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学習支援から家庭訪問、同行支援、地域へとつなぐ ー民間の強みを生かす「アスポート」のコロナ禍の取り組み

学習支援から家庭訪問、同行支援、地域へとつなぐ ー民間の強みを生かす「アスポート」のコロナ禍の取り組み
2021年6月10日 office

 

学習支援から家庭訪問、同行支援、地域へとつなぐ
ー民間の強みを生かす「アスポート」のコロナ禍の取り組み

 

「アスポート」は、埼玉県内で、家庭訪問、学習教室、体験活動の3つのサポートを通して、経済的にきびしい家庭で育つ子ども、家庭を支援する事業を行なっています。
法律的には、生活困窮者自立支援法にもとづく「子どもの学習・生活支援事業」に位置付けられ、2021年は26の自治体より事業を受託しています。
2018年からは、小学3年生~6年生を対象とした埼玉県主催ジュニア・アスポート事業も受託しています。教室は週3日開催。学習支援はもちろん、食事の提供に、あいさつや生活習慣、食事づくり、職業体験など、生活支援や体験活動も加わります。支援員の送迎つきのフルスペックの支援です。
これらの取り組みについて、2019年の春に、アスポート学習支援事業副統括責任者の山浦健二さんへ取材しました。

》子どもの学びの場・将来への希望を広げる ―埼玉県内の経済的にきびしい家庭への学習支援事業から(by Suzuki Yo & pulusualuha)

 

それから2年。コロナ禍での、サポートしているお子さんや家庭の様子について、新たに行っている家庭訪問支援事業について、改めて山浦さんにお話をうかがいました。
取材は、2021年5月中旬、オンラインツールを用いて行いました。

 

食材をもっての家庭訪問はとても喜ばれました

 

―コロナ禍での教室、ご家庭の様子から教えてください。

 

緊急事態宣言中は、教室はすべて中止になりました。
そのかわりに、必要な世帯については家庭訪問で対応しました。

 

まず、小学生のジュニア・アスポートの様子からお話します。
食事の提供を週3回行っていましたので、その子どもたちが、教室がなくて食べられなくなった、ということがないように、食材をもって家庭訪問をしました。
食材は、埼玉県の子ども食堂ネットワークを通じて、企業さんなどから寄付していただきました。学校給食がなくなったことでたくさんの食材があったんですね。
子どもたちがずっと家にいて食費も光熱費もすごくかかる…ということで、とてもありがたいです!と受け入れてもらいました。玄関でお聞きする子どもたちの様子は、家のなかでゲームばかりで、昼夜逆転してしまっていて、学校が再開してどうなるんだろう…という心配が多かったです。

 

地域のネットワークと企業SDGsの浸透があり、この1年で仕組みができました

 

埼玉県内では、フードパントリー*が多く立ち上がっています。フードパントリーは定期的に開催していますし、場合によっては直接お家へ食材を届けることもできますが、どの世帯へ届けたらよいかは知りません。アスポートは困窮している世帯がわかります。世帯をつなげられるというのが大きいです。

 

特にこの一年で、ネットワークができました。
子ども食堂ネットワークはエリアごとのキャプテン制をとっていて、「地域の企業さんからこういうものが寄贈されるけれど、それぞれのエリアで食材を必要としているところがありますか?」と声かけをしてくれます。
企業さんも、生活がきびしい子どもたちへ自分たちのできることをしたい、と動かれています。SDGsが浸透してきたと感じています。

図 地域資源のチャート

》埼玉フードパントリーネットワーク
》埼玉県子ども食堂ネットワーク

*フードパントリー:生活に困っている人々に食料を無料で配布するための地域の拠点

 

教室を再開をすることを伝えたとき、小学生の子どもたちは飛び上がって喜んでいたと聞いています。

教室は、家族では言えないぐちを言える場所

 

