「サポートプラン作成支援キットver2」— 権利を基盤としたアプローチで、家族に伴走するために 【無償提供・要申込】

本キットは、こども家庭庁「こども家庭センターガイドライン」に準拠し、子どもと保護者の育ちを応援することを目的に開発されました。

更新日 2026年8月

作成:長沼葉月(東京都立大学)+NPO法人ぷるすあるは
仕様:A4サイズ 12ページ・PDFファイル
年齢:乳幼児・学齢児等版
対象:こども家庭センターでのサポートプランとセルフプランの作成を想定したキット内容です。そのほか、子ども・子育て支援のさまざまな面談のなかで活用することができます。

※ver2にアップデートしました。(2026年8月)
p3,p4を改訂しました。本文にルビがはいりました。
ver1をお持ちの方で、ver2をご希望の方はご連絡ください。お送りします。
本説明ページの内容も、アップデートしました。

はじめに

「サポートプラン作成支援キット」は、子どもや保護者が安心して自分の思いや希望を語り、それをもとに支援のかたちを一緒に考えるためのツールです。
こども家庭庁・こども家庭センターガイドラインに準拠しており、こども家庭センターでのサポートプラン作成、セルフプラン作成に活用できます。そのほか、子育て支援のさまざまな面談のなかで活用することができます。

このプランの土台にあるのは、「こども基本法」に記された、子どもの権利と保護者の権利です。子どもが自分の考えや希望を表明し、そののぞみの実現が応援されること。保護者がその役割を果たせるように、社会全体で支えていくこと。そして保護者の方の持っている権利が尊重されること。そうした考え方を大切にしています。

「困りごと(ニーズ)」からの支援ではなく、「どんなふうに暮らしていきたいか」「どんなふうに子どもとすごしたいか」といった、その人らしいのぞみを出発点にできるように、本人の尊厳を尊重しながら、一緒に考える時間を支えるための、柔らかい枠組みとして、ご活用いただけたら幸いです。

キットの目次

1 表紙
2 今日 はなしたいこと/わたし・かぞくの応援
3 わたしののぞみ(Aパターン)
4 わたしがやりたいこと、手伝ってほしいこと/応援プラン/署名欄
5 ふりかえり
6 利用できるサポート

7 フリーシート
8,9 わたしののぞみ (Bパターン:リスト入り)
10,11,12 わたしののぞみ(Cパターン:切り取れるカード)

1〜6ページを基本セットとし、7〜12ページはアレンジ用の資料です。

シートは、相談のたびに書き足したり、ファイルに追加していくような使い方を想定しています。

セルフプランを立てられる方には、自分で書いてきてもらって、「さらにくわしくきかせてくだい」という面談をすると、スムーズにいくこともあります。
子どもだけが来所された場合でも、年齢や状況に応じて活用することが可能です。

各ページの内容と使い方ガイド

P1 表紙

子どもと親のそれぞれの権利の尊重を宣言するメッセージが入っています。
記名欄があります。

(〇〇市サポートプラン、など自治体の名前を追記して使うことができます。利用規約で説明しています。)

P2 今日 はなしたいこと 伝えたいこと/わたし・かぞくの応援団

今日 はなしたいこと 伝えたいこと

お話したいこと、という来所者のニーズから自然に面接を始められるスタイルになっています。
そういったこと(困りごとなど)があるなかで、どういう取り組みをしてきたのか、乗り切れているとき、うまくいっているときのこと、どういうことを大切にしているか、などをききます。

わたし・かぞくの応援団

現状のソーシャルサポートネットワークを確認しておきます。
先に、努力や工夫、うまくいっている時を聴いているので、あなたの努力を分かってくれる人、支えてくれる人や物、という風に聞きやすいです。
人やサービスだけでなく、ペット、推し、好きなキャラクターなど、本人にとって支えになっているものは、どんなものでも否定せず受け止め、書きこみます。
挙がらない時は、子育ての負担や苦悩がとても大きいことが実感できるでしょう。だれにも頼れず頑張って子どもを守ってきた日々を思いやり、改めて労いましょう

