「子ども情報ステーション by ぷるすあるは」精神障がいやこころの不調、発達凸凹をかかえた親とその’子ども’の情報&応援サイト

お母さんがうつ病をかかえているスカイの家の支援を考える授業

お母さんがうつ病をかかえているスカイの家の支援を考える授業
2020年12月5日 pulusu

2020.12.3 社会福祉士、精神保健福祉士をめざす学生さんにお話してきました。
親が病気をかかえている子どもの支援、家族支援のテーマに、活動の話も自由にしてください〜とのことで自由なかんじでお話してきました。

 

1コマ目は活動紹介と課題の現状などについて。
絵本『ボクのせいかも…ーお母さんがうつ病になったのー』の朗読、感想シェア、さらに届いている声を紹介。同じ立場でも全然ちがう受けとめがあることを伝えます。
2コマ目はスカイの家の背景を設定してグループワークをしました。いろんな意見がでました。

 

ちょっぴり視点が広がったら嬉しいです。

 

スカイの家

 

家族構成

スカイ(7歳、小学2年生)とお母さん(35歳)、会社員のお父さん(37歳)の3人家族+愛犬ピュウ。

 

 

お母さん

もともと精神疾患の既往なし。出産時に退職して専業主婦に。
スカイの小学校入学を機に、自宅マンションを購入し転居したが、引っ越しが少し落ち着いた頃から、不眠や体調不良が出現し、その後うつ病の診断をうけて療養している。転居に伴う新たな近所づきあいや、小学校の保護者のつきあい、PTAの役員になったことも負担になっていた。
病状は、最も重かった時期はほぼ一日中寝たきり状態だったが、最近は少し動ける日もでてきた。月1回の通院で、治療は主治医の診察と薬物療法。
長期ローンの返済や今後の教育費など出費がかさむため、仕事を始める予定だったが、それどころではない。先の見えない不安、焦りは強い。スカイの世話や、家事、仕事ができないことでの自責も強い。もともと潔癖の傾向があったが、病気になってからさらに気になるように…(なのに動けないので余計に…)

 

お父さん

会社員。昨年昇進し責任が増え、仕事はまずまず忙しい。平日は20-21時頃に帰宅する毎日。朝はスカイを起こしてばたばた二人で家を出る。休日出勤はほとんどないが、平日の休みは取りづらい。お母さんの病状も、スカイのことも気になりながらも、ゆっくり話す時間はあまりとれず、通院への付き添いも難しい。
会社には、妻の病気のことは話していない。
食事は、夕食は、週末にお父さんが作り置きすることもあるが、出来合いのもので済ませることが多い。なるべく1週間に1回は、早く帰宅して3人で一緒に夕食をとる日を捻出している。朝食はとらない、または少し時間があればパンとバナナなど。
洗濯掃除などの家事は週末にお父さんがやることが多いが、かなり負担になっている。病状が悪いときは、お母さんを家に置いて出勤することが心配だった(何度か会社に連絡が入ったこともあり気が気ではなかった)。見通しの立たない不安と疲労感が強い。
以前はたまの飲み会で気分転換していたが、この状況になってからは参加もできない。
お母さんにどうしても厳しく接してしまうこともある…。

 

スカイ

相棒のピュウが心のささえ。学校から帰宅後の時間は、ピュウの散歩やマンガを読んで過ごしている。家に友達を呼ぶことはできない、ほんとはスポーツクラブに入りたいがそんなことは言えない。夕食はお父さんが遅い日は一人でとることが多い。もともとはお母さんっ子。

 

祖父母

車で行き来できるところに、母方の祖母(59)が祖父(67)と住んでいる。
祖母は平日は仕事をしているためにサポートが難しいが、週末はスカイを預かったりと、できることはしている。スカイのことはかわいがっているが、もともと、スカイのお母さん、お父さんとの関係がすごくよいというわけではなく、心配はしているものの病気について理解しようというアクションはない。
父方の祖父母は遠方。細かい事情は伝えていない。

 

学校からみたスカイ

友人もいて楽しそうに遊んでいる、勉強の遅れはない。学校では目立った問題を起こすわけではない。
(お母さんが療養するようになってからは)忘れ物がふえたり、(注意して見ていると)身なりが行き届いていない日があったりする。参観日や行事には保護者はだれもこない。ときどき体の不調で保健室にくる。帰宅させようと自宅へ連絡するよと伝えると、教室に戻って行ったことがあった。
1年生の頃に、お母さんが病気でPTA役員を途中で交代したという申し送りはあった。家庭との連絡窓口はお父さんになっていて、いろいろ事情はあると思われるが、学校側は細かく把握はしていない。お父さんも話さない。

 

医療機関(メンタルクリニック)

診察は、不眠やうつ病の症状、薬のことが中心。
子育ての悩みや、家族のことについてはほとんど話題にのぼらない。インテークで家族構成は確認している。「夫は仕事があって平日は忙しいが、週末などできることをしてくれているし、これ以上望むことははない…」「母親(スカイの祖母)も、週末はサポートしてくれている」「子どもには母親らしいことができなくて我慢させてしまっている…」
病状が一番悪いときには入院をすすめたこともあったが、本人が自宅での療法を希望した。
デイケアやリワークプログラム、カウンセリング室、訪問看護をもっている多機能のクリニック。ソーシャルワーカーも複数配置。

《グループワークの課題》

共通

1.エコマップを作成。今はつながっていないところも含めて、スカイの家をとりまく資源をたくさんあげます。

 

医療機関から

2.どうしたらスカイにたどり着けますか?
3.どのような支援体制でどのような支援を行いますか?

 

教育機関から

2.どうしたらスカイと家庭の状況にたどり着けますか?
3.どのような支援体制でどのような支援を行いますか?