次に、中高生の様子です。
これは小学生もそうですが、教室の主な会場だった市の施設は多くが使用不可になり、あるいは早く閉まるようになりました。大学、特別養護老人ホームなども、どこも借りられなくなりました。
委託元の市からは、オンラインでできないかという依頼が多かったのですが、困窮している世帯だとネットワーク環境がない子もいます。あったとしても、画面を通して教えられるか?というと難しいです。画面ごしだと、子どもの表情と教材を両方うつすことができませんので、わからなく手がとまっているのか、考えているのかがわかりません。
自力で問題を解ける子にはオンライン学習は有効ですが、そうではない子には苦痛でしかありませんでした。
対面で勉強をみることが大事だと市にもわかってもらえたので、緊急事態宣言解除後は感染対策をしっかりしながら、対面でできるようになりました。

 

中高生にとっては、家族に自分のぐちを言えませんので、教室が再開して、ぐちれるところがあるのがありがたいと聞きました。特に高校生ですね。教室は、勉強よりも、人間関係で悩んだときにちょっとぐちを言いに行きたい場所になっています。

 

家庭環境による勉強の格差が広がってしまいました

 

―学校が再開して、子どもたちの様子はどうですか?

 

学校再開して、昼夜逆転して学校になじめなかった子もいましたし、不登校だったけれど分散登校でかえって行きやすくなった子もいました。
中学生の子で、学校が再開になったあと、勉強の初期の初期がわからないまま、授業が進んでしまったという子がいました。空白の3ヶ月分を残りの8ヶ月で埋めないといけないと授業のスピードがすごく早くて、追いつけず…その教科が、苦手ではなくて「大っ嫌い」になってしまいました。
家庭によっては、親から勉強をみてもらえたり、塾や家庭教師がいることもあります。
そういう家庭環境がない子どもたちにとっては、誰にきいていいかわからない、勉強が全然進まない…格差が広がってしまったと思います。

 

保護者の方の負担がとても大きかったです

 

―学習面もそうですし、ずっとステイホームで、自分のスペースがある子ばかりではないし、子どもたちは大変な時間でしたよね…

 

もともと自分の部屋がない子がほどんどですからね。
子どもも勿論そうですが、保護者の方が一番大変だったのではないかと思います。
経済的にもそうですし、ずっと子どもがいる空間で…。子どもに手をあげてしまったという声を聞くこともありました。

 

―保護者の方とのつながりも結構あるんでしょうか?

 

はい。困った時には、保護者の方からお電話がかかることもあります。
休校中は、昼夜逆転が一番多い悩みでした。子どもがゲームばっかりやって勉強するように言っても全くしないんです…と。ずっと子どもが家にいて、眠れなくなったというお母さんもいらっしゃいました。

 

―経済的な問題についての相談もありましたか?

 

仕事がなくなってきて、収入が減ってきてかなりきびしい、というご家庭で、市の支援情報をキャッチしていない世帯もありましたので、訪問のときに情報提供しました。
例えば、自治体によっては、ひとり親家庭へ何回か支援金が給付されていますが、そういった情報を全く知らない人もいました。家族にコロナをうつしてしまうのが心配でなるべく外に出たくないという保護者の方も意外といらして、情報がより届きにくくなっていました。

 

コロナ禍も1年たって、最近は落ち着いてきて、今の状況に慣れてきたと感じています。

 

学習ボランティア応募は、大学生が減り、社会人が増加

 

―コロナ禍での事業運営でほかに影響や感じられていることがありましたか?

 

アスポートでは、学習支援などボランティアが多く参加しています(2019年3月31日時点のボランティア登録人数は931人)。
毎年その2/3くらいが大学生でしたが、2020年は大学生のボランティアの登録が、前年の半分くらいになりました。大学の対面授業がなくなり、アスポートの情報を得る機会がなくなったことが影響しています。
逆に、20-40代くらいの社会人の応募がすごく増えました。これまでボランティア経験が全くなかったような方たちです。リモートワークで自分の時間がつくれるようになったという理由が多かったです。
ほかにも、転勤で埼玉にきて地域とのつながりをもちたい、コロナでつながりもなくなったなかで、ボランティアを行うことで社会貢献をする傍ら社会とつながりをもちたい、といった声がありました。子どもや保護者も孤立しているけど、大学生や社会人も孤立しています。

 

今年になって、待っていました!とまたたくさんの応募があります。
つながりを求めているんだろうと思います。

 

民間でしかできないことをやる

 

