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Q3.しかり方、伝え方についてーゆるゆる子育て実践編

Q3.しかり方、伝え方についてーゆるゆる子育て実践編
2019年2月4日 pulusu2

ゆるゆる子育てを担当している臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。

 

質問タイトル:叱り方、伝え方について
年れい:〜就学前

 

質問内容

はじめまして。
6歳の娘と1歳10ヶ月息子の母です。

私は現在、常勤で児童発達支援の指導員として勤務して10年になり、こどもの発達凸凹などは多少は知識があるはずなのですが、我が子のこととなると全くド素人で、日々悩んでおります。

特に上の娘には、『人に迷惑をかけない』ことを厳しく強いているような気がします。
例えば、あいさつの仕方、話し方、公共の場の電車や施設の使うときのマナーなど、とにかく『周りの人が不快にならないように』と気にすることが多いです。
もちろん、まだ6歳の娘は、私が求めているような立ち振舞いをできないことも多く、厳しく叱責[しっせき]してしまうことがあります。

たぶん、娘は、私の目から見てですが、定型発達内にはいるものの、ADHD傾向がみられ、本人もできないことがだんだん辛くなっていると訴えることもあります。
母から求められることが年齢のわりには難度が高いことが多い。
娘の特性もあり、それらををこなすことは容易ではない。
私の叱責が娘を傷つけてしまっている。
母からの叱責におびえ、それに応えようと年齢や力量以上のがんばりをする。
力量以上のパフォーマンスを見せようとして余計に失敗し、自信を損なってしまう。

こういったことを、客観的にとらえており、発達や、それ以上に、娘ののびのびとした生活に良くない影響だろうと反省しつつも、つい同じことの繰り返しです。

ちなみに私のする『叱責』は、
『何回言ってもできないようじゃ、小学生になれない、保育園に残るように手紙かいとく』
『いい加減にしてよ、もう同じことの言うのしんどい』
というような言葉をまくしたてていると思います。

そして。
私も同じように母から育てられてきました。
『あなたが家にいると頭がおかしくなりそう』
『生きてても意味ないだろうから死んで見せてよ』
『もうあなたと同じ家にいたくないから出ていくわね』

こういう母親にはなりたくないと、ずっと思って、自分の子供生む時も『ゆっくりと、穏やかにのびのび育ってくれるように』と、心にきめて、でもできていません。
娘は、小さいからだと心で必死にたえています。昔自分がそうだったから。

そういう言葉を投げかけてしまった時、深く自己嫌悪におちいりますが、いくら自分を責めても、反省しても同じことを繰り返していたら今がありません。母からうけてきたら自分の娘にも…というのはお門違い[おかどちがい]なことも重々理解しています。

どうにか、過去の自分に整理をつけるか、とにかくこれから育っていく娘と息子に健やかな心を持ってもらうために、私ができることは何だろうと悩む日々です。

仕事柄、そんな何もかも生活年齢通りにいかなくてもいい、きっちり生きなくても良い、娘に合ったのびやかな成長と、日々楽しみをみつけられる人に育ってほしいと思います。

長文、乱文で失礼いたしました。

おがてぃの回答

 

メールを送っていただきありがとうございます。
メールを読んでいて、日々理想と現実、思いと行動のはざまで気持ちがゆれ動き、いろいろと悩まれているのではないかと思いました。まずはそれほど真剣に子育てやご自身のお子さんと向き合われているその姿勢に敬意を表したいと思います。

 

僕自身も子どもとそういったことでモメてケンカになったことがあります。「ウチから出ていけ!」とつい言ってしまい、息子が「出ていくよ!」と言ってなかなか出ていかないのでさらにモメて…といった感じで大変でした。その時は妻が間に入ってくれてどうにか収まり、後で「さすがに言い過ぎたと思う。ごめんなさい」と息子に伝えました。
ただ、一方で子どもの言ったこと、やったことに納得がいったわけではなく(その時は確か兄弟のモノの貸し借りがテーマだった気がします)、やっぱりモヤモヤとして、これからはてどうしようかと思い悩みました。
いずれにせよ、どちらも大事なことだと思うのです。『人に迷惑をかけない』ことも『ゆっくりと、穏やかにのびのび育ってくれるように』のどちらも大事で、それが時に重なり合うこともあれば、時に対立しあうこともあります。

