友人が薬物(覚醒剤etc)を使ってるかも…というときにあなたにできること

1 説教せずに声をかける

「最近どう?」
など無視せずにときどき声をかける。
薬の話はしなくてよいです。

2 やらない方がよいこと[NG対応]

  • 責[せ]める
  • 問いつめる 
  • 白状[はくじょう]させる
  • (もうやらないと)約束させる
  • 犯罪者あつかいする 
  • 「○○(例:父親)の自覚をもって」となどと言う
  • 恥[はじ]だと言う
  • 自分でなんとかしようとする

本人も、どうしよう、マズいな・・・とうすうす思っていることが多いです。
ちょっとしたことで「責められている」という感覚を持ちます(実際に、いろいろな場面で責められていることも多い)。「友達のことを巻きこみたくない」とも思っています。

 

3 相談できるところがあることを情報として伝える

薬物について話題にするとしたら
「最近こんなふうに聞いたけど・・・・だいじょうぶ?」
「最近やせて顔色悪いけど心配・・・」
などと心配していることを伝えます。

「使ってない」「心配いらない」という返事に対しては、「こまったことがあったら言って」と伝えます。
上記NG対応は同じです。

「やめようと思ってもやめられない依存症っていう病気があるらしい。そうじゃないかって心配してた」
「あてはまるなって思ったら、相談できる場所に相談してみたら」と情報提供をします。
もしも、相談についてきて欲しいと言われたら、可能であれば付きそいます。

4 薬物使用をさそわれたり、身の危険を感じたら、迷わずはなれる

かわりに薬をあずかることは、絶対にしません。

薬物の所持であなたがつかまるリスクがあります。
あとで、あずかったことを本人に責められたり、薬を使ったのでは?と疑[うたが]われたり、本人が頼[たの]んだことを覚えていなかったり、など、さまざまなトラブルの元になります。

5 心配な状況とその対応

精神状態が心配
例:興奮[こうふん]している、意味のわからないことを言ってる、すごくおびえているなど
→友人自身が、最寄りの保健所(精神保健担当)や精神保健福祉センターへ相談する

からだの状態が心配
例:すごくやせている
→内科の受診をすすめることもひとつ

命の危険があるような犯罪に巻きこまれている可能性がある
→警察へ

6 友人自身が相談できるところ

友達自身がダルクなどに相談する選択もあります。
行くのはハードルが高いので、まずは電話でもOKです。ひとりでかかえないでください。

本人が相談機関につながることは、現実的にはなかなかむずしい場合も多いです。どうにもならないこともあるので、自分を責めないでください。

7 相談先情報

ダルク:薬物依存症のリハビリテーション施設
》全国のダルク(日本ダルクのページ)

精神保健福祉センター:こころの健康について 専門的な相談ができる公的機関。各都道府県・政令指定都市ごとに1か所(東京都は 3 か所)
》全国の精神保健福祉センター一覧(全国精神保健福祉センター長会のページへ)

保健所:<精神保健担当>でこころの健康についての専門的な相談ができます。

専門医療機関(本人が受診する場合)
薬物依存症の診療を行っている医療機関の情報は、上記、精神保健福祉センターや保健所へ尋ねます

依存症対策全国センター(Webサイト)
全国の相談窓口・医療機関を検索[けんさく]できます。
アルコール健康障害・薬物依存症・ギャンブル等依存症について、さまざまな情報がのっています。
》依存症対策全国センター

「ご家族の薬物問題でお困りの方へ」(厚生労働省のリーフレット)
最後のページに相談先、家族会の一覧があります。薬物依存症についての説明、家族の対応について、Q&Aなどの詳しい冊子です。
》ご家族の薬物問題でお困りの方へ

最後に…
薬物依存症は病気です。回復できる病気です。ダメ、絶対だけではダメ。治療や回復支援の視点を!

8 関連ページ

》イラストで学ぶ薬物依存
薬物依存症について、症状の例やサポートになることなど、イラストで説明しているページです。

》クスリをのみすぎてしまう
市販薬[しはん やく]・処方薬[しょほう やく]の乱用のページです

コラム

》小学生の大麻使用の報道をみて思うこと〜「相談」できる環境を
》ダメと言わない薬物教室「断り方・通報されない相談先・打ち明けられたときには」
》薬物依存症体験談『今、ダルクで、希望や目標を探しながら1日1日を過ごしています』