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アルコール依存症[いぞんしょう]

子どもも大人もイラストで学ぶ病気や障がい

アルコール依存症

アルコール依存症は、いろいろな問題が起きていても、自分の意志だけではお酒をやめられなくなる病気です。治療やさまざまなサポートによって、回復できる病気です。

アルコール依存症イラスト1

 

ページにおこしいただきありがとうございます。
大人も子どももいっしょに見れて、基本的な知識を学べるページです。およそ小学校中学年~大人の人向けです。もっとくわしい情報を知りたいときは、参考サイトがページの下の方にあります。(子どものみなさんは、わかりにくいことや、ぎもんに思ったことは、大人の人に聞きながら読んでください。)

*参考サイトを更新しました  更新日:2022年7月

 

アルコール依存症

ページのエッセンスをA4×2枚のシートにまとめました。
PDFを開くことができます。

[PDF]アルコール依存症(859KB)そのほかの素材はぷるす工房へ

01 どんな問題が起きるの?(症状と経過)

アルコール依存症イラスト2

・身体の問題:肝ぞう[かんぞう]、脳[のう]、すいぞう、心ぞう、胃[い]、食道などの合併症[がっぺいしょう]
・精神症状[せいしんしょうじょう]:イライラ、不眠[ふみん]、不安、うつ、幻覚[げんかく]や妄想「もうそう」など
・社会的な問題:仕事への影響、人間関係のトラブル、飲酒運転、借金、社会からの孤立[こりつ]など
・家庭での問題:パートナーや親子間の不仲、暴言暴力、子どもへの影響、家庭内の役割の変化など

*コントロールできなくなる病気です

お酒のせいで、生活に明らかに問題が起きているのに、それでもお酒をへらせない、やめられないときには、依存症の病気のレベルになっていると考えられます。進行性の病気で、最終的には命にかかわります。
家族や子どもをまきこみやすいことも、この病気の特徴[とくちょう]です。

依存症の経過

みんなの気持ちいろいろ

アルコールきもちいろいろ

02 回復のサポートになることは?

・自助[じじょ]グループ*/リハビリ施設**
・専門医療機関[せんもんいりょうきかん]、相談機関
・新しい生活習慣、考え方や対処法 など
・家族が元気になること

 

*自助グループは、共通の問題や悩みを抱えた人が集まり、解決を目指して自主的に運営しているグループです。断酒会(本人・家族向け)、AA[エーエー](本人向け 家族も参加できます)、Al-anon[アラノン](家族向け)などがあります
**リハビリテーション施設は、入所や通所しながら、お酒を飲まずに安定した生活を送ったり、仕事に就いたりする目的で利用される施設です。アルコール作業所などと呼ばれる場合があります。「マック」などがあります(全国マック協議会に入っている施設は17 か所あります)。

・回復とは…「お酒をやめてよかったと思える」「酔うことを必要とせずに幸せな生活を送る」など、ひとりひとりの回復があります。いろんな道すじがあり時間がかかります。そのきっかけになることも人それぞれです

アルコール問題整理

家族だけでも相談できる公的機関に、精神保健福祉センター、保健所(精神保健担当)があります。

ポイントは、相談できる人から相談に行くこと!

03 原因は?

飲酒の習慣があれば、性格や学歴、職業、性別にかかわらず、誰でも依存症になる可能性があります。

アルコール依存症の原因は単純ではなく、多くの要因が複雑に絡み合っています。アルコールの分解が良いか悪いかという体質、子どもの頃の環境要因、飲み出したころの学生時代や就職したころの周囲の飲酒環境、職場や家族などの人間関係とストレスなど、様々なものが関係しています。なんらかの生きづらさを抱えている人が、酔いで気分を変えたり、心の痛みを和らげていくうちに、依存症になることもあります。

 

04 (親が依存症のとき)子どもの安心のためにできることは?

