています。
妊娠・出産を体験した双極性障害患者さんの事例紹介、が公開されています。

・躁うつ病のホームページ http://square.umin.ac.jp/tadafumi/(精神科医、加藤忠史先生によるページ)

・ノーチラス会(NPO法人日本双極性障害団体連合会)http://bipolar-disorder.or.jp/
双極性障害の当事者を中心としたNPO。

・双極性障害研究ネットワーク http://bipolar.umin.jp/
双極性障害の当事者と研究者をつなぐネットワーク。定期的にメールニュースを発行中

・『日本うつ病学会診療ガイドライン双極性障害(双極症)2023』(2023/3/1作成) https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/iinkai/katsudou/data/guideline_sokyoku2023.pdf

 

書籍

  • 双極性障害Q&A 人生行ったり来たりリカバリー!,加藤伸輔・秋山剛著,NPO法人コンボ,2019
  • 『きょうのお母さんはマル お母さんはバツ』双極性障害の親をもつ子どもにおくる応援メッセージ,監修:肥田裕久,文:雨こんこん 絵:はにゅうだゆうこ,星和書店,2017年
  • みんなの双極症:日常の悩みから最新知識まで,南中さくら・精神科医さくらこころのクリニック院長,合同出版,2021年

 


 

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この教材は平成28年度子どもゆめ基金(独立行政法人国立青少年教育振興機構)の助成金の交付を受けてNPO法人ぷるすあるはが作成したものです