「子ども情報ステーション by ぷるすあるは」精神障がいやこころの不調、発達凸凹をかかえた親とその’子ども’の情報&応援サイト

Q38. うちの子と同じ特性の方知りませんか?ーゆるゆる子育て実践編

Q38. うちの子と同じ特性の方知りませんか?ーゆるゆる子育て実践編
2022年8月8日 office

ゆるゆる子育てを担当している公認心理師・臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。

 

質問タイトル: うちの子と同じ特性の方知りませんか?
年れい: 小学4-6生

 

質問内容

 

気持ちのメーターが良くも悪くも振り切ります。
悪く振り切り始めると体に痒みや痛みを感じ衣類が着れません。
重めの感覚過敏で、聴覚 味覚 嗅覚、中でも特に触覚がひどいです。
服が着れず出かけるのも難しいです。

おがてぃの回答

 

ご相談いただきありがとうございます。いろいろと感覚の特性でお困りなのですね。同じくらい特性の強いお子さんがどのくらいいるのかは何とも言えないところですが、特性によってお困りになっている方には時々出会います。

 

今回相談をくださった方のメールを読んではじめに思いだしたのが、「感覚過敏研究所」というHPでした(感覚過敏研究所| KABIN LAB)。
そのHPに「感覚過敏あるある漫画」というコンテンツがあり、HP作成者であり感覚過敏研究所・所長の加藤路英さの感覚過敏のエピソードで「靴下の感覚が苦手でどんな寒い冬でも素足&サンダル!!」と書かれていたことでした。
このサイトでは感覚過敏に関する様々な情報がありますので、対策の参考になるかもしれません。

 

また、ぷるすあるはの絵本『発達凸凹なボクの世界─感覚過敏を探検する─』では、主人公のタク君が自分の感覚過敏を探索していく過程が描かれています。感覚過敏に対処していく際には、物理的、環境的な対処はもちろん大事なのですが、いかに当事者が自身の過敏さを理解し、受けて入れていくかということが大切になると感じていますので、もし一緒に取り組めるならお子さんと自身の感覚特性について探索してみるのもよいかと思いました。

 

当サイトでも感覚過敏や鈍麻(どんま)に関するページがあり、絵本の作者であるチアキさんが書いたコラムなどもありますので、そちらも参考にしてみていただけるとよいかと思いました。(感覚過敏[かびん]と鈍麻[どんま]─発達障害にともないやすい感覚の特性 – 子ども情報ステーションby ぷるすあるは (kidsinfost.net)

 

僕自身が今まで未就学児から成人期まで発達障害で感覚過敏のある方を支援してきた中では、相談者さんが「気持ちのメーターが良くも悪くも振り切ります。悪く振り切り始めると体に痒みや痛みを感じ衣類が着れません。」と書かれているように、その時の体調や気分、ストレスなどによって過敏さが変わったりするので、過敏で困っているという話が出てきた際には、その前後に生活の変化やストレスになりそうなことが起こっていなかったのかということを伺います。
わりとお困りになっているご本人も自覚していなかったことが思わぬストレスになっていることがあるので、それらを点検してより過ごしやすい環境について検討することが、改善につながりやすいように感じています。
その際にはご本人も気づいていないことが多いので、ご家族や通っている園・学校・職場の方からもお話を伺いながら検討していました。

 

今回のお話ですと「(気持ちが)悪く振り切り始める」というところがポイントだと思いますので、そちらの方からアプローチしていくかと思います。
もちろんすでに相談者さんなりにすでに対応され、それでもどうにもならないからこうやってご相談いただいていると思います。環境的に変えにくい何かがあり、それにお子さんが取り組んだり、関わったりすることで、たぶんお子さんのキャパを超えてしまい、それで落ち着かなくなり、悪く振り切り始めるというパターンだと思いますので、それをすることは大変かと思うのですが、改めて環境として改善できるポイントがないかどうかを検討することもひとう大切なことかと思いました。

 

感覚過敏への対処はまだまだこれからの分野であり、周囲や社会の理解も追い付いていないというのが現状かと思います。どのような対処や配慮が適切か、お子さんと一緒に考えていければと思います。

 

追記)

子ども情報ステーションのコラムは私のことです。(チアキ)
私は子どもの頃パンツをはくのが苦手で、パンツがこわいと大暴れしていました。洋服も同じ服ばかりを着ていました。 自分なりに工夫して、洋服のタグを切ったりチクチクする洋服(セーター)などは着ない、などしながら大人になりました。今でも工夫しながら生活をしています。子どもの頃は言語化できなかったので、何が嫌なことかを伝えられなかったです。

おがてぃ
普段は民間企業で心理職として仕事をしています、3児の父です。
公認心理師。臨床心理士。

》質問一覧へ
》「ゆるゆる子育て」の目次へ

 

※子育てについての質問、募集中です

》質問フォームへ


 

毎月のメールマガジン「アルハ通信」で最新情報が届きます
サイト運営団体:NPO法人ぷるすあるは
》これまでのメールマガジンをみる