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子どもの頃に容疑者の家族になったときの体験と、警察の方へのお願い

子どもの頃に容疑者の家族になったときの体験と、警察の方へのお願い
2018年2月2日 pulusu

子どもの頃、近所で大きな事件が起こり、巻き込まれることがありました。

突然、私服の警察官がたくさんの人数で、毎日毎日自宅にやってくるようになりました。
子どもながらに「何かただごとじゃない事が起こったんだ」とすぐにわかるような、緊張感や不安が、急にやってきました。

 

学校に行くと、毎日流れるニュースで、休み時間はその事件の話題ばかり。
自分ちに、容疑がかかってることがわかっていたので、「自分の家のことを聞かれたら…」と思うとその場から逃げだしてしまい、朝学校の前まで行っては、こっそりと家にしのびこむように帰るようになりました。

 

ある日、突然、数人の警察官に囲まれて…
(容疑がかかっている)親から言われました。
「別荘に行くから、下着(を準備するように)。いない間のお金、従業員のお給料(自営業でした)…」と。そのときは、家にはほかには私しかおらず、5分もないような短時間で私に伝えてきました。
下着を渡したら、精一杯の笑顔で手をふり、あっと言う間に車に警察官と乗り込み、しばらく帰ってきませんでした。
何も説明がないままに、子どもの私はひとり立ちすくみ、途方にくれました。

 

会社はどうなるの。

いない間の生活をどうするの。

この家はもう引っ越し。

 

わからないことだらけでした。
とにかく急。
沢山の警察の人も何も言わない。何かを尋ねるにも時間もなく。
詳しい事情もわからないままに、いつ帰ってくるのかわからない不安でいっぱい。
どうやってこれから生活をしていけば… そのことを誰に聞けばよいのかわからないあの不安は、忘れられません。

 

1週間くらいで帰ってきましたが、その後、従業員の人が連れて行かれたり…何ヶ月も、警察が出入りし、落ちつかない生活は続きました。
その間は、仕事も全て止まりました。だれも見通しがわからない状況が続きました。
(結局、犯人はつかまらず、すべてがそのままうやむやになりました…。)

 

 

警察の方へお願いがあります。

 

その場に、取り残されたような混乱の家族や、子どもがいたら、見えていないことにしないで、少しでいいので温かい声をかけてもらえたら嬉しいです。
会話もかわせない数分かもしれませんが、例えば…

 

「生活が困った時には、ここに電話を入れたらいいよ。」

 

そんな情報を手渡してくれたら。
不安は半分くらいに減るかもしれません。
自分たらがこれからどうやって生活していけばいいのか、冷静に考えられるようになるまでの時間が短くできるかもしれません。

 

(スタッフM)

セサミストリートではこのテーマの動画をyoutubeで見ることができます。子どもたちの声も。(英語)

Sesame Street: Little Children, Big Challenges: Incarceration – What is Incarceration?

》https://www.youtube.com/watch?v=yk3SxyPW6lA
》https://www.youtube.com/watch?v=kDUdniEig38

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