 

またメールで質問してくださった方は過去に自分も同じような関わりをされて、それが今の親子関係にも影響が出ているのではないかと悩まれています。その悩みも大事で、子どもの問題なのか自分自身の課題なのかが、より不明瞭になりやすくなっているのではないかと思います。

 

どのようにしたらいい…というひと言で伝えられるようなアドバイスを僕は持ち合わせていないのですが、ただメールを読んでいて「できるところから始めていけると良いのではないか?」と思いました。
子育てやメンタルに関する相談は、なかなかスパッと解決することが難しく、むしろ日々の生活の中から少しずつ変化させていくことで、だんだんと良くなっていくことなのではないかと思っています。
なので、この場合も「お子さんと楽しく過ごす時間を少し増やす」と言ったところからはじめ「子どもに言いたいことを冷静に、効果的に、おどすのではなく伝える」と言ったことにちょっとずつ取り組んでいけるとよいかなと思いました。

 

「お子さんと楽しく過ごす時間」というのは、食事でいうと「ごはん」みたいなもので日々の生活に欠かせない、成長や健康の土台になるようなものです(最近は感覚過敏の人とかの相談で「お米の匂いが…」という人がいるので、そういう人はパンとかパスタとかのイメージでもいいです)。
なので、まずはお互いに「毎日ちょっとでもいいから楽しく過ごす時間を作る」ということ頃からはじめていけるとよいかなと思います。

 

それに対していわゆる生活習慣を身につけるとかいわゆるしつけに関することは「おかず」の部分で年齢や環境、親子の関係性によっていろいろとアレンジしないといけないところかなと思います。
なのでいろいろなことを考慮しながら決めていくのですが、基本的に反応はマチマチだと思います。相手の好みもあるし体調もあるし、いろいろな要因があって、すべてを考慮することが不可能だからです。だから「上手く行ったらラッキー!」くらいのスタンスで行かないとこちらの身が持ちません。今の自分ができる範囲でできることを行いい、それで上手くいけば「よかったぁ」と嬉しがり、上手くいかなかったら「次どうしようかなぁ」と考えていくくらいかなと思います。

 

その過程の中でご自身の課題と向き合う必要があればすればいいし、他の人の子育てが役に立つなら学べばいいし、その他必要なことがあればやってみるのがいいと思います。
ご自身の子どもへの関わり方もその過程の中で少しずつ上手くなっていく(それこそ料理の腕が上がっていくように)と思います。これほど子どもと子育てと向き合っている方であれば、それはそう遠くないと思います。

 

子育てのゴールということほど、答えの見えないものはないかと思います。何せ結果をどこに設定すればいいかわからないからです。
小学生時代にとてもいい子で、中学時代にその反動で不良化し、大人になって更生した…とよくありそうなエピソードひとつとっても、どこの時点で評価するかで全然ちがう評価になるかと思います。
人生の先輩たちに伺うと「自分の子どもはずっと心配」と言っていたので、たぶん一生気にかけることになるのかなとは思っていますが、それくらい答えの見えないものだと思うのです。
だから、子どもの小さい頃の振る舞いだけで、自分のつい言ってしまったきつい言葉だけで、すべてを判断しなくてもいいのかなと思います。これからの道のりはまだ長いので、どうせ答えが見えないのなら、今がなるべく楽に、楽しく過ごせるようにしていけるとよいかなと思います。

おがてぃ
普段は行政機関で相談員をしています、3児のパパです。
臨床心理士。

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(子育ての質問は、2018年12月にウェブサイトで公募しました。現在、新たな質問は募集していませんm(_ _)m)