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誰かが関わり続け、必要な支援を受けられるようにするポイント「つなげる」〜おがてぃのゲートキーパーの話~その5

誰かが関わり続け、必要な支援を受けられるようにするポイント「つなげる」〜おがてぃのゲートキーパーの話~その5
2021年3月15日 office

「死にたい」「消えてしまいたい」と言う人と出会ったあなたへ
〜おがてぃのゲートキーパーの話〜 その5
誰かが関わり続け、必要な支援を受けられるようにするポイント「つなげる」

 

みなさん、こんにちは。 おがてぃです。
3月は自殺対策月間というということで、各自治体で様々な取り組みがされています。支援に関する相談窓口やゲートキーパーなどに関する動画など、参考になる情報をオンラインで知ることができますのでよければ見にいってみてください。

》厚生労働省 特設サイト「まもろうよ こころ」 (SNS相談)

》支援情報検索サイト

》BuzzFeed「なんか生きづらいかも(厚生労働省)」 (ゲートキーパーに関する動画)

》自殺予防学会 2020年度自殺対策強化月間シンポジウム「コロナ禍における自殺予防」

さて、今回はゲートキーパーの役割を果たすための4つのポイントの3つめになる「つなげる」について書いていきたいと思います。
前回のコラムでは「傾聴」について書き、相手のしんどい気持ちに気づいた後、どのように話を聴いていけるとよいかということだったので、今回は話を聴いた後、どうしていけると良いかについてお伝えしたいと思います。

自死に関する話を聴くと、気持ちが動揺してしまい「すぐにどうにかしなきゃ!?」と自分ですべてを解決しないといけないと気持ちになることがあります。しかし、相談内容によっては問題が複雑だったり、どんな支援が必要なのかわからない場合もあったりして、その場で答えを出すのが難しいこともよくあります。
そういった場合は、まず話を聴いた人がその人とつながることが大切で、その場で問題を解決するのではなく、解決していけるようこれから一緒に考えていきたいことを伝えられると良いかと思います。

 

また、自死に関する衝動にはピークがあると言われていますので、ピークが過ぎて気持ちが落ちつくまで話を聴いてあげることも大切な関わりです。まずは相手が落ち着いて話せるよう、あなた自身がつながれるようにしましょう。
また、話を聴いた人だけですべての問題に対処する必要はなく、問題が解決できそうな相談窓口を紹介してそこにつなげるということも大切な関わりになります。

 

政府広報オンラインに掲載されているゲートキーパーの話では「つなげる」際のポイントとして以下の項目が挙げられています。

  • 紹介にあたっては相談者に丁寧な情報提供を
  • 相談窓口に確実につながるように、可能な限り家族や友人など周囲の連携先に直接連絡を取り、相談場所や日時を具体的に設定、相談者へ伝えること(相談者の了承を得た上で)
  • (一緒に連携先に出向くのが難しい場合)地図やパンフレットといったアクセスなどの情報提供を

 

少し解説を加えると、死について考えている方は精神的なエネルギーが低下して、自分から相談したり、支援を求めたりする力(援助希求性)が弱まっている可能性があります。
そのため、相談窓口に関する情報を伝えたとしても自分から連絡したり、現状を伝えたりすることができなくなっていることもあるので、こちらから確実につながれるようサポートすることが手助けとなります。
ただ、それには相手の了承が必要となります。もしかしたら相手の方は「あなただから話した」という気持ちがあり、すぐにどこか別の相談窓口を紹介すると「やはり迷惑だったのではないか」と思ってしまい、より相談をためらうようになってしまうかもしれません。
なので、相談窓口につなげていく際にはまずしっかりと相手の話を聴き、お話を受けとめた上で、相手になぜその相談窓口に行くことが必要なのかを伝え、納得してもらってから紹介ができると良いでしょう。

 

また、可能であれば家族や友人など身近な方とも情報共有して、相談窓口につながるようサポートするのも大切です。ただ、こちらもそもそも相手の方と家族・友人との関係がどうであるのかを考慮して検討できると良いかと思います。DVや虐待、いじめなど身近な人との関係で悩んでいることもあるからです。相手の方が安心して、少しでも相談のハードルが低くなる工夫を考えながら、相談窓口や安心できる人につなげていきましょう。

今回のコラムもシェアしていただけるとありがたいです。「#ゲートキーパーの話」とハッシュタグをつけて、まずは自死に関する知識を持った人が増えることが自死を防ぐことにつながっていくと考えています。
このコラムを読んで学んだ人が増えることで、なかなか支援が届きにくい、人に相談するのも難しいといった方に支援が届くことを願っています。

》厚生労働省ホームページ

》政府広報オンライン

 

※相談先、身近な人を自死でなくされた方のサポートの情報をこのページの最後に掲載しています

 

》どこかにつながった後も、安心できる存在であり続ける「見守り」〜おがてぃのゲートキーパーの話~その6へ

 


シリーズ目次

1.ゲートキーパーって何?
2.「死にたい」と思っている人の気持ち
3.ポイント①「気づき」
4.ポイント②「傾聴」
5.ポイント③「つなぎ」
6.ポイント④「見守り」
7.最後に~おがてぃの思うこと~

おがてぃ
臨床心理士・公認心理師

 

相談先の情報

 

》電話相談窓口情報(厚生労働省のページ)

》いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧|自殺総合対策推進センター

》生活を支えるための支援のご案内|厚生労働省(最終更新7/16)

身近な方を自死で亡くされた方の相談先などの情報

》遺されたご家族へ ―自死遺族の方へ―

厚生労働省|こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト内)
遺族のつどいの情報、弁護士による 電話相談(自死遺族ホットライン)、臨床心理士による電話相談などが掲載されています。

》NPO法人全国自死遺族総合支援センター<グリーフサポートリンク>

自死遺族相談ダイヤル(自死遺族のための電話相談)を行なっています。
全国の身近な人を自死で亡くした方のつどいの情報などを掲載しています。