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セサミストリートに親が依存症の子ども、カーリーが登場

セサミストリートに親が依存症の子ども、カーリーが登場
2019年10月19日 pulusu

Parental Addiction

https://sesamestreetincommunities.org/topics/parental-addiction/

(全編英語です)

 

メインの2分ほどの動画、カーリーちゃんのお母さんが依存症であること、依存症はコントロールができなくなる病気、回復に向けてケアを受けながら取り組んでいることなどが説明されています。
「Leading a Hand」 も2分くらいの動画。同じ病気の人とのミーティングが力になっていること、カーリー自身も子どものミーティングに参加していることが説明されます。
「meet Salia」は両親が依存症、10才のサリアの家族の話、6分あまりの動画です。
ほかにも、シンプルなメッセージの動画やぬりえ(心理教育ツール)、依存症についての説明、Q&A集など、全部で17のコンテンツが掲載されています。

 

アメリカの映画では、自助グループのミーティングのシーンがごく自然にでてきますね。依存症からの回復にむけて取り組んでいる人がレスペクトされる社会。著名人でも、だれでも、自助グループでは同じひとりのメンバーとしてレスペクトされる社会。
子どもの頃から自然に依存症のことを知る機会、親が依存症の子どもたちが集える場…
社会背景、文化のちがいあると思いますが、取り入れられるところを取り入れて日本でも広がったらと思います。

以下、関連するトピックをいくつかあげます。Addictionの訳が気になったので最後にそのことも取りあげています。

親が刑務所にいる

セサミストリートには、Incarceration(収監)のテーマもあります。
お父さんが刑務所にいるアレックスが登場します。
》https://sesamestreetincommunities.org/topics/incarceration/

日本では、このテーマの心理教育ツールで公開されているものは見たことがありませんが… 必要なテーマだと思っています。
こちらもアメリカの絵本ですが…
『The Night Dad Went to Jail (Life’s Challenges)』
家族や大切な人が、刑務所に入ることになったときの、子どもたちのサポートをテーマにした絵本。コラムで紹介しています。
》親や家族が逮捕、刑務所に入ったときの子どものサポートの絵本

加害者家族のサポートについてのコラム
》加害者になった人のご家族、子どもの支援

日本での取り組み、絵本の紹介

》アルコール依存症患者の子どもをサポートする取り組み─成増厚生病院・東京アルコール医療総合センター
(前後編の取材記事)

》『かぞくがのみすぎたら』アルコール依存症の親をもつ子どもを応援する絵本

》『ボクのことわすれちゃったの?ーお父さんはアルコール依存症』(プルスアルハ)

addictionの訳について

この話題、日本でもいくつかのニュースで紹介されていましたが…
アディクションaddictionが「中毒」と訳されていました。これは誤り。中毒は「毒にあたる(中る)」ことで、薬物の身体へのダメージをさします。急性アルコール中毒、慢性中毒としてのアルコール性肝硬変といったときに使います。
アディクションは、ここでは「依存症」のことです。依存症は、(薬物などに)はまりこんでしまい、社会的な問題、家庭での問題など、さまざまな問題が起きているのにやめられなくなる病気です。
「乱用」という言葉もありますが、これは使い方の「ルール違反」をさします。睡眠薬を気分をかえるために昼間に飲むのは乱用、違法薬物の使用は1回でも乱用です。整理すると…

・中毒→身体のダメージ
・乱用→ルール違反
・依存症→コントロール障害

「中毒」という書き方は、アル中、ヤク中、といったステレオタイプのイメージ・偏見に結びついているため、特に使い方に気をつけたいところです。