―新たな家庭訪問の取り組みについて教えてください

 

昨年から、コロナに関連して、「家庭訪問支援事業」という新たな取り組みを行政との連携で行なっています。
初回の家庭訪問時は一緒に行き、食品や生活物資などを届ける団体としてかかわり始めます。子どもがどうやったら喜んでくれるだろうか?どうやったら子どもにも玄関に出てきてもらえるかということを考え工夫しています。
最初、ぬいぐるみが手に入ったんです。これを使いましょうということになり、ぬいぐるみの写真を工夫して撮ってもっていきました。子どもたちに見せて選んでもらいます。ぬいぐるみのプレゼントはとても喜んでくれます。なかなか子どもに買ってあげられないものですから、保護者も子どもに声をかけてくれますし、そうすると次の家庭訪問も約束してくれます。

 

行政だと、公平性があって、どこかの家だけに贈りものをすることはできません。そこは民間であることを生かした工夫をしています。
ほかにも、持っていくカゴを工夫していて、このカゴが意外とヒットしています。エプロンシアターみたいに取り外しができる仕様で、流行のキャラクターなど、得意な支援員が全部手作りしています。

(精巧な鬼滅のキャラにチアキも感動!)

 

カゴにはいろんな食材などを入れて持っていきますが、ただ差し上げるのではなくて、保護者に選んでもらいます。子どもに尋ねている世帯もありますし、そこから会話が生まれることもあります。「あの子はこれが好きかな」など、保護者がどれくらい子どものことを気にかけて食材を選んでいるかも感じとれます。
ある妊婦さんには、「食事の準備大変ですよね」「はい、チンしてすぐ食べられるものが助かります」といった会話から、「子どもがいないときなんかに、お母さんも食べて栄養つけてよ」とお伝えしました。お母さん自身も大切にされているという感覚になって、それからすごくお話をしてくれるようになりました。

 

―いいですね!お母さん(お父さん)気にかけ大作戦

 

保護者には食材を、子どもにはおもちゃや日用品を選んでもらいます。
クリスマスは、サンタさんの袋に手作りのカード。ただ渡すだけではなく、そこに、なにか人とのふれあいみたいなものがあるといいなと思っています。

 

―どういったお子さん、世帯が多いのですか?

 

うかがっている世帯は、幼稚園や保育園に通っておらず日中母子で過ごしているような、ほかに所属のない世帯が中心です。経済的な困難を抱えている方や、外国籍の方もいらっしゃいます。
市は子どもに保育所につながってほしいと思っているけれど、保護者の方は保育所申請の大量の書類が書けない、どの書類を取り寄せてよいかわからない、どこに保育所があるかもわからない…といったこともあります。こちらで申請書作成のサポートをして実際に保育園に通えるようになったお子さんもいます。そこのサポートができるのは大きいと思います。
来年小学校にあがるけれど、ひらがなも書けない読めない、というお子さんには、勉強を教えることもあります。そこから、小学生、中学生へとつながったらよいですし…市によっては高校を卒業するまでかかわれることもあります。

 

―保育所申請サポート、素晴らしいです!

 

最初は、食材の提供だけなのかなと思っていましたが、意外と困っていることを話してくれます。それにできる限りのことをしますよ、と。
「小学校の授業参観に行きたいけど下の子がいて困っている」という話があったときは、「校庭で下の子をみておくからお母さんは参観に行って」と一緒に行きました。
コロナの関係で、同行支援がすごく増えました。公園に行けない、病院、予防接種に行けないなど…。子どもが一人だったら連れて行けるけど、母子家庭で子どもが何人もいて頼れる親族もいない、となると「もう行けない」となってしまいます。
訪問よりも同行支援の時間の方が長いので、いろんな話をしてくれます。DVがひどくて困っている、離れたいなど、深い話がでてくることもあります。

 

支援事例


子ども
・病院や公園への同行支援
・必要に応じた学習支援
・保育所申請書作成サポート

保護者
・病院への同行支援
・転居に関する相談サポート
・養育相談、料理作り

世帯
・食材や日用品の提供
・関係各所との連絡調整
・LRS(社会資源につなぐ支援)


 

