2019.2.17、日本精神衛生学会第34回大会でポスター発表でした。
「精神疾患のある親と暮らす学齢期の子どもを支えるための養護教諭等対象ワークショップの効果評価」
リーダー長沼さん。TKLF(チームクリフ)の昨夏のワークショップの前・後調査による報告です。
そして…
社会的意義が大きい取り組みと評価いただき
「優秀ポスター賞」を受賞しました!!
ポスターPDFはこちらに掲載しています。
》チームクリフのページへ
*
会場で足をとめてくださった方、お話させていただいた方、ありがとうございました。
これまでの研究成果に関する質問もありました。
例えば学校の先生たちはどんな困難を感じているのか、どんな対応ができるのか…? 小児精神神経学会でご報告した内容(サイトに掲載)をお伝えし、ワークショップでも現在学校で取り組まれている支援のバリエーションを聴くことで、回答者の先生方も「解決していなくても何もできないわけではない」という感覚に繋がったのでは…というような話。
先生方は相談に応じると「解決しなければならない」と思いがちだけど…親の精神状態の課題は「解決」できるものではなく…なので「解決」できなくても、子どもにとって「相談した」ことによって「そのときの緊急事態」を「なんとかしのげた」という体験に繋がれば、「大人に相談してみる」ということを次の大変な事態にも使えるようになる、という「その場しのぎ」という積極的な意味合いが、参加された先生方を勇気づけたことが結果に反映されたと思います、といったことを話し合ったりしました。
そのほか…いくつか話題となったキーワードのメモです。
・連携の方法や視点のニーズ大きい
・事例検討会のニーズ大きい
・担任にも入ってもらえるとよいが…学校の先生方がとにかく忙しい…取り組める学校と二極化の傾向
・例えば、教育委員会の研修のなかに入り込めないか?ヤングケアラー支援など関連するテーマでつながってアプローチするのもあり?
・現場に出る前に、専門職養成課程の授業の中で、学生のうちからこの視点がもてるとよいな etc
次は3ヶ月後のフォローアップ調査。
研究内容を還元していけるように、少しずつですが、取り組んでいきます。
追記。
記念講演は杉山春さんのお話でした。
バッシング、ひどい親、ではみえない視点をいつも考えさせられます。
虐待事件は社会の大きな流れの中で起きる、社会の家族の構造がかかわる。
どの親も、子どもをしっかり育てたいと思っていた時期がある。
うまくいかない子ども、子育て、ちゃんとした親ではないことを、社会から隠す。外に見せられない社会。
家族が子どもを育てるべきだという社会の認識が強すぎる。
(まわりが気づいた)おや? というときに、もう一歩。
支援者やまわりの人もうまくいかないことや不安を語れることが大事。
だれもこぼれおちない社会へ。
今回は父親の話が結構でてきていて…
「父親に届く支援・情報の必要」
というのはまた大切なテーマだと思いました。