そのこだわりやパニック 感覚過敏がかくれていませんか?
発達障害や発達の凸凹のある方に見られやすい感覚過敏。まだまだあまり知られていません。感覚過敏からくる苦手を理解し、工夫をいっしょに見つけることができる絵本です。解説つき。
01.あらすじ
タクは感覚が過敏で、教室や給食や行事が苦手。しかし、自分でも何がイヤなのかわからないし、うまく言葉にすることもできません。いつも怒られてばかりいます。
タクの感覚過敏に気づいたのは、学童の先生でした。タクと家族と学校の先生と、みんなで苦手探検をします。
(↓画像をクリックすると拡大します。自身も感覚過敏がある著者によるお話と絵です)
02.解説・付録
絵本の後半は解説です。感覚過敏の例とその対応、シーン毎(教室・行事編/給食編/家庭編)の対応のポイントなどを説明しています。書き込んで使えるシートが付録につきます。
03.朗読動画(全編)
04.絵本を特におすすめしたい方
親や家族、学校の教員、特別支援コーディネーター、養護教諭、スクールカウンセラー、学校図書館、公共図書館、小児科や精神科の医療機関、療育機関、保健師、保育士、子育て支援にかかわる方など
06.推薦文 朝倉新先生(新泉こころのクリニック院長・児童精神科医)
この絵本は、発達障害の感覚過敏にかんすることが書いてあります。感覚過敏についてこれだけ詳しく描かれた絵本は、日本で初めてのものだと思います。感覚過敏は、まわりの人たちにはとってとても分かりにくく、本人にとってもつらい特性です。こだわりやパニックなどの発達障害の特性が、じつは感覚過敏が原因であることが良くあります。さあ、この絵本を読んで、感覚過敏について理解し、工夫の探検に出かけましょう。
07.発達凸凹と感覚過敏について
人は大人になる過程で、言葉や運動、感情など、いろんな面が発達していきます。発達の進み方は、早いところや遅いところ、得意や苦手なところが人によってちがいます。得意と苦手の差がとても大きいことを、発達凸凹とこの絵本では呼んでいます。
発達凸凹によって、家庭や学校、仕事など生活の中での困りごとが大きくなり、よりきめ細かな理解と支援が必要な状態を「発達障害」ととらえています(発達障害のタイプによって、自閉症、自閉症スペクトラム、アスペルガー障害、広汎性発達障害など、いろいろな呼び方があります)。個性─凸凹─障害の間に境目はなく、ひとつづきのものです。発達障害の原因ははっきりわかっていませんが、いくつもの要因が重なっておきる「脳の特性」と考えられています。本人の努力不足や育て方の問題ではありません。特性にあわないかかわりが続くと、行動や心理面に、二次的な問題があらわれることがあり(二次障害と言われます)、まわりの人の理解と支援が必要です。
発達に凸凹のある人の中には、「感覚過敏」の特性を持ち合わせている人が多くいます。発達障害かどうか、診断の有無にかかわらず、感覚過敏があって、なんだか生活しにくい、理解されにくい、周囲の人がかかわりでとまどいやすい・・・そんな方に読んでいただけたらと思います。
もっと詳しい情報のページ
》感覚過敏と鈍麻─発達障害にともないやすい感覚の特性
08.関連絵本
プルスアルハ著/ゆまに書房
・子どもの気持ちを知る絵本
①わたしのココロはわたしのもの ─不登校って言わないで
②ボクの冒険のはじまり ─家のケンカはかなしいけれど…
・家族のこころの病気を子どもに伝える絵本
①ボクのせいかも… ─お母さんがうつ病になったの─
②お母さんどうしちゃったの… ─統合失調症になったの・前編─
③お母さんは静養中 ─統合失調症になったの・後編─
④ボクのことわすれちゃったの? ─お父さんはアルコール依存症─