毎年年末恒例の新刊紹介コラムです。
2022年は、ヤングケアラーをテーマにしていたり、ヤングケアラーのキーワードで紹介されている本の刊行がとても多かったです。
最初に…
チアキの絵が表紙になった2冊から。
感覚過敏、感覚世界の切り口で、これまでもいろいろご一緒してきた研究者、井手正和さんとのコラボです。
科学から理解する 自閉スペクトラム症の感覚世界
著:井手正和
金子書房, 2022年8月
最先端の研究が明らかにするASDの感覚の世界の本です。
表紙にはドットの絵、各章のトビラには、絵本『発達凸凹なボクの世界-感覚過敏を探検する-』の主人公タクの挿画が入ります。
発達障害の人には世界がどう見えるのか
著:井手正和
SBクリエイティブ, 2022年12月
新書。
隣の人が見ている感じている世界は、自分とは異なる、というシンプルな気づきと理解があり、ご本人にもまわりの方にも温かいメッセージの本です。
ぷるすあるはも寄稿した特集号です。
こころの科学226号/2022年11月号【特別企画】「助けて」が言えない 子ども編
編著:松本俊彦
日本評論社, 2022年10月
母のお酒をやめさせたい
著:三森みさ
監修:今成知美,松本俊彦
KADOKAWA, 2022年12月
ヤングケアラー関連の書籍、11冊つづきます。
私だけ年をとってるみたいだ。ヤングケアラーの再生日記
著:水谷緑
文藝春秋, 2022年10月
※チアキが制作に協力しました
48歳で認知症になった母
原作:美齊津康弘
著:吉田美紀子
KADOKAWA, 2022年11月
「ヤングケアラー」とは誰か 家族を”気づかう”子どもたちの孤立
著:村上靖彦
朝日新聞出版,2022年8月
子ども・若者ケアラーの声からはじまる ヤングケアラー支援の課題
編集:斎藤真緒、濱島淑惠、松本理沙、公益財団法人京都市ユースサービス協会
クリエイツかもがわ,2022年2月
現代思想 2022年11月号 特集=ヤングケアラー ―家族主義的福祉・貧困の連鎖・子どもの権利……
討議:村上靖彦、澁谷智子
寄稿:朝田健太、柘植あづみ、土屋葉、信田さよ子、鶯谷花
連載:佐藤文隆、成田龍一、山下祐介、石岡丈昇
青土社, 2022年10月
精神科看護 2022年11月号(49-12): ヤングケアラーへの支援
編集:『精神科看護』編集委員会
精神看護出版, 2022年10月
ヤングケアラーってなんだろう
著:澁谷智子
筑摩書房, 2022年5月
ヤングケアラーってどういうこと?――子どもと家族と専門職へのガイド
著:ジョー・オルドリッジ
イラスト:ジャック・オルドリッジ・ディーコン
監訳:澁谷智子
訳:澁谷智子、長谷川拓人
生活書院, 2022年9月
「ヤングケアラー」深層へのアプローチ SNSで出会う、つながり続ける
著:加藤雅江
本の種出版, 2022年11月
ヤングケアラー: 考えよう、だれも取りのこさない社会
監修:濱島淑惠
イラスト:小池定路
文渓堂, 2022年12月
小さなベティと飛べないハクチョウ:ひとりぼっちのヤングケアラー
著:ディド・ドラフマン
翻訳:川野夏実
花伝社, 2022年11月
オランダの名作グラフィックノベル。
ここからは、テーマをひろげて、2022年に刊行された本をいくつか紹介します。
15歳からの社会保障 人生のピンチに備えて知っておこう!
著:横山北斗
日本評論社, 2022年11月
10人の例が紹介されていて、ショートストーリーにもとづいて、社会保障制度を紹介していきます。
不足不備だらけの世の中で、それでも日々サバイブしていかないといけないときに、力になる本で、若者も大人にも必要な本だと思いました。
「神様」のいる家で育ちました 〜宗教2世な私たち〜
著:菊池真理子
文藝春秋, 2021年10月
当事者は嘘をつく
著:小松原織香
筑摩書房, 2022年1月
わたしからはじまる 悲しみを物語るということ
著:入江杏
小学館, 2022年6月
かなしくなっちゃうあなたへ
かっとなっちゃうあなたへ
不安になっちゃうあなたへ
作:ホリー・グロックマン、リア・ボーエン
絵:シャーリー・ン・ベニテス
監訳:亀岡智美
訳:一杉由美
誠信書房, 2022年1月
トラウマ関連書籍も続々と刊行されています。
こちらは感情に焦点をあてた絵本3冊です。
今年は、シェア本棚を始めたり、新作絵本の制作のための情報収集をしたり… 例年よりも幅広いテーマの本にふれる年でした。
これまでのコラム。
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