ポイント
応援プラン(P4)の話し合いより前までには、サービスの提案はしない

すぐにサービスの提案や、利用条件・詳しい内容の説明に入ってしまうと、ご本人の暮らしや希望と、提案するサービスにズレが生じることがあります。
まず、今の暮らしや、価値観を知ることからはじめます。「もう少しあなたにフィットしていることがあるか、こういうシートを使ってお聞きしていきたいと思います」と見せながら話せるといいです。

P3 わたしののぞみ/わたしがやりたいこと・手伝ってほしいこと

わたしののぞみ Aパターン(フリー)

のぞみをたずねるシートには、Aパターン(フリー)、Bパターン(チェックリスト)、Cパターン(カード)の3種類があります。

ピンク印が親、みどり印が子どもの欄です。厳密に使い分けなくても大丈夫です。別々のシートに書いてもかまいません。

のぞみは、小さなことでも大きなことでもOKです。いくつか挙げてもらえると、優先することや、お手伝いできることを一緒に考えやすくなります。
子どもだけでなく、親の権利も大切に考えます。
子どものことは、「お子さんに聞いたら、なんと言ってくれそうですか?」とたずね、実際に子どもにも聞きましょう。
3ヶ月後を想像するのが難しい場合は、考えやすい期間を一緒に探します。6ヶ月後でも、1年後から考えてもかまいません。

あなたののぞみは?の問いに、のぞみが出ない方がいます。疲れ果てている、絶望しているときなど、とてもよくあります。そういったときには、チェックリスト入り(Bパターン:P8,9)、カードスタイル(Cパターン:p10-12)の使用を考えます。

わたしがやりたいこと、手伝ってほしいこと

「のぞみ」の実現に向けて、どんなサポートがあるとよいかを話し合うセクションです。
いきなり支援者が『やってあげる』姿勢を出すと、相手を無力化することになりかねません。「自分でやりたい」「家族でやっていきたい」というところをきちんと確認しておくことが大切です。

たとえば、料理だけは自分で続けたいと思っている方がいたとします。そこに、「少しでも休める時間をつくりましょう」「子どもとの時間がとれるように」などの理由で、ヘルパーさんに掃除・洗濯・料理まで全部お願いするプランを立ててしまうと、その方が大切にしていることを、気づかないうちに、踏み越えてしまいます。その方にとっては「料理だけはなんとかがんばってきた」という気持ちが自尊心の支えだったのに、それが崩される想いになります。善意の提案だとわかっているので、異を唱えることもできないまま、支援者の帰宅後に一人で深く傷ついてしまうことがあります。

そのため「やらないでほしいこと」「きかないでほしいこと」など、尊重してほしいことを具体的に書きこめる欄があります。あらかじめ確認しておくことで、こうしたすれちがいを防ぎ、外部の人にやってほしいところがより明確になります。
なかには、「なにから手をつけたらいいか整理するのを手伝ってほしい」という方もいます。直接的なサービスではなく、頭の中の混乱をしずめるお手伝いをしてもらえたら、自分で少しずつ家事や育児を進められる場合もあります。

ポイント
ここで立ち止まってふりかえり!

応援プランに進む前に、ここまで書いたものを最初から一緒に読み返し、「聞きもらしはないですか?」「書き間違いはないですか?」と確認します。
問題だけでなく、いいことやがんばっていることも書かれていると伝わることは、安心感にもつながります。
一気にプランまで決めなくてもよいです。支援者にとっても時間が必要なときがあります。「いただいたお話をもとに、次回までに情報収集してきてもいいですか?」と次回の面接につなげたり、いったん時間をおいて考えたり、他課に相談するのもよいです。

P4 応援プラン

応援プランの欄には、だれが、なにをするかがわかるように書いて、お渡しします。セルフプランの場合は、自分で記入してもかまいません。

実際には、次の3段階で進めます。

1 準備

面接の前に、その自治体で利用できるサービス(キットP6)を確認しておきます。利用条件、回数や範囲、費用など、必要な情報を説明できるようにしておきます。

2 話し合いながら調整する

「手伝ってほしいこと」に合いそうな事業やサービスについて情報提供します。その際、ひとつのサービスですべての困りごとが解決するような伝え方はしないようにします。サービスには、それぞれできることと限界があります。