コロナ禍での事業では、お弁当を配っているところが多いのですが、お弁当を配るだけでも、意外と簡単ではありません。冷蔵庫に入れっぱなし、そのあたりに置きっぱなしで配ったけど実は食べられてない…という世帯もあります。机上で考えるのとはちがいます。私たちも初めての事業で、実際に関わってみるまでどういうニーズがあるのかわかりませんでした。
最初は孤立しているところから、食品や生活物資などの提供を介して訪問が受け入れられるようになり、世間話をしながら、関係性をつくっていきます。
同行支援などでサポートすることで、安心・自信ができ…こういったフェーズを進めていくと虐待の予防にも効果があるのではと感じています。

 

関係構築から社会資源へとつなぐ次のフェーズへ

 

社会資源とをつなぎ、自らの力で生活力、養育力を高めることをサポートします。独自の言葉で、LRS(Local Relationshipi Support 社会資源につなぐ支援)と呼んでいます。
地元の社会資源につなげるのが、うちの仕事かなと思っています。
この事業は、それぞれの専門性をもつ支援員のチームで動いています。対応する支援員の幅が広く、専門性がうまく機能していると感じています。今後必要な支援など、月に2回、情報共有しています。コロナで始まった事業ですが、もっと全国的に広がるといいと感じています。

 

―既存の行政サービスでは、サービス毎に実施者がかわったり、これはできてもそれは対象外…などどうしても柔軟な対応がなされない場面に出会うことも多いです。そのご家庭が必要なことに対して、ひとつのチームがまるごと丁寧に対応、というのがすごいですね。…広がるといいなと思います。

 

はい。
ただ、これはコロナ関係の事業なので、予算が今後どうなるのかわかりません。
もし、事業がなくなっても、家庭が困らないようにというのはご家庭にも伝えていますし、そのために社会資源につなぐことをやっています。ですが、頼ってくれている世帯からは不安の声があります。その声は行政にも伝えています。

 

教室の学習支援も、多くが一年ごとの契約です。
中学3年間で受験にも向けてやっていくのに、事業は一年毎。一年毎に成果を出さなくてはならず、教室の参加率、あるいは継続率といった数字を求められてしまいます。
しかし、私たちは、貧困の連鎖を断ち切ることを大きな目標でやっています。より困難な世帯にかかわっていこうとしたら、教室に来られる子は少なくなります。そこの矛盾はいつも感じています。

画期的な伴走型の奨学金制度がはじまりました

 

ひとつ希望のある話題をお伝えしますね。
パルシステムが、給付型、伴走型の奨学金をはじめました。

 

―伴走型? 初めて耳にしました

 

お金だけをあげるのではなく、支援団体が、大学生を伴走しながら支援していく取り組みです。
当団体も、対象が高校生までなので、高校卒業後は、個別に相談にくることが多かったです。それが、団体に伴走資金がでて、高校卒業後も正式に相談を受けられます。定期的に面談ができます。生活保護を受給している家庭で、高校卒業して家を出る子も多いですが、頼る先がどこもありません。相談先があるだけでも心強い。
画期的なことで、全国的にも他にはないと思います。どんどん広がったらいいと思います。

 

パルシステムからのプレスリリース

》学びたい若者たちへ「パルシステム給付型奨学金」スタート  生活相談や社会体験もあわせた伴走型支援  2020年1月24日
(一般公募はなく、伴走団体が推薦する学生が選考の対象になるそうです)

 

学習支援だけでスタートした団体ですが、いろんな話が、いろんなところからくるようになりました。こういうやり方があるんだと新たな発見がありますね。
共通するのはちょっとした工夫。ちょっとした工夫をすることで、こんなにもちがうんだなと感じています。

 

ひとりひとりの子どもが大事にしていることを大事に

 

タイムリーな、ヤングケアラーのことも少し話をしたいと思っていました。関わっている世帯にまさに多いです。

 

(ちょうど… プロジェクトチームの報告書がでたタイミングでのインタビューでした 『ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の 連携プロジェクトチーム報告』(2021.5.17) 》報告のページへ )

 

