TKLF(チーム・クリフ)TEAM KIDs LIFE FUTURE
精神障がいのある親と暮らす子どもへのチーム学校を基盤とした支援モデルの開発研究会は、精神障害のある親と暮らす子どもたちの「生きる」と「未来」を応援する研究者やNPO法人から成る団体です。
2018年8月9日、初めてのワークショップを埼玉で行いました。
遠方からも含めて70名以上の大勢の方々(養護教諭、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、学校長、等)にご参加いただきました。ありがとうございました。
1.絵本朗読
プルスアルハの絵本の作者チアキによる朗読。子どもの体験に思いをはせるような場の導入になりました。
2.調査報告
研究代表者である長沼さんより、埼玉県の公立小中学校の養護教諭を対象に行った調査から見えてきた子どもの数、生活実態、養護教諭らによる支援の実際についてご報告しました。
(終了後アンケートでは数字で示されたのが良かった、とのコメントが多かったです)
*TKLFのページに結果を掲載しています
3.社会福祉サービスあれこれ
調査結果から養護教諭が必要だと思っている社会資源に関連して、十分ではないけれど、使える可能性のある社会サービスについての情報提供を行いました。
それらの「使い方」についても要注意点をお伝えしました。自治体により整備状況が異なるので安易に子どもや親に「相談してみれば」と伝えないことや、十分な解決策をと求めるのではなく「その場しのぎ」を積み重ねていくことなどです。
(終了後にはとても役立ったとご評価いただきました)
*情報提供したサービスについてリンクにまとめました。
4.子どもの体験から…
他職種チームで研究と研究結果に基づいた発信、支援実践を行なっている三重の「親&子どものサポートを考える会から。
土田さんからは、特に統合失調症の親御さんと暮らした子どもの体験を中心に、どのような混乱からどうして相談できないのか、なぜ特に学齢期の子どもにとっては「話せる場所・相手」が必要なのか、とても分かりやすくお話いただきました。
牛塲さんからは、親と子をサポートする会が行っている支援者研修の実際を通じて連携のコツをご紹介いただきました。相互理解を高めていくための事例検討会のやり方、100文字要約…等具体的な例を挙げながら「その場しのぎ」をどう作っていくのか、についてのお話でした。
(終了後には具体的に良く分かった、多機関連携のやり方をもっと学びたかった、と多くの期待が寄せられました)。
5.絵本の音読体験
子どもの体験に耳を澄ます、子どもが話をするきっかけを考えるために、2人1組で、絵本の読み合わせのワークを行いました。
他の人の朗読を聴いているときと、自分が読んで聞かせている時に感じることとでは、またいろいろな心の動きに違いがあると実感して下さった方もいました。子どもの前で読むことには抵抗があるけれど、教職員研修等で読みたいとか、読みたいと思った子どもが自由に読めるようにあちこちに置いておいて読んだ子どもへのフォローをすることがむしろ大事、というコメントもありました。
6.グループワーク
最後に、グループワークで参加者の体験を共有しました。進め方が細かく決まっておらず、かえって混乱を招いてしまったところもありましたが、お互いの状況を共有できて励みになったというコメントもいただきました。
初めての企画で試行錯誤の運営、至らぬ点もたくさんあったかと思います。大勢の参加者の方々から暖かく見守りいただき、励ましていただきました。ありがとうございました。
次回の会もパワーアップして実現できるように作戦を練りたいと思います。
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WSで紹介したサービスまとめ(関連リンクあり)
この研究の基盤になっている埼玉の調査結果(メンタルヘルス面での課題を抱えた親の元で暮らす児童生徒の実態と支援ニーズに関するアンケート)もアップしています。
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》精神保健福祉士(PSW)による親子の支援ー医療機関での精神障がいを抱えた親の子育て支援・子ども支援(牛塲さんの寄稿)
》[参加レポート] 精神的不安定さを持つ養育者の元で育つ子どもへの理解と支援ー支援者研修—基礎講座—(親&子どものサポートを考える会が行なっている支援者研修の参加レポート)