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Q48. 重度自閉症の息子の世話が辛いのでメンタル不調になっていますーゆるゆる子育て実践編

Q48. 重度自閉症の息子の世話が辛いのでメンタル不調になっていますーゆるゆる子育て実践編
2023年3月13日 office

ゆるゆる子育てを担当している公認心理師・臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。

 

質問タイトル:重度自閉症の息子の世話が辛いのでメンタル不調になっています
年れい: 小学1-3年

質問内容

 

今年の4月に小学校の特別支援学級2年生になる息子は重度の自閉症と診断されています。
私はその子の父親です。

1.トイレは全面介助が必要で常時オムツ
2.コミュニケーション困難で会話は不可能(名前を呼んでも返事すらできない)
3.飛び跳ねや絶叫や指舐めなどの自己刺激行動
4.極度の偏食

あまりにも手がかかりすぎるので毎日が辛いです。
一番辛いのは、上記1に伴うことですが便を触ってしまうことです。
何回止めろと言っても聞く耳を持ちません。
止めて!と叫ぶ私の叫び声の方がかえって騒音になるのではないかと自分を責めてしまいました。

私のセルフケアが必要な状況だと認識しているので、何かできそうなことがあればアドバイス頂けると幸いです。

重度障害児を持つ親同士でつながって共感し合える場があれば良いなと思うのですが、
それもなかなか見つけられず頼れるのは妻と妻の両親のみです。
頼れる人がいるだけ恵まれているとは思っています。

 

おがてぃの回答

 

ご相談いただきましてありがとうございます。
メールを拝見しまして、日々お子さまへの関わりで悩まれたり、対応に追われたりすると、心身ともにしんどい状態になるのも自然なことだろうと思いました。とても大変ですよね…本当にお疲れ様です。
なかなか、これをすればすぐによくなるということは思いつかないのですが、自分が相談をお受けして考えたことをお伝えできればと思います。

 

まず、相談者さんが「セルフケア」とお話しされていましたので、セルフケアの方法について検討できればと思います。
僕が相談に来られる方に良くお伝えしているのは「毎日できること」と「計画してすること」の2つを実践できるとよいということです。

 

ストレスというのは日々の積み重ねで蓄積していきますので、理想を言えばその日のストレスはその日のうちに解消できるのがベストになります。
ただ、例えば「スパリゾートに行く」などのように、費用や時間がかかることをセルフケアとして設定してしまうと毎日することが難しくなってしまうので、日々の生活の中で取り組めることをいくつか用意しておくことが大切になります。
日々の生活の中で取り組めることなので、ちょっとした時間にできること、ほっと一息ついたり、気持ちを少し切り替えることができたりすることができるとよいかと思います。

 

なかなか思いつかない方もいらっしゃるので、その時にはこども情報ステーションでダウンロードできる「ハッピーリスト」などを活用して、いくつかその中から選んでもらうようにしています(》ハッピーリスト – 子ども情報ステーションby ぷるすあるは 。
また「P‐COP」と呼ばれるリーフレットの中にある「コーピングレパートリーをつくろう」というページを参考にすることもあります。
こちらは、そもそもはNPO法人ストップいじめナビ!さんが作成されたもので、「死にたい、と思うくらいつらい」気持ちを支えるためのコンテンツしてHPに掲載されています。良ければこちらなども参考にしてみてください(》【資料公開】心理的危機対応プラン「PCOP」(ピーコップ)を活用してみませんか | ストップいじめ!ナビ NPO活動サイト (stopijime.org)

 

「計画してすること」に関しては、例えば「旅行にいく」「友達とご飯を食べに行く」など、準備がいることになります。
お金を貯めたり、日程を調整したりなど、いろいろ計画が必要なのでそう呼んでいるのですが、時々そういった気分転換の機会があることも大切だと思っています。
大切なこととしては「誰かに頼る」ということで、自分が不在の間は、お子さんのことを他のご家族や支援者の方にお願いしてしっかりと休んでくるということが大事になります。時々申し訳なくて頼めないという方もいらっしゃるのですが、こういった時間はご自身の健康を保つためにも大切な時間になりますので、しっかりと取れるようにしていけるとよいかと思いました。

 

また、相談者さんは親同士のつながりについても触れられていました。
親の会や自閉症に関連するイベントに参加して、つながりを作っていくのもひとつだと思うのですが、なかなか見つけられないとおっしゃっていましたのでいろいろご事情等もあるのかと思いました。
もし、そういった場所をなかなか見つけられないということであれば、お住まいの都道府県にある「発達障害者支援センター」に問い合わせをしていただき、どのような親の会やイベントが地域にあるのかを聴いてみるのもひとつかと思います。

 

ただ、最近はお仕事やお子さんへのかかわりなどでどこかに通うという時間をとることも難しいとお話しされる親御さんも増えています。その場合は、SNSなどでつながりを広めていくことを勧めています。最近ではSNS上だけでつながっている親御さんたちも多いので、そういった方々と相互フォローしあったり、イベント情報などを共有しあったりすることもつながっていくひとつの方法かと思いました。

 

お子さんの行動などを伺ってますと、日々の対応だけでもヘトヘトになってしまうかと思います。ご家族にも頼りつつ、ヘルパーやショートステイなど利用できるものはいろいろ活用していただき、少しでも負担を減らしてお子さんと無理なく付き合っていければと思います。

 

おがてぃ
普段は民間企業で心理職として仕事をしています、3児の父です。
公認心理師。臨床心理士。

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