先生のための保健室。担当のまさみ先生ともっち先生から、ちょっと肩の力を抜く・空気を抜く、というテーマのリレーコラムです。実践するのはとても難しいテーマですが・・・・元気になるヒントに少しでもつながったら幸いです。
いろんな先生がいてもいい─肩の力を抜く方法
byまさみ先生(養護教諭)
「担任が変わればいいのに」と子どもから言われた。「たいして経験もないのに・・・」と保護者から責められた。・・・一生懸命にやっているのに、どうしても合わない子や保護者がいることがあります。
先生だって人間。こんなことを言われたら傷付くのは当たり前です。
自分の経験不足や仕事量の多さ、プレッシャー・・・など自分の弱さを突きつけられたときは、「自分は先生には向いていないかも・・・」なんて思い悩んでしまうこともあるのではないでしょうか?
いったいどんな先生だったら完璧なんでしょう? いつも元気にあいさつする熱血先生も、お母さんみたいに優しく見守ってくれる先生も、苦手なことはあるし、自分と違うタイプの時間を過ごしてきた人の気持ちを完璧に理解することなんてできません。
「自分はダメだ・・・」なんて思わないでほしいです。忙しさに参ってしまいそうなときほど、自分を責めてしまいがちです。
ちょっと一回、ゆーっくりと深呼吸をしてみましょう。そしたら、まさみ先生の提案を少し聞いてみてもらえませんか?今すぐには出来なくても・・・頭の片隅に、そっと置いてみてください。まさみ先生流「肩の力を抜く方法」です。
○誰かに任せてみる。
学校は組織です。「自分でやったほうが早いから」「自分しかわからない/できないから」では組織として成り立ちません。その人がいなくなったら、進まなくなってしまう状況は組織として継続できません。もしそのような状況だったら管理職に伝えて、その人がいなくてもわかる状況を作るように提言します。「1人では何も出来ない教員」ではなく「将来を見据えて全体を考えることができる教員」です。「無理してなんとかやり遂げる」から「うま~いペースで、継続して取り組む」へ方向転換できないか考えてみてください。
○「出来ない」「わからない」を伝える
子育ての苦労や家庭の事情は人それぞれです。完璧に理解するなんて無理です・・・「先生にはわからないよ!」「何にもできないくせに」そんな言葉を言われたら「そのとおりです」と言ってしまいましょう。でも、それで終わっては教育のプロではないと思います。「私には、あなたの気持ちや事情を本当に理解することは出来ません。でも、できるだけ理解したいと思っています。そして、力になりたいと思っています。わかっていないと思ったときには教えてください。一緒に考えていきましょう。」完璧であることよりも、誠実であることが大切ではないでしょうか。
○しっかり休む
「仕事が終わらない!」多くの先生がそう思っているのではないでしょうか? 確かに、どうしてもそのときじゃないとできない仕事というのがあると思います。でも、そうではないときは、たとえ中途半端でも、無理やり終わりにしてほしいのです。私も「まずいまずい・・・。明日の午前中には仕上げなきゃいけないのに、まだ半分も終わってない」なんて思いながら校門を出ることもあります。でも、今のところなんとかなっています。そう!なんとかなるんです!
先生が毎日を楽しめていないと、子どもも楽しめない!自分の家族や大切な人を犠牲にもしかねません。しっかり休んで、しっかり遊んでください!
もう十分に頑張っています─空気を抜くとき
byもっち先生(小学校教諭)
新聞の記事に、小学校の教員は1日6分、中学校は7分が、休憩時間だと書かれていました。先生方は、朝出勤してから子どもが帰るまで、休む間もないのです。子どもがいると、トイレにも行けないことがよくあります。給食も落ち着いて食べていられません。休み時間も子どもと遊びます。子どもたちが下校した後は、会議、教材研究、授業の準備、ノートやプリント類の丸つけもあります。毎日忙しすぎますね。
学級の子どもや保護者のことは、自分で何とかしなければと、一人で抱え込み、頑張りすぎていませんか?できない自分は、嫌いな自分になっていませんか?
もう、十分に頑張っています。
一人で、全てを完璧にしなくても協力してくれる人が必ずいます。同じ学年の人、日常的に話せる人、家族、以前の職場の方などなど、探してみてください。大変になったら、いつでも頼ってください。
学級の児童は、学校の児童です。学校、保護者、地域みんなで、見守り育てていくものです。
疲れたなと思ったら、今日は、定時に帰る日と決めて、自分の好きなことをするのもよいですね。ゆっくりお風呂に入って、早めに休むのもよいでしょう。自分を大切にしてください。自分を甘やかすことがあってもよいのです。そうすると、明日への活力が生まれてきます。疲れたまま続けるより、ずっと効率が良く仕事が進みます。
困ったときに、愚痴が言えますか?
愚痴は、空気抜きです。ネガティブなことは、言ってはいけない。かっこ悪いことだと考えていませんか?そんなことはありません。よい頃合いに空気を抜くと、風船は、破裂しません。適度に空気抜きをすることができると、新しい空気が入ってきて、更に、仕事が続けられます。英気を上手に養っていきたいものです。
〜先生方が気軽に立ち寄れて…『精神障がいや発達凸凹のある保護者』へのかかわりに生かせる情報と、先生方もちょっぴり元気になれる情報を発信しています