ゆるゆる子育てを担当している公認心理師・臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。
質問タイトル:イヤイヤ期?がひどすぎる娘
年れい: ~3歳
質問内容
2歳になりたての娘。1歳からイヤイヤの主張が激しい子でしたが、最近は特に凄まじく痙攣するかと思うほど体を反らし続け、大声で30分以上は泣き喚き「~したい!~やだ!」と言い続けます。
優しくしても怒っても、自分の主張が通らない限りびくともしない頑固さです。服を着ないときに着せようとすると全身で暴れるなど物理的抵抗も強く、自分もカッとなってしまい、と手が出てしまうこともあります…。
だいたい発作が起きるのは眠い時だと思うのですが…。
対応がわからず困っています。
発作が起きると本当に疲弊します。
児童精神科に相談しようかとも検討していますが、ハードルが高いです。あまりママ友もいないので他の子を知らないですが、そもそもこれくらいのイヤイヤ期は普通なんでしょうか。
おがてぃの回答
ご相談ありがとうございます。相談を読ませていただき、これだけ激しいと対応も大変だろうなぁと思いました。本当にご苦労様です。
イヤイヤ期というのは一般的には2~4歳くらいの年代で生じる「自分のことを自分でしようとする」時期であり、今まで素直に従って(というより「なすがまま」という表現が良いかもしれません)くれていたのが、急に自分でやろうとしたり、自分の思うようにやらせようとしたりといった行動が見られます。
「かんしゃく」と理解されることもあるのですが、「自分の望むとおりにいかず、気持ちがおさめられなくなっている状態」と「かんしゃく」だとすれば、イヤイヤ期はかんしゃくが起きやすい時期だと理解してもらっても良いかもしれません。
さて、相談者さんのお話に戻りますが、この「かんしゃく」の程度は個人差が激しく、一概にどのくらいしたから問題であるとはなかなか言いにくいというところがあります。
ただ、もしかしたらですがお子さんに何か「イヤだ」と感じやすい部分があって、それがかんしゃくやイヤということをより激しくしている可能性があるかもしれません。
では、その感じやすい部分はどんなものがあるかというと、ひとつは感覚の過敏さです。触覚などに過敏さがあると服を着る物実は不快な体験になったり、また通常は気持ちを抑えることにつながるスキンシップもむしろ嫌な刺激になってしまっている可能性があります。
また、ひとつのことにこだわる傾向ということも、もしかしたらあるかもしれません。こだわってはいけないということではないのですが、ひとつの行動ややりとりを途中で切り替えることが苦手なので、何かさえぎるようなことをしてしまうとそれだけで不快に感じたり、極端だとパニックになってしまったりして、激しく感情が出てしまうということがあります。
上記のような傾向は、実は「眠い時」等は、特に特徴として出やすくなります。
大人でもそうなのですが、疲れていたり、眠い時などは感情のコントロールが難しく、ついイライラした対応をしてしまうことがあると思うのですが、お子さんも一緒で、眠い時は普段できていることも難しいということがあります。なので、純粋に「眠いから」というだけでなく「眠いから、その特徴が色濃く出ている」という、理解しておくと何か発見があるかもしれません。
上記の特徴はあくまで可能性であり、確定ではありません。また、もしかしたら別の要因がある可能性もあります。なので、はっきりとしたことを知りたいという場合はお住まい自治体にある保健センターや子育て広場などで相談できるとよいかと思います。それぞれ保健師さんや保育士さんが相談対応していることが多く、場所によっては心理士さんが発達のことに関してアドバイスしてくれることもあります。
最後になりますが、この年代では「自律」ということがテーマになっており、これは「自らを律する」ということなので「セルフ・コントロール」を身につけていく時期になります。自分をコントロールするために必要な関わりとしては「失敗を受け入れる」ということがあり、成功と失敗を繰り返しながら、自分なりにできる範囲を知ることが自身のコントロール感覚につながります。なので、なかなか難しいのですが、周囲もお子さんの失敗を受け止め、少しでも「自分でできた」という体験が積めるよう関わっていただけるとよいかと思います。
もちろん、日々の生活もありますので相談者さんのできる範囲でかまいません。おこさんと相談者さんが無理なく生活しているよういろいろと検討してみてください。