ゆるゆる子育てを担当している公認心理師・臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。
質問タイトル: 母と同じようにならないか不安です。
年れい:〜3歳
質問内容
はじめまして。
現在1歳の息子を育てています。
私の実母は統合失調症で、私が物心ついた頃には普通ではない状態でした。
息子を育てながら、ふと私も母のように病んでいってしまわないか、とても不安になる時があります。
このような時、不安から逃れるにはどうしたら良いでしょうか?
おがてぃの回答
メールをいただきありがとうございます。
短いメールの文面ではありますが、送ってくださった方の不安が伝わってくるかのようでした。そういったことを考えてしまうと心配になるのは無理もないことかと思います。そんな中でも子育てをされていて、本当に頑張っていらっしゃるのだろうなと思うと、同じ親としてすごいなぁと思いました。
子育てをしていると、どうしても自分自身の幼少期の経験が思い出されるかと思います。これは子どもを関わること自体が、自分の子ども時代を思い起こさせるきっかけになるからで、自分自身のこともあれば、自分の母親をはじめ、家族や親類、保育園の先生などを思い出すこともあるかと思います。
メールをくださった方はお母様が統合失調症で、普通ではない状態だったとのことなので、インパクトが強くてなおさらそれが思い出されやすいのだと思います。ただ、一方でそのことについて少し振り返ることもできているのは、メールくださった方の精神的な力のある証でもあるのではないかとも思っています。
不安から逃れるためにはどうしたら良いかというお話でしたが、最近の心理学的な考え方だと、感情というのは「天気」や「天候」に例えられることが多く、つまり「なかなかコントロールすることは難しいけど、必ず変化して落ちつていくもの」という認識がなされています。
どういうことかというと、何か先のことについて不安な気持ちになったとしても、その不安が未来永劫続くわけではなく、そのうちおさまっていくということです。
なので大事なこととしては「不安な気持ちになった時にどうやり過ごすか」であり、その際不安が高まるような考えや行動はなるべく控えて、不安な感情があることを認めて、しばらく放っておくという方が良いということです。
また、そのためには普段の不安を感じていない時の過ごし方が大切で、今自分ができていること、今自分が幸せだったり、嬉しいと感じていたりすること、今自分が子どもや周囲の人と関わって良かったと思ったことを意識して、なるべく覚えていたり、必要ならメモを取っておくのが良いかと思います。
そうすると不安な気持ちがあったとしても「でも、自分にはああいった時もあった」と思い返すことができるからです。長く雨が降り続いている時でも、晴れ渡る青空があったことを思い出せば、そのことをこころまちにしながら雨が止むのを待つことができ、ずっと雨が続くわけではないと信じることができるからです。
不安な気持ちになることはある意味で自然なことです。でも、その不安を感じている自分自身を大切してあげることができれば、いずれ不安はなくなっていきます。今自分のできていること、幸せに感じていることをしっかりと感じつつ、今のこの瞬間を大事に過ごされていけると良いのかなぁと思いました。