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日本語版青年・成人感覚プロファイル(AASP)をやってみました1─チアキの感覚過敏×オガティ2

日本語版青年・成人感覚プロファイル(AASP)をやってみました1─チアキの感覚過敏×オガティ2
2016年4月10日 chiaki

ぷるすあるはの発達障害&ゆるゆる子育て担当のおがてぃです。今回はちあきの感覚過敏をフューチャーするコラムの2回目となります。

1回目からその過敏さと工夫の斬新さに驚かされましたが、内容を整理しようにもいろいろと話があっちこっち飛んでしまうため、このコラムでいったいどこから取り組もうかと悩みました。ただ、そこはなんだかんだいって臨床心理士のおがてぃです。ちょっとそれっぽく今回はちあきに感覚過敏や感覚鈍磨(鈍いこと)を調べるための質問紙をすることにしました。

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今回行ったのは「日本版青年・成人感覚プロファイル(通称AASP)」と呼ばれる質問紙で、感覚の問題を4つの領域に分類して整理します。

4つの領域はそれぞれ

1 低登録 :強い刺激に対する受身的な反応
2 感覚探求:強い刺激に対する能動的な反応
3 感覚過敏:弱い刺激に対する受身的な反応
4 感覚回避:弱い刺激に対する能動的な反応

と分けられており、統計学的に一般的な人と比べて高いのか、あるいは低いのかを評価します。

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なんのこっちゃらという人もいると思うので少し解説します。
『1低登録』は強い刺激に対する反応が低いことで、感覚が鈍い傾向(いわゆる感覚鈍磨)があるとされます。
『2感覚探求』は、強い刺激に対して反応が高いことで、やたらと刺激を求めたり、強い刺激が好きだったりします。例えば・・・・高いところや速い乗り物が好き、ロックなど激しい音楽を聞く方が落ち着く、炭酸の飲み物や辛い食べ物が好きなど。
『3感覚過敏』は、弱い刺激に対する反応が高いこと。環境や刺激の変化に敏感でちょっとした違いもすごくに気なるということになります。
『4感覚回避』は、能動的にそういった刺激を回避していること。

AASPカット

 

その結果、ちあきは『1低登録』『2感覚探求』は一般の人と同じくらいなのですが、『3感覚過敏』『4感覚回避』は一般の人と比べて非常に高いことがわかりました。統計学的に言うと人口比率の上位2~3%(標準偏差で2σ以上)の中に入るくらいの高さ。

つまり『感覚過敏の人』認定です!(まぁ、あくまで質問紙の結果ですが…)

結果を伝えたところ、「やっぱそうかぁ」と納得した様子でした。感覚過敏の例として「色がたくさんあるとチカチカして見にくいので色付きの透明下敷きごしに見る」「線香の匂いが嫌いなので、お墓参りは朝やたらと早く行く」など、またいろいろエピソードが出てきました。
ただこの話からもわかるように、自分なりに感覚過敏の傾向を理解しており、能動的にそういった刺激を回避している(4感覚回避)、つまり工夫して乗り越えているということもよくわかりました。

しかし「お墓参りの時は線香の匂いで悲しいより吐き気」と言っていた時には、なんか感覚過敏の人って本当に大変なんだなぁと思いました。亡くなった人も毎回来られて吐かれていたら、おちおちお墓の下で寝てられないでしょうね…

次回のコラムでは五感別にちあきの感覚過敏を整理して見たいと思います。

→→ 》日本語版青年・成人感覚プロファイル(AASP)をやってみました2

 

<今回使った質問紙は日本で発売されてまだ間もないものになります。成人期の発達障害について先駆的に取り組んでいる医療機関や相談機関であれば、導入しているところもあるので、気になる方はお問い合わせいただければと思います。>

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