知的障害とは?
知的障害は、生活に必要な力(知的能力)に限り[かぎり]があることで、社会生活がうまく送れなくなっている状態です。特徴[とくちょう]は、子どものころ(18才くらいまで)からありますが、あらわれ方は一人一人ことなります。子どものころにはわからず、大人になってから知的障害だとわかることもあります。
どうやって調べますか?
知的障害を調べるには、今までの生活の様子を聞いたり、知能検査を通して、生活に必要なさまざまな力のどんなところが得意で、どんなところが苦手なのかを調べます。このことは、どうしたら生活しやすくなるかのヒントにつながります。

調べられる場所は、お住まいの役所(市役所や区役所、町役場など)の障害福祉担当課[しょうがいふくしたんとうか]へ聞くとわかります。
*役所の案内窓口にこのページを見せてもよいです

知的障害の方のサポートのための手帳(療育手帳[りょういくてちょう])があります。大人になっても手帳をとることができます。
療育手帳は、小さいころから、同年代の人たちにくらべて苦手なことが多く、仕事をしたり生活したりしていくときのサポートを必要とする人たちのための手帳です(地域によって呼び名がちがうことがあります)。大人になってからでも、申し込みをして判定[はんてい]を受けることができます。療育手帳にあたると判断されれば、手帳がもらえます。
*手帳の申し込みをしてからの流れ
1 役所で相談・申し込む
→ 2 聞き取りと知能検査、医師の診察[しんさつ]など
→ 3 結果がわかる・当てはまる場合は手帳を受け取る
知能検査は判定機関で行います。地域によって判定機関や担当課の名前、やり方がちがうことがあります。役所の窓口で教えてもらえます。
手帳も地域によって見た目がちがいます。例 ↓↓

療育手帳Q&A
Q 療育手帳をとるとどんなメリットがありますか?
A.例えば
・電車・バスなどの運賃が割引になる
・障害福祉サービス(ホームヘルパーや日中活動の場、仕事につくための訓練など)を利用できる
・障害者雇用枠[こようわく]の仕事に応募[おうぼ]できる
・医療費や手当など金銭的な補助がうけられる
などがあります。障害の程度や、住んでいる所によって受けられるサービスがことなりますので、くわしいことは役所に聞いてください。
例)さいたま市であれば『障害者福祉ガイド』がウェブ上に公開されていて、受けられるサービスの一覧を確認できます(分量は多いです・・・参考に)
Q.療育手帳をとったらまわりの人に知られるのですか? いつも手帳を見せないといけませんか?
A.そんなことはありません。サービスを利用するために見せるように言われる場合は、見せる必要がありますが、それ以外は、見せる見せないを自分で決めて良いものです。職場や学校、近所の人などに勝手に知られることもありません。役所には、「守秘義務[しゅひぎむ]」といって、情報を勝手に話してはいけない決まりがあります。
Q.知能検査の時、普段の力を出せなかったら、どうしたらよいですか?
A.慣れない検査の場面で、緊張してうまく答えられないことはよくあります。検査の結果は、1回の場面でどのように取り組めたかの結果です。このため、知的障害かどうかを調べるときは、知能検査の結果だけでなく、慣れている場面で、どんなことができて、どんなところが難しいのかを合わせて確かめていきます。

*知能検査は100点を目指す検査ではないです
Q.病院で診断を受けることができますか?
A.病院・クリニックでは、医師が必要と判断した場合に、知能検査を行うことがあります。その結果によって知的障害の『診断』がでることがあります。療育手帳は、病院では発行していないため、役所に行って手続きをする必要があります。これまでに説明した流れです。(病院からの診断書や検査結果があれば、それらは参考資料になります)。
知的障害?手帳がでるかどうか?の相談は役所へ。苦手が多いことにくわえて、気分がとても落ち込むなど精神面の不調があり、まずそれを中心に相談したい場合には、精神科の受診を考えるとよいと思います。
小さい頃から勉強が苦手で、頑張っているのに、なんだかうまくできないことが多かった・・・という理由にひとつに、知的障害がかくれていることがあります。大人になって初めてわかる方もたくさんいます。どんなことができてどんなところが難しいのかを知ることは、生活しやすくなるためのヒントにつながります。
いろいろな工夫を見つけたり、相談やサービスを使って、その人らしい生活を送っている知的障害の人はたくさんいます。身近な人の理解や応援があると、力を発揮[はっき]しやすくなります。
どうかな?と思ったら、一度、役所で相談してみてください。
作成:さいたま市障害者更生相談センター×ぷるすあるは
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