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Q37. 息子の暴言、暴力ーゆるゆる子育て実践編

Q37. 息子の暴言、暴力ーゆるゆる子育て実践編
2022年8月8日 office

ゆるゆる子育てを担当している公認心理師・臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。

 

質問タイトル: 息子の暴言、暴力
年れい: 中学生

 

質問内容

 

中学2年生の息子は発達障害と軽度知的障害の診断が出ております。野球部に所属しており毎日忙しい日々です。

困り事
○言われた事を後回しにして結局やらない→言うとキレて暴言、暴力
○素手で触った物は食べられないという潔癖症→汚い手で触るな!と言い結局作った料理は捨てられる
自営業をしており、コロナの影響で売上激減のため休みなく働き続け、頑張っても衝動性のある息子に「買って買って」口撃と我慢のできない物欲。
何のために頑張っているのか分からず、消えてしまいたい、交通事故に遭って死んじゃったら楽かなあ等悪い方向に考えてしまいがちです。
夫や親からは「こういう子なんだから親である母が理解して向き合うべき」と言われますがほぼワンオペで限界を感じてます。
夫は自営業の売上補填のため自営業の方は私に任せ、夜勤のバイトに行ってます。なのでほぼワンオペです。
家に帰るのが辛いので、すぐには家に帰らず自営業のお店でゆっくりしてから帰る日々で、息子と向き合えていないのは分かってます。
向き合えるほど精神的に余裕が無いです。
息子を病院に以前は行かせてたのですが、今は行きたがらないし無理して行かすのも一苦労。
衝動を抑える薬も今は飲んでません。
病院もせっかく予約してるので私一人で相談に行きましたが、主治医曰く「息子のストレスを取り除くことが大事、野球部も辞めちゃえばいい!」と簡単に言います。辞めてしまったらこの先転職を繰り返したり、すぐに諦めてニートになるのでは?と思ってしまいます。
主治医は今しか見ていないのでは?将来のこと見据えて言葉を選んでいるのか?と疑問に思ってしまいます。
息子の通院は難しいのと、私の死にたい願望が重なりこのままではダメだと思い、私が心療内科に通うことにしました。
重いうつ状態でした。
薬を処方されて改善に期待をしてますが、息子は変わってくれるのか不安です。
息子の主治医曰くストレスの原因を取り除くのが先決なら子育て放棄したい!と常に思ってますが逃げられない恐怖との戦いです

 

おがてぃの回答

 

ご相談いただきありがとうございます。
本当に今切羽詰まっているという感じが文章から伝わってきました。ご苦労の多い日々をお送りしているのではないかと思います。何かお役に立てるようなことが伝えられるかわかりませんが、僕が思ったことをお伝えしていきたいと思います。

 

まず、お子様のご様子ですが暴言・暴力があるとのことで、推測ですが潔癖症でのことや買ってほしいものがあるとき、あとは言われたことをやらないときに生じているのではないかと思いました。共通することとして親子でやりとりしている際に生じており、一種のコミュニケーションのパターンのようになっているのではないかと思いました。
こうした形で暴言・暴力が自分の意思を通すためのコミュニケーションパターンになってしまい、お困りになっている方の相談をお受けすることが時々あるのですが、未就学児や小学生もいなくはないのですが、やはり中高生の相談が多いと感じています。
それは思春期という年代の影響でそこから始まったり、元々そういった傾向があったのだけれど、思春期でより強くなったということがあるのではないかと思っています。

 

思春期はいわゆる反抗期と呼ばれる時期で、親からの自立を目指していく過程の中で、親の言うことに反発したくなる気持ちの動きがあるのと、二次性徴にともなってホルモンバランスが変化するため、身体的にも落ち着かない時期でもあります。そのため自分の感情をコントロールすることがより難しくなり、暴言・暴力が出やすいではないかと考えています。
そういった状況ですので、あまり無理にお子さまに関わろうとすると余計に悪化することが多いので、まずは「距離を置く」「刺激しない」という関わりをしていくことをお伝えすることが多いです。
それは、そもそも暴言・暴力を用いるコミュニケーションが慢性化している状態なので、まずは小康状態として暴言・暴力のでない時間を少しでも増やすことで発生を減らすということも意図しています。

 

なので、相談者さんも「家に帰るのが辛いので、すぐには家に帰らず自営業のお店でゆっくりしてから帰る日々で」とお書きになっていますが、距離を置くという視点から考えると適切な対応ではないかと思いました。

 

また、そういった「距離を置く」「刺激しない」対応するためには、ある程度の心の余裕がないとなかなかできないと思っています。相談者さんは心療内科に現在通院中で重いうつ状態とのことです。自営業のお仕事もされているとのことで、それだけでも大変なことではないかと思っています。
なので、お子さんに関して将来のことや病状のことなど気になることはあるかと思いますが、長期的なことを考えていくのであれば、まずは少し距離を置きながらまずは相談者さんご自身の体調を整えることからはじめていければと思いました。なかなかお子さんのことが気になって休まらないということはあるかと思いますが、なるべく一緒にいる時間を減らし、別の場所で過ごし、気分転換できる時間を増やすことで、親子の距離を置き、暴言・暴力を用いないコミュニケーションが増えるようしていければと思います。

 

日々大変なことが多いかと思いますが、少しでも相談者さんの日々の生活が楽になり、ひいてはお子さんが落ち着いていくことを願っています。

おがてぃ
普段は民間企業で心理職として仕事をしています、3児の父です。
公認心理師。臨床心理士。

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