心理士おがてぃの勝手にコミュニケーション講座
第4回
おがてぃです。4月になってだいぶ暖かくなってきました。桜はきれいだったし、これで花粉症さえなければ言うことなしなんだけどなぁ…と毎年思います。
傾聴スキルについてもだいぶ語ってきましたが、今回のテーマは「対人関係の物理的な距離感」についてです。
そもそも人と話すときに適切な距離というのはどのくらいでしょうか?
あまり離れていると相手の声が聞こえないし、だからと言って近づき過ぎても相手に圧迫感を与えるかもしれません。
社会心理学の中では「パーソナルスペース」という考え方があって、相手との親密度によって適切な距離感が変わってくると考えられています。
パーソナルスペースのおおまかな4分類
- 密着距離(0cm〜45cmくらい)
…だいたい「ごく親しい人」が許される距離で「抱きしめられる距離」と言われています。
- 個体距離(45cm〜120cm)
…「親しい人」に許される距離で「手で相手に触れられるくらいの距離」「両者が手を伸ばせば触れ合えるくらいの距離」と言われています。
- 社会距離(1.2m〜3.5m)
…「仕事上のつきあい」などで許される距離で「身体には触れられないけど、コミュニケーションは取れる距離」と言われています。
- 公共距離(3.5m〜7m)
…「講演会や演説」などの距離で「複数の相手が見渡せる距離」と言われています。
だいたいこのように分類されていますが、パーソナルスペースは個人差もあり、パーソナルスペースが広い人もいれば、狭い人もいます。
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面接や相談場面話を聴く場面のことを考えてみます。
パーソナルスペースを意識して、相手との距離を調整している人はどれくらいいるでしょうか?
部屋であれば、机を挟んで真向かいに座って、椅子の位置はあまり調整していないのではないでしょうか。
イスを前にしたり、少し下げたりしても距離は調整できるので、お互いに心地よい距離で調整していけると良いと思います。
もしかしたら不用意に近い距離になって相手に居心地の悪さを与えていたり、距離を取りすぎて相手によそよそしい雰囲気を与えていたりするかもしれません。
ちなみに、面接の角度でも相手に与える印象は異なると言われています。
真向かいに座る180度の座り方よりも90度の方が相手への圧迫感が少なく、リラックスして話ができると言われています。
こう考えると…
傾聴って、言葉のやりとりや内容だけでなく「人と人が出会ってコミュニケーションをとることすべて」が総合的に判断されて、よくできているか、そうでないかが決まるんだろうなぁと思います。奥深いなぁ…
→ 》第5回 コミュニケーションにおいて「目を合わせる必要があるのか?」
心理士おがてぃの勝手にコミュニケーション講座全12回
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前半は傾聴シリーズ全4回でした
》第1回 傾聴のイメージは8対2─8割は相手の話をききます
》第2回「会話を繰り返す」ことが傾聴するときに大切な3つの理由
》第3回 傾聴では双方向の「非言語コミュニケーション」を意識します
》第4回 心地よい「対人関係の物理的な距離感」のはなし