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Q5. 学校やめて、ゲーム三昧。昼夜逆転。ーゆるゆる子育て実践編

Q5. 学校やめて、ゲーム三昧。昼夜逆転。ーゆるゆる子育て実践編
2019年2月14日 pulusu2

ゆるゆる子育てを担当している臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。

 

質問タイトル:学校やめて、ゲーム三昧[ざんまい]。昼夜逆転。
年れいを選ばずに質問したい

 

質問内容

生きてるだけで百点満点。

学校行かなくても、おふろ入らなくても、歯を磨かなくても、元気なのが一番。好きなように暮らしたらいい。

でも、やっぱり、体は臭くなるし、歯槽膿漏[しそうのうろう]にはなってるようだし。

家で暮らしたい子どもに、無理やりなにかをやらせるなんて無理。したいことをしたい時にしたいだけする。そんな実験的子育てをしています。

周りからは放置だ、虐待だ、と言われているみたい。

おがてぃさん、どう思いますか。

おがてぃの回答

 

メールを送っていただきありがとうございます。
メールの文面から迷われている感じが伝わってきましたが、メールをくださった方の心情として、今はどういった感じなのだろう…と、とても気になりました。

 

僕自身は、自分の今までの実体験や相談業務での経験、不登校のご本人やご家族との関わりから、学校に無理に通うということについては、しなくても良いのではないかと思っています。
不登校になる要因はひとそれぞれでひと言では言えませんが、なにがしかのしんどい出来事があり、これ以上学校に通っていると自分自身が壊れてしまう、といったことから不登校になった子たちと出会った経験が多かったからです。
もちろん生活習慣として朝起きたり、学校に通ったりといったことが身についていないことで、不登校になっている子とも出会ったことがありますが、そういった子たちに関しては、そもそもの家庭環境の問題が大きかったので、学校うんぬんより、まずは生活をどうしていくかということを家族全体として取り組んでいました。
なので、メールをくださった方がおっしゃるように「学校に無理に行かなくても、元気なのが一番」という点に関しては同意します。

 

ただ、ゲーム三昧だったり、お風呂に入らなかったり、歯をみがかなかったりすることに関しては、なんとも言えません。なぜかというと、それらを続けることで健康を害し、元気でいられることができなくなる可能性があるからです。

 

お風呂や歯みがきに関しては、衛生面の問題があって、病気や虫歯になる可能性があります。メールをくださった方の文面では歯槽膿漏になっているということだったので、そこからさらに悪化すると、食事をとることが困難になる可能性もあります。
また、ゲームに関しても最近はインターネット依存[いぞん]やゲーム依存といった言葉があるようように、それにハマり続けることで食事を取らなくなったり、より人との交流をさけるようになったり、部屋から出ないことで運動不足になったりすることで、健康を害することがあります。

 

ただ、こういったことがあるからといって、ただちにお風呂に無理やり入れさせ、ゲームができないようゲーム機を捨ててしまえ、というようは話ではありません。
感覚過敏の問題でお風呂や歯磨きが苦手な子もいるでしょうし、一人で家にいるのでゲーム以外に時間の過ごし方がないという子もいるでしょう。あるいは親子関係がこじれてしまって、親の言うことを全く聞いてくれないということもあるかもしれません。
なので、そういったときには、まずは親子で話し合える土台を作ることが大事です。あいさつや雑談や日常会話などができるところを目指し、その上で親の心配していること(元気でいてほしいので、健康を害するようなところはできれば直して欲しい)ということを伝えていけると良いかと思います。
お風呂に入らなくても、お湯に濡らしたタオルで身体を拭くことはできるし、無水シャンプーもあります。歯磨きも液体ウオッシュや布で拭くといったこともできます。ゲームに関しては時間を決めたり、そもそもゲーム以外に楽しく過ごせることを一緒に考えるということも大切なことではないかと思います。

 

僕は無理やり何かをさせるということはしなくていいと思います。したいことをしたいときにさせるという考え方にも賛成[さんせい]です。
でも、親の心配や懸念[けねん]していることを伝えることまで、止めなくてもいいと思います。なんというか、それでは、ただ子どもの言うがままになってしまい、親子が対等な関係になっていない感じがするからです。子どもの意見を尊重しつつ、親の意見も伝え、お互いに対話を通じて、より良い方向に行けるようにしていく…そんなところを目指していけると良いんじゃないかなと思っています。

 

おがてぃ
普段は行政機関で相談員をしています、3児のパパです。
臨床心理士。

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(子育ての質問は、2018年12月にウェブサイトで公募しました。現在、新たな質問は募集していませんm(_ _)m)