親の病気について調べてしまうー精神科受診Q&A

精神科で長年働いてきた看護師のチアキが、精神科の受診や治療などの質問に回答するコーナーです。

 

質問タイトル:親の病気について調べてしまう
年齢:中学生

お母さんが精神科に通院しているみたいです。どんな病気かこれまで説明してもらったことはありません。普段そんな話にならないので、ききにくいです。でも気になってネットでいろいろ調べてしまいます。どうしたらよいですか?

チアキの回答

質問ありがとうございます。
お母さんの病気のことを知りたいというきもちは、自然なきもちで、大切なきもちで、尊重したいです。
話をしてくれてありがとうございます。

お母さんの調子のことで、どんなことが気になっていますか? 
なんの病気でどうなるのかとか、対応についてとか、じぶんのこととか…? 
親の病気のことを知っておくと、そっかこれは病気の症状なのかとわかったり、かかわりのヒントがみえたりします。

案外、きいてみると、話してくれるかもしれません。
かんぐって、あれこれネットで探して、不安になるのであれば、直接きいてみるというのはひとつの方法です。
そのときに、「お母さんのこういうところ、私も心配しているので、知りたいな」というかんじで、前向きに、さらっときけるといいと思います。

話をきりだして、2-3往復しているうちに空気が悪くなりそうだったら…その日はその話はいったん終了。
もしも、お母さんが、今は話しにくいとか、話せないというときには、そのきもちもokにしてほしいです。お母さんにも話をするこころの準備やタイミングがあるかもしれません。
知りたいと思っていること、話せるときに話せる範囲[はんい]で教えてほしい、ということを伝えられるといいですね。

お母さんには、ちょっと聞きづらいのかもしれないですね。
ほかにきけそうな家族や親せきがいたら、たずねてみるのもいいと思います。
学校や身近なだれか信頼できそうな大人の人、お母さんの病院のスタッフやお母さんをサポートしている人なども、たずねてみる人の候補[こうほ]です。

ネットで調べて出てくる情報

とりあつかいには少し注意が必要です。
薬を調べると、適応となる病気の名前がいろいろでてきますが、その人のかかえている病気だとは限らないです。そして、同じ病名であっても、人の数だけ、病状や経過、こまりごとはちがいます。そういう前提を知っておいて、ネットの情報をみます。偏見があったり、かたよった情報もたくさんあるので、見ているとつらくなることもあるし、情報があっているか判断するのはむずかしいことも多いです。

親や家族、支援者の方へ

子どもの知りたい、というきもちを大切にして「子どもに説明する、子どもと話をする」ための情報を、サイトのなかにのせています。

》子どものまわりの大人のみなさんへ

子どもさんの聞きたいことをかけるチェックリスト

》「病気のことで聞きたいことリスト」

精神疾患の情報

》イラストで学ぶ病気や障がい

絵本の情報

精神疾患について知ることのできる絵本です

  • 『お母さん、お父さんどうしたのかな?<こころの病気を抱える親をもつ子ども>のハンドブック』,トゥッティ・ソランタウス著,東京大学出版社
  • 『悲しいけど、青空の日~親がこころの病気になった子どもたちへ』,シュリン・ホーマイヤー著,サウザンブックス社

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チアキ
関西→関東、精神科ひとすじの看護師。
ぷるすあるはの制作担当、絵本ではお話と絵を担当しています。

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