「ご家族の願いを100%叶えることはできませんが、週に1回○○が使えたら、5%くらいしんどさが軽くなりそうですか? それとも、むしろ負担が増えそうですか?」といった問いかけから、サービスへの期待を程よい低さに下げられるとよいです。最初の一歩はいつも小さく踏み出した方がよいのです。

利用したいサービスが見えてきたら、その後をどう進めるかも確認します。本人が自分で問い合わせるのか、支援者が事業所を探したり、事前に相談したりするのかを一緒に決めます。必要に応じて、見学への同行や申請書類の作成なども支援します。

3 応援プランをまとめる

本人がすること、家族がすること、ほかの人に手伝ってもらうことを、わかりやすく書き込みます。

ただし、「やるべきこと」「やらなくてはいけないこと」ばかりのプランにならないようにします。子育てには、食事の支度や健康管理、お金のやりくりなど、もともとたくさんの「やらなくてはいけないこと」があります。
しんどいことばかり並んだプランは、「夏休みの宿題を毎日必ずやりましょう」という計画表のようで、見たくなくなってしまいます。「応援プラン」が「義務リスト」になっていないか、見直してみましょう。
できたらうれしいこと、少し楽になりそうなこと、いいことが起こりそうと思えることも、プランの中に入れていきます。

P4 署名欄

しばしば関係機関との情報共有が必要になります。その際に、スムーズに情報共有ができるように同意を得ておくための欄です。

同意いただけなかった場合は、関係機関に情報共有するときには何をどこまで共有して良いか、基本的には都度確認が必要です。同意を巡る話し合いの際に、「何なら伝えて良いか、伝えないでほしいことはあるか」を確認することも重要です。

子どもとの話し合いの際には、なおさら配慮が必要です。親にも伝えたくないということもあるでしょう。親に伝えたくない場合には、その理由を尋ねることは大切です。その上で、どういう表現だったら伝えて大丈夫そうか、表現を改める工夫を一緒に話し合いましょう。子どもも安心でき、かつ親にも隠さないで良いような情報共有の形を考えましょう。虐待に関することは子どもの同意を得ずに情報共有をすることが必要ですが、そうでない物事に関しては子どもをひとりの人として尊重し、情報共有の同意を得るよう力を尽くしましょう。なお親以外の専門職に対しては、子どもが知られたくないことは知られないように守ることも重要です。応援プランに必須でない情報は、子どものプライバシー権を尊重しましょう。

署名欄が不要な場合はとばします。コピーする時に欄をなくしてもよいです。

P5 ふりかえりシート

3ヶ月後くらいを目安に、モニタリングできる欄です。

望んでいる生活に近づいているか、少しでも子どもや親の権利が実現されているか、という観点でふりかえるところがポイントです。課題は持続しているか、改善しているか、だけをふりかえることがないよう気をつけましょう。

必要に応じてサポートプランを見直します。
サービスを利用することで、かえって家族の負担が増えることもあります。負担が増えすぎているなら、プランを見直すチャンスです。

一方で、サポートによって起きたよい変化も、子どもや親御さんの言葉で書き残していきます。関係者で集まって見直しを行うときも、ポジティブな情報を追加します。このような積み重ねの中で「自分たちのことを、応援してくれようとしてるんだな、支えてくれようとしているんだな」ということが伝わるシートになるからです。読むことで、家族も支援者も元気になります。

P6 利用できるサポート

こども家庭センターガイドラインの表を貼りつけています。

自治体にあわせたものを準備します。
このシートを、それぞれの自治体で、社会資源を整理して、表を作り直す作業ができたら・・・すごく大変ですが・・・・とてもよいと思います。地域の子育てサークルなど、民間の方と一緒に作成したり、手伝ってもらう方法もあります。「利用者目線で使いやすい分け方や見せ方って?」「地域のことをもっと知ろう」そんな機会になると素敵です。

P7 フリーシート

何に使ってもいいシートです。

P8,9 わたしののぞみ Bパターン(チェックリスト)

