※入学式を迎える方への内容ですが、それ以外の方にも参考にしていただけたらと思います。
もうすぐ新学期が始まります。
入学式を迎える方は特に、期待、不安、緊張などいろいろな気持ちでいっぱいなのではないでしょうか。 初めて学校に登校する日は、眠れないくらいドキドキが止まらない人もいると思います。 それは子どもに限ったことではありません。お父さんも、お母さんも同じなんです。
前に、入学式を迎えた日にこんなことがありました。
受付が始まったころでしょうか。保健室のドアをノックする音がしました。 大人が2人、ドアの向こうにいるのがわかります。
「どうされましたか?」と尋ねると「すみません。今度入学する子の保護者なんですが…。妻が人込みが苦手で、少し休ませてもらえないでしょうか?」とお話しされました。
隣に立っていた女性に目をやると、うつむき加減で苦しそうな様子です。
「もちろんです。こちらのベッドを使ってください。」
そう伝えると、安心された表情を見せてくださいました。10分ほど休まれた後は、無事に入学式へ出席されました。保健室を出る際には、お二人から「不安で具合が悪くなってしまうことがあるんです。もしかしたら、またお世話になってしまうかもしれません。」とご相談してくださいました。
こうした申し出は、とても勇気のいることだったと思います。 保護者のなかには「学校に迷惑をかけてはいけない」「先生に変な親だって思われないようにしなくちゃ」などの思いを持たれる方もいらっしゃると聞きます。 ですが、こうした申し出は私たちにとって迷惑なことなんかではないです。
「保護者の方から『困っている』って言ってくれるいいんだけどな…」
これは学校現場ではよく聞く言葉です。 連絡帳や子どもの様子などから、なんとなく困っているんじゃないのかな?と思うことがあります。
でも、どんなことに困っているのかわからないと「余計なことをしてイヤな気分にしてしまうかも」と先生たちも悩みます。また、保護者の「大丈夫です」の言葉で何もできなくなってしまいモヤモヤしている先生もいます。
困っていることを一緒に悩む
それが、先生にとっても、保護者のみなさんにとっても、それに子どもにとっても、問題解決の一番の近道だったりするんです。一緒に、安心して過ごせる学校生活を作っていきましょう。
ポイント
担任の先生に伝えるのがむずかしいときは、他の先生から伝えてもらうこともできます。 私たち養護教諭や教頭先生、同じ学年の先生やお友達などから伝えてもらうのもいいかもしれません。
事前に何を伝えたいことをまとめておくと話しやすいです。以下のことをまとめておくと、伝わりやすいです。
・不安に感じていること
・苦手なこと
・パニックになったときや困ったときの対処法
・困ったときの連絡先、頼れる人、相談しやすい人(家族、友人、地域の相談員さん、医療機関などの専門家など)
ポイント
・入学式が始まってしまうと、学校もあわただしくなります。先生の異動もあるので、相談するタイミングは入学式の前日~受付までがおすすめです。直接話すのが難しい場合は、電話で「入学式のことで聞きたいんですが…」と伝えてもらえれば担当者につなげてもらうことができます。電話の場合は入学式の1~2日までに連絡しておく方がいいでしょう。
新入学シーズンのコラム
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