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Q63.うつになり子育てが怖いですーゆるゆる子育て実践編

Q63.うつになり子育てが怖いですーゆるゆる子育て実践編
2024年5月21日 pulusu

ゆるゆる子育てを担当している公認心理師・臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。

 

質問タイトル:うつになり子育てが怖いです。
年れい: 〜3歳

質問内容

 

1歳半のこどもがいます。
出産後、産後うつになり、こどもを夫の実家に預けて実家で療養していたのですが、その後こどもが心臓の病気にかかり、付き添い入院をずっとしていました。その時は夫も一緒だったので、割とうつの症状も治ったと思ったのですが、退院後に夫の実家で暮らしたら、環境のストレスでうつを再発しました。
こどもも元気になったのに、なぜか一緒にいるのも離乳食も怖くなり、また私は実家に療養することになり、そこからずっと子育てに参加できておりません。
今も夫の実家に子育てを任せております。
こどもに会いに行くことはできるのですが、こどもと買い物に行くのも、遊びに行くのも、何かあると怖いというか、謎の不安がやってくるので、なかなか2人きりで出かけるのも億劫です。逆に、2人きりで何をして過ごしてよいのか、わからない不安の方が大きいです。
うつの原因のひとつになった同居のストレスから離れるため、夫とこどもと3人で暮らす話も出てきています。
しかし、こんな怖い感情で、この先こどもと一緒に暮らせるようになるのか、わからず悲しくなります。他の親御さんがやれていることを、自分ができていないことにも虚しくなります。
果たして自分は子育てがしたいのか、親としてしなければならないのに、そう思えないのはなぜなのか、そこを考えると堂々巡りにしかなりませんが、何かアドバイスをいただけますとありがたいです。
確かなことは、こどものことはとても可愛いです。愛情はあります。よろしくお願いします。

 

おがてぃの回答

 

ご相談いただきありがとうございます。
お子さんのことは可愛いけれど、子育てに対しては不安が大きいのですね。気持ちが矛盾[むじゅん]してしまってとてもお辛いだろうなと思いました。何か良い解決策が提示できるわけではないのですが、僕が思ったことをお伝えできればと思います。

 

はじめに思ったこととしては、相談者さんは産後うつで療養されていて、その後回復されたのだけど、また再発されたと書かれていましたので、今はどのくらいうつの状態が良くなっているのだろうか…ということが気になりました。
子育てというのは良くも悪くも大変なので、ストレスのかかることかと思います。なので、まだ回復の途上であるとしたら、不安な気持ちになったり、いろいろと億劫になったりするのは病気の影響もあるので自然な事かと思いました。
その場合は、まだなかなかお子さんと一緒に生活をしていく準備が整っていないという状況かと思いますので、あまりご無理なさらずに、もう少しよくなってからまた検討されてはどうかと思いました。病状が良くなっているかどうかについてはご自身だけで判断するのはなかなか難しいことなので、パートナーの方や主治医などの意見なども参考にしてもらえるとよいかと思います。

 

次に思ったこととしては、一旦は今できることからやっていってもよいのではないかということです。お子さんのことをかわいい、愛情を感じている、一方で子育てについては不安があって一緒に買い物に出かけたり、遊びに行くのも怖かったり、億劫[おっくう]だったりするというのは両立する気持ちだと僕は思います。
なので、今できる範囲でお子さまに対して愛情を示すことができれば、それでよいのではないかと思いました。今どのくらいお子さんと過ごす時間があるのかはよくわからないのですが、その会った時に愛情を示すことができれば充分なのではないかと思います。家族にもいろいろな形があるので、必ずしも親がずっと養育をせねばならないというわけではないと考えています。むしろお互いに無理があると関係が悪くなってしまって逆効果になってしまうこともあるので、無理なく、ゆるゆると関われる時間を大切にしていただく方が、お子さんにとってもよいことなのではないかと思いました。

 

最後に思ったこととしてはパートナーさんをはじめとした周囲の方の協力がどのくらい得られるのかということについてです。3人で暮らすという案も出ているそうですが、それだと負担が多くなってしまうと思うので、その場合は子育てに対するサポートをなるべく多く得る方法を検討しておけるとよいかと思います。
今はパートナーさんのご実家にお子さんを預けているそうなので、はじめは慣らしとして週に1日か2日くらい一緒に生活してみて、徐々に日数を増やしていくというのも工夫としてはありだと思います。そして、どこにどんな風な負担がかかるのかを把握して、家事や日中どのように過ごすのかについても検討できればと思います。保育園や家事代行サービスやホームヘルパーさんなど、お子さんを預かってくれたり、家事の負担を減らすなどいろいろとできそうな工夫はあると思います。
どのようなサポートが得られるとよいかは、病院であるなら主治医の先生やソーシャルワーカーさん、お住まい自治体であれば保健センターの保健師さんやこども家庭センターの方等に相談できるとよいかと思いました。

 

どうでしょうか。改めてになりますが、お子さんを可愛いと思う気持ちと子育てを大変だと感じる気持ちは双方あってもよいのだと僕は思っています。なので、できる範囲で愛情を伝え、良い親子関係が築けるように無理なく、ゆるゆるとつながっているだけでも、お子さんにとっては良いことだと感じています。これからの人生はまだまだ長いと思いますので、焦らずにいろいろなことを検討してもらえればと思います。

 

おがてぃ
普段は民間企業で心理職として仕事をしています、3児の父です。
公認心理師。臨床心理士。

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