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どこかにつながった後も、安心できる存在であり続ける「見守り」〜おがてぃのゲートキーパーの話~その6

どこかにつながった後も、安心できる存在であり続ける「見守り」〜おがてぃのゲートキーパーの話~その6
2021年5月11日 office

「死にたい」「消えてしまいたい」と言う人と出会ったあなたへ
〜おがてぃのゲートキーパーの話〜 その6
どこかにつながった後も、安心できる存在であり続ける「見守り」

 

みなさん、こんにちは。 おがてぃです。
2021年5月の段階で東京都では緊急事態宣言が引き続いおり、日によっては1000人を超える感染者が出ていると報道されています。「コロナ疲れ」「自粛疲れ」と呼ばれるように、1年以上続くコロナ関連のストレスは、私たちに大きな影響を与えていると思います。
日々の感染リスクや仕事の見通し、経済的な問題や家族関係の悪化など様々なことが生じているかもしれませんが、こんなときだからこそ、自分たちにできることを丁寧にしていければと思います。

 

 

さて、今回はゲートキーパーの役割を果たすための4つのポイントの最後にあたる「見守り」について書いていきたいと思います。
とはいっても、この「見守り」に関する部分は、政府広報オンラインのHPにはあまり内容について書かれておらず
「温かく寄り添いながら、じっくりと見守る(連携後も、必要があれば相談に乗ることを伝える)」
というくらいです。なので、少し補足的に僕自身が思う「見守り方」ということについて書いていきたいと思います。

「死にたい」と話していた人がどこか相談機関につながると、周囲の人は安心して、少しその方に対する関わりがゆるむことがあります。それは悪いことではないのですが、メンタルヘルスに関連する諸問題はすぐに解決することは少ないので、その後も気持ちが前向きになったり、元に戻ったりすることがあります。
ときには、つながった相談機関に行かなくなってしまうこともあるので、困ったときに再度相談してもらえるような関係を継続しておけると少し安心です。
ただ、この見守り方というのは思いの外難しいです。あまり詮索しすぎても相手も嫌がるでしょうし、かといって何をどう聞いたら良いのかわからないということもあるかと思います。

 

こころがけたいとしては相手に対して「良き理解者である」ということだと思います。
僕が思う「良き理解者」というのは

・理解しようと努めてくれる人
・知ってほしくないことは無理に知ろうとしない人
・変に自分をコントロールして自分の意思を変えさせようとしない人
・時々一緒に泣いたり、笑ったり、怒ったりしてくれる人

 

という人かなと思います。
結局のところ、人の気持ちを100%理解するのは難しいし、それができると言う人の方がむしろ信用できないと感じられます。なので、理解しようとしている姿勢が伝わればそれで良いのかなと思います。

 

一方で、相手にもプライバシーがあり、人に知られたくないこともあります。なので、相手が知って欲しくないと思うことは無理に詮索しないと言うことも大切です。
そして、相手をこちらの都合でコントロールしようとせず、その人のまま受け入れて、時々一緒に泣いたり笑ったりできる人というのが「良き理解者」なのではないかと思います。
そういう姿勢で人と関わると、おのずと「つかず離れず」という距離になります。そのくらいの距離がちょうど「見守り」にも良い距離なのかなと思っています。

 

今回でゲートキーパーの4つのポイントを全て紹介することができました。
次回は今までのゲートキーパーの話を振り返り、「死にたい」「消えてしまいたい」と話されている人に対してどう関わったら良いのか、まとめについて書きたいと思います。

 

今回のコラムもシェアしていただけるとありがたいです。
「#ゲートキーパーの話」
とハッシュタグをつけて、まずは自死に関する知識を持った人が増えることが自死を防ぐことにつながっていくと考えています。
このコラムを読んで学んだ人が増えることで、なかなか支援が届きにくい、人に相談するのも難しいといった方に支援が届くことを願っています。

》厚生労働省ホームページ

》政府広報オンライン

 

※相談先、身近な人を自死でなくされた方のサポートの情報をこのページの最後に掲載しています

 


シリーズ目次

1.ゲートキーパーって何?
2.「死にたい」と思っている人の気持ち
3.ポイント①「気づき」
4.ポイント②「傾聴」
5.ポイント③「つなぎ」
6.ポイント④「見守り」
7.最後に~おがてぃの思うこと~

おがてぃ
臨床心理士・公認心理師

 

相談先の情報

 

》電話相談窓口情報(厚生労働省のページ)

》いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧|自殺総合対策推進センター

》生活を支えるための支援のご案内|厚生労働省(最終更新7/16)

身近な方を自死で亡くされた方の相談先などの情報

》遺されたご家族へ ―自死遺族の方へ―

厚生労働省|こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト内)
遺族のつどいの情報、弁護士による 電話相談(自死遺族ホットライン)、臨床心理士による電話相談などが掲載されています。

》NPO法人全国自死遺族総合支援センター<グリーフサポートリンク>

自死遺族相談ダイヤル(自死遺族のための電話相談)を行なっています。
全国の身近な人を自死で亡くした方のつどいの情報などを掲載しています。