精神科で長年働いてきた看護師のチアキが、精神科の受診や治療などの質問に回答するコーナーです。
質問タイトル:親に知られたくない
年齢:中学生
中学2年生の女子です。毎日つらくて精神科に受診[じゅしん]したいです。でも、親には絶対に知られたくないです。親にばれずに内緒で受診する方法があれば教えてください。
チアキの回答
質問ありがとうございます。
まず、どんなことで受診したいのか、なにがしんどいのか、書き出して整理してみます。
そして、自分の通えるはんいで、精神科の病院をけんさくしてみます。
中学生ひとりで、初診(しょしん:はじめての受診)ができる精神科の病院があるかというと、現実的にはなかなか難しいです。
もし、ひとりで来てもokというとこがあっても、絶対に親にばれないように、というのは不可能です。
※保険証を使って受診した記録(病院名・医療費)は、親(被保険者)へ「医療費通知書」として定期的に届く仕組みになっているので、受診したことはわかってしまいます。
(「国民健康保険」の医療費通知では、診療科が精神科、心療内科、産婦人科などの場合や、病院名から病名が推測できるものについては記載されない場合があります。総合病院であれば、何科に受診したかは、通常、記載されません。)
通えるはんいの病院を探したら、電話で、ひとりでもokかを確認して、予約[よやく]します。
初診のときは、ねんのため、財布に5,000円くらいは準備していきます。
中学生ひとりで受診して、初回からお薬がでることはないと思います。ゆっくり話を聞いてくれる場所でもないかもしれません。心づもりしておくと、がっかりしすぎずにすみます。
こわかったら、次は行かなくていいです。
かんじのいいスタッフだったら「親に言いたくないけど・・・どうしたらいいでしょうか?」と相談するとよいです。
初診は親とだけど、2回目のあとは、(状況によりますが)ひとりでもokという場合もあると思います。
実際には…なかなかひとりで受診できる病院は見つからないかもしれません。
そんなときには、保健所の精神保健相談[せいしんほけんそうだん→こころに関する相談]を利用する方法があります。
保健所は、県に何ヶ所かあって、病院ではないですが、こころの専門家がいます。お金もかかりません。精神科の先生が、ときどき相談を行なっていることもあります。
医療費通知書の仕組みについて追記しました(2021.6.22)
チアキ
関西→関東、精神科ひとすじの看護師。
ぷるすあるはの制作担当、絵本ではお話と絵を担当しています。