1 どんな絵本ですか?
あらすじ
自分ではどうすることもできないようなこわい経験をすると、こころにケガをすることがあります。
主人公ジュンは、このところ、学校では授業にも集中できず、自分がおかしくなってしまったのかな…と感じながら、だれにも言えずにつらい思いをして過ごしています。ある日、友だちがケンカしてるところを見て、わけがわからなくなって、自分でも知らないうちに、友だちをたたいてしまいました。なんでだろう……。
ジュンは先生と話すなかで、自分の状態が「こころのケガ」によるものだと知り、こころの体力をつける方法を試していくなかで少し元気を取りもどしていきます。
目次
《おはなし》
《解説①》ボクはみぃ先生のところへ行ってきたよ
こころのケガのしくみ/こころにケガをしたときの症状リスト/症状のくわしい説明 / こころの体力をつける方法いろいろ
《解説②》 まわりの大人ができること
《おはなし》より
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《解説①》ボクはみぃ先生のところへ行ってきたよ より
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《解説②》 まわりの大人ができること より
2 対象と使い方のヒント
・子どもの支援にかかわる方へ:医療や保健、福祉、地域の子ども支援、教育現場で(養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソ―シャルワーカー、教員、相談員) など
・保護者やご家族の方へ
・大人の方がご自身へ
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対象年齢(一概には言えませんが…)
《物語部分》
・大人といっしょに読むなら、小学校低学年から
・ひとりで読むなら、小学校高学年くらいから
《解説部分》
・小学生は大人といっしょに、内容をしぼって使うことを考えます
・ひとりで読むなら、中学生くらいから
※解説部分は、物語部分にくらべて、内容が少しむずかしく、文章量が多いです。その子どもの様子や理解にあわせて、内容をかみくだいて伝えます。むずかしいところは読みとばしてもよいです。大人の方の理解に役立ててください。
※絵本ですが、対象年齢の上限はなく、大人の方も自分向けに活用いただくことができます。
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絵本を読むときに
もしも読んでいるときに、こわいきもちになったり、胸がざわざわしたら、無理に読まずに、なにかきもちが落ち着くことをします。
年齢にかかわらず、絵本を読むことで…こころのケガになったできごとを思い出してしまい、不安な気持ちが引き起こされてしまうこともあります。まわりの大人の人は、その苦痛を受けとめ、そうなるのは自然なことと伝えながら「リラックス法」をいっしょにできるとよいです。
まず最初に(解説や絵本を読む前に)、「安心のきもちをふやす方法」を練習することもいいです。
・リラックス法
・「今、ここは、安全」というきもちを強める方法
・たのしいこと・ほっとすることをする
を絵本の解説のなかで紹介しています。
つかれる前にひとやすみしながら、無理のないペースで読み進めます。
すこし安心できる人といっしょに読むのもよいと思います。
》少しくわしい使い方ガイドへ
内容
1 子どもと一緒に絵本の物語部分を読むときに
2 「リラックス法」が難しい子どもたちがいます
3 「いま、ここは安全」という気持ちを強める方法(絵本にはのっていない方法もあります)
4 きもち+からだの感覚に気づく力を高めるための方法
5 三角形モデルにいっしょに気づいていきます
6 「別の考えを浮かべてみる方法」は日常に感じるちょっとした不安や怒りを生じさせる出来事から
3 ワークブックと使い方ガイド
絵本を読むだけでなく、気がついたことを書きこんだり、その資料を手元にもっていつも見返したり、それをもとに家で練習したりすることができるワークブックです。
支援者の方が子どもさん(大人の方)といっしょに取り組むイメージで作りました。
仕様:A4サイズ・16ページ
※複製しての使用はお控えください。今後デジタルデータでの販売も予定しています
》使い方ガイドPDF(3MB)
4 ジュンの安心カード
2つ折りでスタンプカードサイズになるカードです。
内側に自由にカスタムして書ける欄があります。
お財布に入れて持ち歩いたり、
・子どもさん自身が「じぶんのポジティブワード」「こまったときの連絡先」を書いて携帯する
・(ワークブックの終了時など)メッセージを添えて渡す
など、自由に活用できます
絵本とセットではなく、
サイズ:106×85mm
絵本と関連アイテムは、以下の商品展開をしています。
》オンラインストアへ
5 作者について
プルスアルハ[絵:細尾ちあき、北野陽子]
犬塚峰子[原案・解説]
プロフィール:児童精神科医。大正大学客員教授。ぷるすあるはアドバイザー。1994 年から15 年間東京都児童相談センタ-勤務。『児童虐待 父・母・子へのケアマニュアル〜東京方式』(共著、2009 年、弘文堂)、『やさしくわかる社会的養育シリーズ③子どもの発達・アセスメントと養育・支援プラン』(編著、2013、明石書店)。
犬塚さんからのコメント
「(ぷるすあるはが始まった)2012年頃は、一部の専門職を除いてトラウマについてあまり知られていませんでした。子どもたちが、何が起こっているのかわけがわからないまま、自分でコントロールできないような症状に圧倒されて、自責感を深め、再トラウマ体験を繰り返し、どんどん事態が悪くなっていく様子をみてきました。早いうちに周囲の大人がトラウマに気づき、トラウマからの回復に向けて必要な対応をしていくことが大切だと感じてきました。
10年がたち、トラウマについて、トラウマインフォームドケアについて、多くの本やリーフレット、情報がでて、たくさんの方が知識を深めてきています。対応できる方もふえてきました。そういったなかでも、子どもにトラウマの知識を届ける手段として「絵本」で表現できたら、というのが変わらずありました。自分に起きていることを、物語のなかに入って、なるほどとか、ああそうかなとか、体験できるような「絵本」。
トラウマについてはまだ研究途上でいろんな知見がどんどんでてくる状況なので、書いていて難しさや不安もありましたが・・・なにか役立つものになっていたらうれしく思います。」
2) ぷるすあるはのオンラインストアからご注文いただけます
定価+送料がかかります。
絵本はチアキのイラスト入りで、オリジナルポストカードが1枚つきます。ワークブックとカードは、オンラインストアからのみご注文いただけます。セット割引商品があります。
7 リンクとアイテム集
》【リンク集】 トラウマ、トラウマインフォームドケアについての情報
トラウマインフォームドケア、トラウマに関する心理教育についての情報を紹介しています。ウェブサイト、ダウンロードできる資料、書籍など。子どもを中心に、成人に関するものものせています。
絵本の解説に対応したまとめシートPDF(A4*2枚)をのせています。
ダウンロードして使えます。
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「こころの体力をつける方法いろいろ」
無料ダウンロードアイテム
》リラックス法・「いま、ここは安全」の気持ちを強める用法
》ハッピーリスト
》ハル・アルハの簡単リラックス
》いろんなきもち日記
》体調ポスター
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