のぞみを言いやすくするためのツールです。
ピンクが保護者用、緑が子ども用です。

どんなことを言ってよいのか分からない、自分の望みを口にして良いと思えないこのような方の場合、手がかりがあると、言いやすくなる方がいます。具体的に項目の例があがっていると、そこから選ぶことができます。
ある程度文字を読むのが速い中高生くらいになるとチェックリストで具体的な項目例の全体像を見ると、ここまで話して良いというイメージがつくようになり、より話しやすくなるでしょう。

P10,11,12 のぞみカード・Cパターン(切り取り式のカード)

切り取り式の話題のカードです。
カードごとにテーマがあるので、ひとつを選んで、他のものは隠します。気が散らなくて話しやすくなります。
項目はすべて順番にたずねるためではなく、「こんな話題もできますよ」という例です。

語彙が少ない子どもに対しては、カード型だと言いやすさが高まります。カードを提示して最初にどのテーマのことを取り上げる?等と聞けます。「かぞくのこと」を選んでくれたら、いったん他のカードは目に入らないようにして、「家族のこと」に書かれている文字をざっと一緒に読みながら、ここに書いてあることか、他のことか、と尋ねてみると、話しやすくなるでしょう。

困りごとしか言えないとき

のぞみ、の言葉が言えたらよいですが、言えないときは、関連する困りごとやイヤなことが少しでも軽くなることを最初の目標にしましょう、と決めていくことができます。
一度のセッションで終わるのではなく、定期的にふりかえりをしていけるとよいです。少し回復してこられると、そのうちに、本当ののぞみの言葉がでてくることがあります。

話を聴くときのポイント

早合点せず、できるだけクライエントの言葉を丁寧に書きとっていきます。

メモは、クライエントに見せながら書きましょう。その時に、書きとる言葉と書きとらない言葉に差があると、クライエントは「一体何を書いているのかな」と気になり、話し合いに集中するのを妨げたり、「問題ばかり書かれないようにしよう」と状況を取り繕って話してしまうため、クライエントの状況の理解の深まりにつながりません。ゆっくりでいいので、どんなことでもメモするような姿勢が大事です。

書くことで、時間がかかってゆっくりになります。支援者の早口でクライエントを焦らすことを防ぐことにも役立ちます。まずはじっくり記入することが優先なので、話しながら次々アイディアを出すという失敗も防げます。経験を重ねた支援者は、困りごとを聴くとすぐに『早すぎる解決策の提示』をしてしまい、かえって支援関係を妨げてしまうことがあります。それを防ぐうえでも、まずはゆっくり聴くことに集中します。アイディアは一番最後まで取っておきましょう。

随所でストレングスを見つけ、言葉にして伝えます。

「〇〇はできていらっしゃるんですね、どのように工夫されているんですか」
「〇〇を大切にしようと思う気持ちは、どこから生まれているのですか」

親なんだから△△できて当たり前、というようなことであっても、自身で言語化し、それを支援者から承認される体験にはとても大きな意味があります。

利用規約

自治体の名前を書き入れて使うことができます。
(ロゴを入れたい、などの希望があればご連絡ください。こちらで準備します)

クレジット部分が切れないように印刷ください。
他機関への譲渡は禁止事項です。
イラストの切り取りは厳禁です。
内容をカスマイズして使いたい場合は、事前にご相談ください。なるべく柔軟に対応したいと考えています。そのほか、ご不明点やご質問、ご相談など、気軽にお声かけください。
一度の申し込みで、複数のご家庭への使用が可能です(ケース毎の申し込みは不要です)。

内容を改良していきたいと考えていますので、フィードバックフォームから、ぜひフィードバックをお寄せください。

※エクセル、ワードなど、別のフォーマットでの使用について
ご希望を複数いただいていますが、作成の予定はありません。
イラストをいかしたデザインやレイアウトを大切にしていること、また、支援者と本人がいっしょにキットを見ながら、手書きで書きこんでいくプロセスを大切にしているためです。
なお、PDF上にパソコンで入力した文章を載せて使用することを禁止するものではありません。自治体や現場の状況にあわせてご活用ください。

申し込み方法

以下のフォームよりお申し込みください。
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