イラストで学ぶ病気や障がい
統合失調症

統合失調症は、およそ100人に1人がかかるとても身近な病気です。
脳[のう]の機能[きのう]の調整[ちょうせい]がうまくいかなくなっておきます。
だれもいないのに声がきこえる(幻聴[げんちょう])、定[さだ]かではないことを確信してしまう(妄想[もうそう])、生活しづらくなる、などの症状[しょうじょう]があらわれます。
時間をかけてゆっくりつきあう脳の病気です。
ページにおこしいただきありがとうございます。
大人も子どももいっしょに見れて、基本的な知識を学べるページです。およそ小学校中学年~大人の人向けです。もっとくわしい情報を知りたいときは、参考サイトがページの下の方にあります。子どものみなさんは、わかりにくいことや、ぎもんに思ったことは、大人の人に聞きながら読んでください。
印刷用まとめシート
ページのポイントをA4×2枚のシートにまとめました。

1 どんなことが起きるの?(症状)
ひとりひとりちがいますが、ここでは、あらわれやすい症状を、陽性[ようせい]症状と陰性[いんせい]症状にわけて説明します。
おおざっぱにいうと「陽性症状」は元々なかったものがあらわれた症状、「陰性症状」は元々あったものがなくなる症状のことです。
陽性症状の例

- 幻聴[げんちょう]:ほかの人にはきこえない声がきこえる(悪口や命令などのイヤな内容が多い)
- 妄想[もうそう]:定[さだ]かではないことを確信してしまう(ねらわれている、悪いことがおきる、自分に関係があるように思える、など)
- 考えや言動がまとまらない
- 気持ちが不安定になる など
陰性症状の例

- 意欲ややる気がでない
- 疲れやすい
- 生活のしづらさ
生活のしづらさでは、特に対人関係や、作業など、次のようなことが苦手になりやすいです。
仕事や家事、育児などに影響します。
- 仕事や家事などの段どり
- チームワークやスビードが必要な作業
- 同時にいくつかの物事に取り組むこと
- 集中力や注意力・決断力
- 身だしなみ、会話がぎこちない など
こんな気持ちになりやすいです・・・

2 回復のサポートになることは?
病状や、病気の経過にあわせて、オーダーメイドのサポートを見つけます。
経過も個人差が大きいですが、典型[てんけい]的には、前駆[ぜんく]期、急性期、休息期、回復期にわけられます。
前駆期(前ぶれの時期)の症状は、音に敏感[びんかん]になる、なんとなくしんどい、眠れないなど。再発の前にも、同じような症状があらわれることがあります。

統合失調症は、生活上の工夫をしながらゆっくりつきあう慢性疾患[まんせいしっかん]です。
安心できる環境や、人とのつながり、希望は、回復のサポートになります。
病気はその人の一部分。健康な面やできていることに注目します。
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薬には、症状や不安感を和らげたり、再発を起きにくくする効果があります。薬を飲みながら社会生活を送っている人がたくさんいます。
副作用のこと、内服の心配や希望について、主治医と相談しながら、自分にあった薬とのつき合い方を選んでいけるとよいです。
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回復のサポートになること

3 ご家族やまわりの方へ
ページ案内
ご家族のみなさんへ
家族会の情報、かかわりについて、心配な状態なのに病院にいかないとき、自身の不調…など、ご家族向けの情報を置いているページです
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4 病気の人はどれくらいいるの?原因は?
およそ100人に1人弱の人がかかるとても身近な病気です。
10代後半〜30才頃の発症が多いです。
原因は、はっきりとはわかっていませんが、その人がもつ病気のなりやすさ(体質)と、ストレスなどとのかね合いで病気になるといわれています。
特定の出来事などなにか1つの原因でなる病気ではありません。
性格や気の持ちよう、育て方が原因ではありません。だれのせいでもありません
体質とは、高血圧になりやすい体質がある、といったことと同じで、一般的な病気です。

5 調子に気づく・伝えるためのアイテム
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コミュニケーションを助けるアイテムいろいろ
調子を知る/伝えるためのアイテム、診察時のコミュニケーションに使えるアイテムなどを紹介しています
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6 病気をかかえながらの子育て、子どものサポート情報
病気をかかえながらの子育てについての情報
病気をかかえながら親をすることは大変な取り組みです。
》親のみなさんへ〜ゆるゆる子育て
少し気持ちが楽になるような情報、サービスの情報、イラストブックやリンク集、自助会の情報などをのせています。
》こころの不調や病気と妊娠・出産のガイド(一般の方向け) <外部サイトへとびます>
(公益社団法人⽇本精神神経学会・⽇本産科婦⼈科学会)
精神疾患と妊娠・出産・授乳・子育てに関する情報がまとまっています。
Q&Aスタイルで読みやすいです。
Q3 こころの薬(精神科の薬)と妊娠・出産・授乳に関するQ and A/Q7 妊娠中・出産後に「うつ」になった方のためのQ and A/Q14 「統合失調症」の診断を受けている方の妊娠・出産・子育てに関してのQ and Aなどの内容があります
アイテム案内
『ゆるっとこそだて応援ブック』
(プルスアルハ著)
病気をかかえながらの子育てを応援しているイラストブックです
》絵本紹介ページへ
(親が病気のとき)子どもの安心のためにできることは?
病状から、子育てや家事、仕事などへさまざまな影響があることがあります。次のような子どものサポートができます。
リンク先の「ケアガイド」でくわしく説明しています。
- 子どものどんなきもちもみとめる
- 日常生活をサポートする:食事、生活リズム、身だしなみ、学校の準備、遊びなど
- 親の病状は子どものせいではないことを伝える
- こまったときの対処法を相談しておく(「こまったときカード」を作るなど)
- 家族が少し元気になる、病気や対応について知る、ひとりだけでかかえずに相談してみる

7 くわしい情報を知りたいときの参考サイト&図書
参考サイト
》統合失調症<こころの情報サイト/国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所
》すまいるナビゲーター 統合失調症
「イベント情報」で全国の統合失調症関連の情報が見れます
》みんなねっと(公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会)
全国の家族会の情報が掲載されています
》4コマ漫画 統合失調症との付き合い方 当事者100人の経験(岡本クリニック・メンタルケア室のグループ療法で出し合ったみんなの知恵)
》JPOP-VOICE/統合失調症と向き合う
体験者、医療者、ご家族の「声」を紹介しているサイト
》統合失調症薬物治療ガイドー患者さん・ご家族・支援者のためにー
(日本神経精神薬理学会)
》質問促進パンフレットのページ(精神科外来における意思決定支援ツール開発・普及委員会)
図書
- 『マンガでわかる!統合失調症』,中村ユキ著,日本評論社,2011
- 『健康ライブラリーイラスト版 統合失調症 正しい理解と治療法』,伊藤順一郎監修,講談社,2005
- 『じょうずな対処 今日から明日へ(全改訂第1版),地域精神保健福祉機構・コンボ,2018
- 『わたし中学生から統合失調症やってます。』,ともよ著,合同出版,2018
- 『今日もテレビは私の噂話ばかりだし、空には不気味な赤い星が浮かんでる』,himaco著,KADOKAWA,2023
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ぷるすあるは
