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【感覚過敏】触覚過敏に対応した洋服選びとタグの外し方・詳細解説

【感覚過敏】触覚過敏に対応した洋服選びとタグの外し方・詳細解説
2019年1月28日 pulusu

子どもの頃は、まわりが買ってくる下着を着ない、ランドセルを持たない(背負い心地がダメ)、体操帽のゴムは切ってなかったことにする、着心地のダメな服は家を出てから外で着替えていくetcさまざまな工夫していたチアキです。
触覚過敏との付き合いも数十年になり、その間、大量の衣類の買い物の失敗も経験し・・・現在の知恵と工夫を、5つのポイントでまとめてみました。

1.見て触って試着できるものは必ず試着(生地・タグ・ゴム・縫い目)
2.下着とセーターと靴下は要注意
3.まとめ買いのすすめ
4.重ね着のすすめ
5.タグの見方・外し方

 

*タグ外しの動画を追加しました 更新日 2019年1月


 

1.見て、触って、試着できるものは必ず試着!

チェック項目

□生地

・チクチクしないか、かゆくないか。手のひらは、刺激にあまり敏感ではないので、苦手な場所にこっそり、一瞬、あてて確認(チアキの場合は首元・人前で大丈夫な場所で、商品を痛めないようにして)

・悩むときには『綿100%』を選ぶ。シルクは勿論よいけど、高いので失敗したときのダメージが大きい。最近は、化繊でもチクチク感のないものもある。

・目の粗い生地のTシャツなどは、肌が痛いかんじになるので注意(素肌に着ない)。

 

□タグ

・全てのタグを念のため確認。首まわりのタグは特に念入りに。最近はタグの心配のいらない「印字タイプ」のものもある。[タグの見方・外し方はポイント5]

 

□縫い目やゴムなど

・肌に触れるところに刺激物がないか。例えば縫い目(スウェットや下着などは縫い目が立っていないか確認)、例えばゴム。

*縫い目が立っている例。冬の厚手のスウェットは注意。縫いたおす、家では裏返してはくなどで対応。

 

□サイズ感

・身体の動かしやすさ、圧迫感。肩まわりがせまいと疲れるかんじになるので、肩を動かしてチェック。小さいものより、ワンサイズ大きめのものの方を選ぶ。ラグラン袖は動かしやすいのでgood。

 

※面倒臭くても必ず試着する!これは本当に大切。通販は、大量購入をさけ、大丈夫とわかったものだけに絞る方が安全。

 

2.下着とセーターと靴下は要注意

 

□下着は身体に直接触れ、ゴムも避けられないので、特に慎重に選ぶ

・きついゴムをさける。細くて丸いゴムよりも、平たくてゆるいもの、ゴムが全周ちゃんと布にくるまれているもの。最近であれば、ボクサータイプがおすすめ(ゴムの接点がお腹まわりのみ。女性用もある)。

 

□セーターは要注意、無理に着ない

・着るときは素肌には着ない。固い毛足のものは、肌着一枚だと突き抜けてきて痛いので、どうしても着たい場合はもう一枚服を重ねる。

 

□靴下は、ゴム部分をチェック

・ゴム部分が短いものほどゴムがきつい傾向がある。
足の甲のあたりの締めつけ感が気になる人も。
スポーツタイプが合いやすい人もいる。タイプを変えて試してみるのがよい。

・タイツは、肌触りが合わないときにすぐに脱げないのでさける。脱ぎ着で調整しやすい方がよい。

 

【サイズ感・圧迫感が気になりやすい部位、チアキの場合】

タグ全身確認

(動きやすい→動きやすさ)

 

3.まとめ買いのすすめ

 

□気に入ったものをまとめ買いする

・色違いで揃えるもよし。触覚の視点からのお気に入りブランドを見つけるのもよし。

※注意:実際に着て1日過ごしてみて、大丈夫なことを確認してから、まとめ買いする方が安全(試着だけだとまだ不安)

 

4.重ね着のすすめ

 

□一枚でなんとかしようとせずに重ね着で対応(個人差がかなりあり)

・素肌にふれるものは、大丈夫な素材のもので。重ね着しておくと、一枚ダメな服があっても、脱いでなんとかできる(温度調整にも敏感・・・)。縫い目自体が苦手な場合など、外に出ない肌着やTシャツは、裏返しで着るもあり。

 

5.タグの見方・外し方:リッパーと毛ぬきが必須アイテム

 

首もとのタグは特に注意。下着でも、脇腹のタグでも、気になるタグは外します。

【タグの種類の見方。それぞれの外し方の難易度】

タグの種類

【タグのキレイな外し方】

裁縫用品の『リッパー』(100均にもあるようです)と『毛ぬき』が活躍します! タグも織物で縦糸と横糸からできているので、1本ずつとればキレイに外すことができます。はさみで切っただけだと、ものによっては角が立って余計に痛いので注意します。

タグのはずしかた

これできれいに外れます!

失敗してもめげずに縫う。肌にふれる首もとに、Dタイプの外しにくいタグがあるときは、残念だけどあきらめる。なども経験から学びました。

以上、チアキの例を紹介しました。
個人差がとてもあると思いますので、過去に購入して良かった服、着られなかった衣類、そのときの気になりポイントを整理して、自分の触覚過敏ポイントを把握しておくと、役立つと思います。

 

着心地が悪いと、集中力などのパフォーマンスに大きく影響したり、身体や気持ちの不調にもつながります。大人になると、自分で予防や工夫ができますが、子どもだと自分でもまわりからもわかりにくいことがあるかもしれません。

 

私は服が好きなので、大きな情熱を注いで、自分が着られる服を研究してきました。
苦労というより楽しく工夫。
肌触りやサイズ感など、お気に入りのブランドに出会えたとき(同じような触覚過敏の人が作っているのかも!?)、感覚がぴったりでかつ好みのデザインの服に出会えたときの喜びは、とっても大きいです。

チアキは、織り方や生地にも精通しており(その知識には目を見張るものがあります!)、それが高じて自分でも服づくりをしています。この探究心は強みだなあと、話を聞きながら改めて感じました。(2016.2の記事に、内容を一部追加して、リライトしました)


感覚過敏がテーマのプルスアルハの絵本・解説つき

子どもの気持ちを知る絵本3
「発達凸凹なボクの世界 ─感覚過敏を探検する─」

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