自助グループ(セルフヘルプグループself help group)は、共通の問題や悩みを抱えた人が集まり、自主的に運営しているグループです。
ウェブサイトを見たり、会場の案内チラシをもらったけど・・・初めて自助グループへ参加するのはハードルが高いものです。
・Step1,2,3で、参加しやすい会場の調べ方と参加方法
・よくある質問Q&A
をまとめました。
まわりの人が、自助グループを紹介したり、すすめるときにも知っておくとよい情報です。
自助グループにもさまざまな種類があり、それぞれにスタイルがことなります。このコラムは、主に、アルコールのAA[エーエー]、薬物のNA[エヌネー]、ギャンブル(病的賭博)のGA[ジーエー]などを想定して書いています。AA,NA,GAの●Aはanonymous:アノニマス、無名のという意味です。(》さまざまな自助グループの情報はこちらへ)
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STEP1 初めて行く会場の選び方
ミーティングには種類があり、「オープンミーティング」は、ご家族・医療福祉・行政関係者など依存症者以外の方でも参加可、「クローズドミーティング」は、当事者のみの参加です。
どの会場、どのミーティングでも参加可能ですが、初めてのときには、例えば、「ビジネスミーティング」(グループ運営の話し合い含む)といった限局したテーマのものをさける方が、参加しやすいです。ミーティングの種類の説明は、ミーティング案内やウェブサイトに書いてあります。わかりにくいという方は、AAであれば、セントラルオフィスに問い合わせると確実です。
STEP2 会場に着くまで・着いたら
初回は、開始時間の15分くらい前に行きます。『会場係はどなたですか?』とたずねて会場係の人のところへいき『初めて参加します』と伝えます。グループの説明、ルールなどを教えてくれます。事前の予約・登録は必要なく、持参するものもありません。会場では本名を名乗る必要はありません*。住んでいる場所や仕事なども言う必要はありません。
STEP3 ミーティング中は
その日のテーマがあり、順に話をしますが、いきなり自分の体験は話しにくい、なにを話していいかわからないときは、「ここへ来た経緯」を話してみるのもよいと思います。
話したくないときは『パス』してok。最初に、話すがしんどい、苦手、と伝えて大丈夫です。人見知りのメンバーが多いのでみんな話さないことに慣れています。強制されることはありません。最初は、場の雰囲気をみたい、まわりの人の話だけを聞きたい、というのもありです。ミーティングで聞いた話は外では話さないルールを守ってください。
参加費は無料です*。ミーティングの最後に献金の袋が回りますが、額は決まっていません。入れないのもありですが、会場を借りる費用になっているのでその点は理解しておくといいです。
ミーティングが終わったらそのまま退散してokです。
*例えば断酒会では実名を名乗り、会費があります。家族も参加でき、全員が話します。など、自助グループによってスタイルが異なりますので、参加されようとしているグループについて、個別に確認ください。
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Q&A
Q どんな人がいますか? 男性、女性?年齢は?・・・ みんな当事者なのですか?
グループによって特色があります。何かしらの当事者ですが、支援者の人が見学に来ている場合があります。グループによって雰囲気がかなり違います。どうしても無理な時には退席大丈夫です。
場所と日時が通いやすいところから、いくつか試すのもひとつの方法です。いくつか回ってみると、自分にあった雰囲気のところが見つかることがあります。同じ会場にずっと通わないといけないということではありません。
AAで女性だけのミーティング、若者のミーティング、などもあります。
Q 友人や家族といっしょに参加してもよいですか?
当事者の集まりですので、家族は家族のグループに参加する方が良いです。安心して話せる空間のための、周りの人への配慮です。
一緒に行った場合は、会場係の人に伝えると、どうしたら良いか教えてくれます。オープンミーティングと書かれている場所に行ってください。
Q ミーティングに行ったら、かえって、(薬物など)誘われることもあると聞きました。
可能性はあります。薬物やお酒をやめたての人も通っています。病気の症状で使いたい気持ちが高まっているメンバーもいます。お酒や薬物をやめている期間が長い人(=クリーンが長い人:お酒や薬物をやめていることをクリーンと言います)に正直に相談してください。対処の仕方を学べます。クリーンがない人同士で、連絡先の交換や自宅を教えあうことには慎重になった方が良いこともあります。これもクリーンが長い人に相談してみてください。
Q 説明を読むと、宗教っぽいかんじがしたのですが・・・?
外国から来ているものなので、それらしく感じる単語などもでてきますが、宗教ではありません。神様がでてきますが、自分の信じるものでよいです。握手やハグもでてきますが、これも外国文化ということであまり身構えずに・・・(素手での握手のハードルが高い人は、さりげなく手袋をして行ってください)
12ステップという回復のためのひとつのプログラムを取り入れているグループもあります。
Q ミーティング以外に、もう少し気軽に、雰囲気を知れるような場がありますか?
「オープンスピーカー」というイベントに参加してみるといいです。体験談を聞くことができるイベントです。申し込みをしたり、名前を言う必要はありません。
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支援者の方へ
「自助グループの情報提供をしてるけど行かない…」という声をよく聞きます。
相談者の方や患者さんへ、自助グループを進めるときには、会場調べを一緒に行い、初回はぜひ一緒に行ってください。
会場選びひとつをとっても、どこに行ったらよいか迷ったり、表から見つけにくく手間がかかることがわかります。
実際に自助グループへ行き自分の話をしてみると、それがとてもハードルが高いことを実感できるはずです。ご本人が初めて自助グループへ通う勇気はその何倍も大きいものです。
その方の話をしっかり聴き、関係を築いた上で、自助グループをすすめると、つながりやすくなると思います。いつどこの会場に行くか、一緒にスケジュールを立てるのもよいと思います。