「ヤングケアラー」とひとくくりに言われがちだけれど、いろんな思いがそこにはあると思います。
ある家庭訪問した家の話です。子どもを学校に行かせない、という行政からの情報でしたが、お母さんは、学校に行って欲しいけど行かない、と言います。子どもは、きょうだいの面倒をみるためにお母さんの助けで家にいると言い、お母さんは、きょうだいの世話は子どもの勝手な理由づけだと言います。もしかしたら、学校に居場所がないのかもしれないし、子どもも親に甘えたいのかもしれない…そこにはいろんな思いがあるし、学校に行ければいいというわけでもありません。いろんな課題があるんだと感じます。

 

子ども自身がやっていること自体を否定してはいけないし、なにかの制度へ移管したり、どこかにすぐにつなげる、ということでもないと思います。ケアが生きがいだったり居場所だったり…その価値にかわる同等のものが必要で、それは子どもによって、世帯によって、全然ちがうと思います。

 

-さいごに。記事で伝えたいことがあればお願いします

 

やはり…キーワードは、孤立とつながり。
孤立しないように…孤立が好きな人もいるのでかかわり方は難しいけれど…つながれるところはたくさんあるので、いろんなところつながって、いいこともわるいことも共有していきましょう。…ということでしょうかね。

 


おわりの追記 生きる冒険地図とゆるっとこそだて応援ブックについて

(この企画には、上記2つの本の寄贈がセットになっています)

 

支援員さんの間で共有して、気づきもあるようです。
「ポジティブワード集」をみて、家庭訪問で自分はしゃべりすぎているな…と感じたという支援員がいました。支援員にはアドバイスは一切しないように、まずは話をきいてくださいと伝えています。ポジティブな言葉をどんどん伝えるようにすると、保護者の方も気持ちよくお話してもらえるかなと思います。
また、聞くのも大事だけど、支援員が保護者にどう伝えるのか難しいなと思います。質問攻めにならないようにうまく話を展開して、その家の空気を読み取って、お母さんの今の体調を読み取って、どんな声をかければ、また来て欲しいと思ってもらえるか…。家庭訪問ってやっぱり難しいと思います。

 

親と子どもが一緒にいるところで使うバージョンがあると、すごく嬉しいです。
『生きる冒険地図』は、支援員と子どもで見るにはいいけど、子どもにあげるとなると、親が見るとちょっときついなと感じる言葉があります。暴力がある、とか、SOSとか…。
子どもの困ったこと、親の困ったことはそれぞれちがうので、子も親も困ったこと、共通部分が、間ではなく外にいて、「あの問題はね」と一緒に見られるものがあるといいなと思いました。

 

座談会を終えて

 

学習支援事業を入り口にしながら… こんなに「家庭訪問」をやっているのはすごいな、大きな強みやなと感じながらお話をお聞きしました。
教室での学習支援はこちらのホームだけれど、家庭訪問はご家庭のホームに入って生活の様子がわかるチャンス。精神科の診療所で働いていたときに、なるべく積極的に家庭訪問をしていましたが「こういう生活をしていたのか…気づけなくてごめんなさい」と家庭に入るタイミングをうまく持てないこともありました。
山浦さんは、児童相談所での勤務経験があり、公的機関との連携と役割分担が機能しています。食材、ぬいぐるみ、外出同伴… 民間であることの強みを生かして随所に創意工夫している様子は印象的でした。
今回お聞きした取り組みー特に家庭訪問支援事業ーがひろがるといいなと思いました。
取材へのご協力をありがとうございました。


今回の取材についてではありませんが…もうひとこと。
子どもの貧困対策の名のもとに、公が担うこと、公助で行われるべきだと思うことが、民間へ、共助へというサイクルが当たり前になることへの懸念は感じています。あるいは、貧困家庭なら喜んでもらってくれるやろう、といった意識のある、破棄食材を買い上げての寄付、といったこと。一見よいと思えることの背景の構造にも目をむけていきたいと改めて感じています。

リンク・参考資料など

 

》アスポートのHPへ

》生活困窮者自立支援制度のページへ|厚生労働省

「子ども虐待防止オレンジリボン運動 新型コロナウイルス感染症対策下における子ども虐待防止に資する活動への助成」を受けて行っています。

》トビラのページへ