心理士おがてぃの勝手にコミュニケーション講座
第8回
おがてぃです。今年の夏も暑いかなぁと思っていたのですが、予想は全く外れて雨の日が続いています。暑くなくてよかったと思う反面、天気が悪いとどこかに遊びに行くのもおっくうになりがちで、やっぱり天気が良いほうがいいなぁと思ったり…ないものねだりなのだろうかとぼんやり考えたりする今日この頃です。
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さて、今回のテーマは「話は聴くだけでよいのか?」ということについてです。
最近はコミュニケーションに関する書籍も多く出ており、日常生活での雑談から相談業務に至るまで、様々な場面で「聴く」ことの重要性が語られています。
ただ、最近「聴く」ということばかりがちょっと強調され過ぎているんじゃないかと思ったりします。もちろん「話を聴く」ことは大切なんですが…ただそれだけやっていればいいみたいな感じになってないかなぁということです。
僕が以前相談を受けていた時は、コミュニケーションが苦手だという方が多くいました。
だいたいは話を聴くよりも、「どう説明したらいいかわからない」「自分ではうまく説明しているつもりでも伝わってないみたいで…」ということで悩んでしました。そのため、ますは話を聴いて、相手が何を知りたいのかどう答えてもらいたいのかを考えてから伝えるということを一緒に練習していました。
すると…その「伝え方」について、意外とみんな「聴く」と同じくらい知らないのだということに気がつきました。
以前も書きましたが。会話はキャッチボールに例えられることがあります。
つまりはどちらかが一方的に投げるだけでも、受けるだけでもよくない。交互に行き合うことが大事で、そのためには「聴く」だけでなく「伝える」こともコミュニケーションには大切なのです。
しかし…自分の気持ちを伝えることについて、聴くほどにはあまり語られていないような気がするのです。
カールロジャーズという臨床心理学者がいます。臨床心理士なら知らない人はいないというくらい有名な人です。
その人がカウンセリングの大事なエッセンスとして「受容」「共感」「自己一致」という3つを挙げています。
このうち「自己一致」というのは、「相手の話を聴いて自分がどう感じたか」ということで、そしてそれを「相手にどう伝えるか」ということにつながります。
例えば相手の話を聴いていてなんだかイライラしてきたとします。でも、それで相手の話を否定したり、話を打ち切ったりするのではなく「なんでこんなにイライラするんだろう?」といったん考えます。
その後「ああそれはこういうことだったからかぁ」と納得できたら「じゃあこれを相手にどう伝えようか?」と悩み、その上で伝えるということがポイントです。これはスキルというよりはお互いに理解しあおうという「姿勢」と言えるかもしれません。
こう考えると「話を聴く」というのは、やはりただ表面的に相手の言ったことをオウム返しに返せばいいということではなく…
相手の話を繰り返しながら
いかにそれを理解して
自分がどう思ったかをじっくりを味わう
そこまでが「話を聴く」ということです。
その上で…
「自分が何を思ったのかを伝える」こと
これが、コミュニケーションをとるうえで大事なことになるのかなと思いました。
日常生活上そこまでじっくりと相手の話を聴く機会があるのかといわれればあまりないのですが…相手の話を丁寧に聴かねばならない時には、こういったところを大切にできると良いと思います。
→ 》第9回 雑談のススメ
心理士おがてぃの勝手にコミュニケーション講座全12回