 

  • お酒の問題や大人のケンカは子どものせいではないことを伝える
  • 子どものどんなきもちもみとめる
  • 日常生活をサポートする:食事、生活リズム、身だしなみ、学校の準備、遊びなど
  • こまったときの対処法を相談しておく:「こまったときカード」を作る、暴力や暴言に対してはその場をはなれ(子どもをその場からはなして)安全を守る
  • 家族が少し元気になる、病気や対応について知る、ひとりだけで抱えずに相談してみる

アルコールイラスト子どものケア

05 よくある質問 Q&A

 

Q 自助グループや病院へ行こうとしません・・(家族より)

A 心配をしていることを、日をあけて、本人がお酒を飲んでいない時に伝えていきます。毎日「行け行け」というと、家族の関係が悪くなります。家族の方がまず、家族会へ通い続けてみてください。その中で家族が息抜きしたり、関わり方のヒントを得ることができます。時間がかかることもあります。まずは家族から元気になることを目指します。

 


 

Q 家族会へ通うことが大切なのですか・・・?(家族より)

A 家族から元気になると、本人が引きづられて元気になると信じて大丈夫 です。依存症とは?を勉強して理解してみようという気持ちは、本人にも伝わります。
本やネットの情報だけ見ていると、頭でっかちになりしんどくなりこともあります。家族会で、他の家族の体験やうまくいった関わりを聞くと、これなら自分のところでも試せるかもというヒントがあります(責める、しかる、で効果がないならちがう方法を試す)。
自分の家だけじゃないことを知るだけでホッとしたり、大変そうな家の話でホッとすることもあります。 家族会に行くという「自分の時間を取る」練習にもなります。
尻ぬぐいをしない気持ちを持続するためにも、家族会に出たり相談を続けることが大切です。家族教室で勉強する方法もあります。

 


Q 再飲酒してしまいました・・・(本人・家族)

A お酒をやめていく中で、再飲酒はほとんどの方が経験します。
もうだめだ・・・と投げやりにならずに、連続飲酒にならないように、生活を立て直すことを考えます。
(まわりの方へ)責めることは解決になりません。病気の症状と考えて前を向けるようにすることが大切です。
そのために、自助グループや病院、家族会に足を運ぶことは有効です。

 

アルコール依存 正直 

》アルコール問題Q&A(回答者:岡崎直人氏)

ベテランケースワーカーによる、さまざまな質問への回答を掲載しているページ

06 関連コラム/ページ

関連ページ

》自助グループへ初参加するときに知っておくとよいこと・会場の調べ方や豆知識

》依存症と家族ー地域生活Q&A(精神科看護師チアキのスキマ相談)

ゆるゆる子育て:障がいをかかえながらの子育てを応援しているページ
親が精神障がいやこころの不調になったときの子どものケアガイド:お子さんがいる場合の子どものケアについてまとめたページ
家族の対応いろいろ:病気や障がいの方がいるときの家族の対応例を紹介しているページ

 

ギャンブル依存症
薬物依存症

07 もっとくわしい情報を知りたいときの参考サイト&図書

参考サイト

 

》依存症対策全国センター
アルコール健康障害・薬物依存症・ギャンブル等以上症について、さまざまな情報が掲載されています。
全国の相談窓口・医療機関が検索できます。

アルコールによる健康障害 》アルコールと社会問題 (厚生労働省:e- ヘルスネット)

依存症(厚生労働省:みんなのメンタルヘルス)

治療や生活へのサポート(厚生労働省:みんなのメンタルヘルス)

(独)国立病院機構久里浜医療センター(WHO アルコール関連問題研究・研修協力センター)

特定非営利活動法人アスク(アルコール薬物問題全国市民協会)

アル法ネット(アルコール健康障害対策基本法推進ネットワーク)

厚生労働省アルコール健康障害対策のページ

SNAPPY-CAT 飲酒チェックツール

チェックリスト形式で気軽にでき、お酒の飲み方をチェックできるサイト
医学的な裏付けがあり、アドバイスもついてきます

WHO世界戦略を踏まえたアルコールの有害使用対策に関する総合的研究
コンピューターを用いた簡易介入ツールの開発と有効性検証

》市民のためのお酒とアルコール依存症を理解するためのガイドライン

お酒やアルコール依存症についての主要な知識や、よく耳に する質問とそれに対する回答が幅広く紹介されています

厚生労働省科学研究費 「アルコール依存症に対する総合的な医療の提供に関する研究」研究分担者 長 徹二 平成28年3月

書籍

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 ぷるすあるは

 

 

 

この教材は、平成28年度子どもゆめ基金(独立行政法人国立青少年教育振興機構)の助成金の交付を受けて、NPO法人ぷるすあるはが作成したものです