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[薬物の困りごと]ご家族からの相談への対応チャート

[薬物の困りごと]ご家族からの相談への対応チャート
2018年2月14日 pulusu

薬物に関するご家族などからの相談が入ったときの対応のポイントをまとめました。特に保健機関・行政機関・相談機関などでの活用を想定しています。印刷用のまとめシートあり。
ご家族の応援、安心につながれば幸いです。

 

目次

01.相談を受けるポイント・ききとりのポイント
02.「逮捕された」「出所してくる」の相談への対応
03.ご家族の相談先、ご家族がつながれる場所
04.ご家族のいろいろな思い
05.リンク
06.東京アピール

 

01.対応のポイント

 

最初に相談をうけた機関、相談員が、話をしっかりきいて、問題の整理をします。普段の相談対応と同じです。
違法薬物の相談では、「通報されないか?」は相談時の大きな心配ごとです。「通報しません」を保証することが安心になります。

ご家族の相談先、ご家族がつながれる場所の情報は、このページの下の方に掲載しています。

ききとりのポイント

 

基本的な情報とご家族のニーズを確認しながらききます。

ほかにも…
情報が欲しい(医療、施設etc)
話を聞いて欲しい
子どもにどう伝えたら?
近所や職場に知られないか心配
出所してくる
過去に使ってた、使ってるかも…
処方薬、市販薬をたくさんのむ
精神科から出ている薬をやめたいetc
「クスリ」の相談といってもさまざまです。

 

対応としては、緊急度を考え、まず安全第一。
精神症状が強いときは精神科。
緊急時は110番/119番。
そのほか、ニーズに合わせて対応します。
薬物だけにとらわれずに、生活全体、家族全体をみていくことが大切です。

02.「逮捕された」「出所してくる」の相談への対応

 

違法薬物では、逮捕されたタイミングで相談が入ることがあります。
逮捕後の流れを整理しておきます。

時間関係と所在地を確認します。

・逮捕された日
・今、裁判の前か中か後か
・服役中なら刑期がいつまでか
・今いる場所は? 本人[留置所・拘置所・刑務所]/相談者

ご家族のニーズを聞き取ります。ニーズにあわせた対応をする点は、上記、ポイントと同じです。

薬物での逮捕にまつわる相談はリハビリ施設が経験が多いです。上記、聞きとった上で、必要時にはつないでください。

刑務所から出所してくるタイミングで相談が入ることもあります。
同居、別居、家族構成、住むところがあるか、お金のことや生活できるか?など、生活状況の確認をして、ご家族のニーズにそった相談対応をします。

03.ご家族の相談先

 

地域の公的な機関

・精神保健福祉センター:こころの健康について 専門的な相談ができる公の機関。各都道府県・政令指定都市ごとに1か所(東京都は 3 か所)
》全国の精神保健福祉センター一覧(全国精神保健福祉センター長会のページへ)

・保健所:精神保健担当でこころの健康についての専門的な相談ができます
》全国の保健所一覧 (全国保健所長会のページより)

そのほか

・薬物依存症のリハビリ施設
ダルク
》全国のダルク(日本ダルクのページ)

・専門医療機関:家族相談を行なっていることがあります。薬物依存症の診療を行っている医療機関の情報は、精神保健福祉センターや保健所でたずねます。

 

ご家族がつながれる場所

 

ご家族や友人の自助グループ

ナラノン
》ナラノン公式ページ

 

04.ご家族のいろいろな想い

 

05.リンク

 

》イラストで学ぶ薬物依存症

》自助グループへ初参加するときに知っておくとよいこと・会場の調べ方や豆知識

》家族の対応いろいろ

》ご家族の薬物問題でお困りの方へ(厚生労働省のリーフレット):最後のページに相談先、家族会の一覧があります。薬物依存症についての説明、家族の対応について、Q&Aなどの詳しい冊子です。

 


薬物の困りごと・家族相談対応チャートver.1
2018年2月
制作協力:埼玉ダルク支援センター(地域の住民・医療・福祉・司法・教育関係者など、さまざまな人が参加して薬物依存症からの回復の援助活動をしているボランティア団体)
監修:成瀬暢也・岡崎直人


東京アピール

平成22年1月20日 アルコール・薬物問題全国家族会会議

 

1.家族は、周囲・社会の偏見にさらされています。

依存症が病気であり、回復可能であることを広く啓発し、依存症に対する偏見をなくして欲しい。学校・一般医療における教育に取り組んでほしい。

 

2.依存症本人のみでなく、家族も助けを求めています。

家族に焦点をあてた支援が必要である。家族会・家族グループについての関連 機関での広報や、運営に対する援助に力を入れてほしい。

 

3.家族は、依存症本人の回復支援機関・団体への援助を求めています。

依存症者の回復・社会復帰に対する経済的支援を増やし、就労、子育て等を含 む生活支援体制を整えてほしい。

 

4.家族は、どこに相談していいかわかりません。

相談体制を充実させ、誰にでも必要な情報が得られ、適切な相談が受けられるよ うにしてほしい。そのために、医療、保健、福祉などの関連機関のネットワークの 構築、専門職研修の充実、情報センターの設置をお願いしたい。

 

5.家族は、医療に助けを求めています。

医療は治療の質を上げ、より積極的に依存症治療に取り組んでほしい。

 

6.第三次薬物乱用防止5カ年計画(内閣府)における「薬物依存・中毒者の社会復 帰と支援及びその家族への支援強化に充実強化」の着実な遂行を希望します。

東京アピール:平成20年に、厚生労働省障害者保健福祉推進事業「依存症者の社会生活に対する支援のための包括的な地域生活支援事業」が実施されました。家族を対象とした大規模な調査研究「アルコール・薬物問題を持つ人の家族の実態とニーズに関する研究」(分担研究者:成瀬暢也)が行われ、家族のストレスは深刻であり、身体的・精神的にも不調であることが調査結果から明らかになりました。平成22年1月、「アルコール・薬物問題全国家族会会議」が開催され、全国から100人を超えるご家族が参加され、上記の調査結果の報告と家族分科会での意見交換がなされました。その結果を「東京アピール」として、さまざまな機会を通して、実情を訴えていこうという趣旨のもと、作成されたものです。


アルコール・薬物・ギャンブル 家族が望む<依存症支援>に関する要望書

2017年12月25日 厚生労働大臣へ提出

特定非営利活動法人 ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
特定非営利活動法人 全国薬物依存症者家族会連合会(やっかれん)
一般社団法人 ギャンブル依存症問題を考える会 特定非営利活動法人
全国ギャンブル依存症家族の会

 

》ASKのページへ

アルコール・薬物・ギャンブル、共通する家族支援のポイント、それぞれのちがいを理解した支援のポイント、など、PDFで公開されています。