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Q7.睡眠導入についてーゆるゆる子育て実践編

Q7.睡眠導入についてーゆるゆる子育て実践編
2019年2月21日 pulusu

ゆるゆる子育てを担当している臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。

 

質問タイトル:睡眠導入について
年れい:小学1-3年

 

質問内容

重度知的障害、発語がない自閉症スペクトラムの息子8歳について。
ここ数週間、寝床に入ってからのひとり言(喃語[なんご]のような発声)が1〜2時間、長いときは3時間くらい寝ずにいることがあります。半分寝ているような表情で夢遊してるかのように見えている時もあり、布団から飛び出すこともありました。普段から日常、朝は遅くとも6時までには起こし、日中はできるだけ身体を動かすようにし、夕飯後からはYouTubeなどの動画も見せないようにし、部屋の照明も暗めに調整し、、、と交感神経をリラックスさせるように努めているのですが、なんとも改善しません。以前は自ら眠ろうとしていたのですが、最近は逆に眠りを避[さ]けているような気もします。

朝は父の起床につられ5時過ぎに起き、8時には床に入り寝つきもさほど悪くなく睡眠障害もなかった子です。北海道住まいで最近本格的に雪が降り始め気温も低下して日暮れも早い、冬季の季節ではありますが、これまでに無かった状況に困惑しています。一度眠りさえすれば、途中で覚醒することはごく稀[まれ]で、ぐっすり眠っています。目覚めもよかったのですが、さすがに最近は寝起きが悪いです。

何らかの脳の発達段階の現象なのか、年齢的に成長期なのか、心配要らないのか、考えられる要因についてご意見いただけたらと思います。

おがてぃの回答

 

メールを送っていただきありがとうございます。
睡眠の問題は日常生活や本人の情緒面、家族の関わりなどいろいろなところに影響が出るので、ご心配なさっているのではないかと読んでいて思いました。8歳という年齢で、他の症状も文面には書かれていないので、いわゆる身体疾患などの器質的な問題が生じている可能性は低いかもしれませんが、気になるようであれば一度かかりつけの先生に相談されてみても良いかもしれません。(もうなさっているかもしれませんね…)

 

その上でそういった問題がないのであれば、入眠困難の状態であると推測されます。子どもは不眠を訴えられないので、寝ることをさけたり、拒[こば]んだりするような行動をとることがあります。体験された人はわかると思うのですが、寝付けないのに布団に入っているのは非常に退屈で苦痛なので、さけたくなるのです。

 

要因としてはいろいろなことが考えられると思いますが、要は睡眠を妨げる何かがあるということです。それは物理的な要因と精神的な要因の二つに分けられ、物理的な要因はすでに工夫してくださっている身体を動かすとか、夜TVを観過ぎないとかです。その他としては感覚の問題として布団やまくらが変わったり、パジャマの質感だったり、暑さ・寒さだったり、毛布のケバケバ感だったり、睡眠に関わるモノの変化や経年劣化などがあるかもしれません。また季節、気候の変化も影響を及ぼすことがままあります。

 

精神的な要因としては、何か不安なこと気になること、寝る前に思いついてしまったことなどがあげられると思います。テスト前や仕事のことで悩んでいて寝付けないという体験をされたことのある人も多いでしょう。
今まで関わった中で一番見つけにくかった要因としては「お風呂で顔を洗うのが不安だった」というものがあったので、思わぬものがそうなっている可能性があります。また、この精神的な要因はポジティブなものを含みます。遠足の前の日は目がさえてしまう子どもの例は大体の人は聞いたことがあるでしょう。何か本人にとってうれしいことがあると、それはまた目がさえる要因になることも可能性としてあり得ます。

 

眠れないことに対するアプローチですが、一番は「無理に寝かしつけない」ことが大切です。それは寝かしつけること自体がプレッシャーやストレスとなり、余計に寝ることが嫌になるからです。
しかし、一方でこれを行うのが実は一番難しいのです。子どもだけでなく保護者側にも生活があり、保護者の方は普通に眠いのです。だから付き合うのが大変になりますし、そもそも睡眠不足は心身ともに様々な影響を及ぼします。

 

赤ちゃんを世話する保護者の苦労をイメージしてもらえると近いですが、8歳くらいだと、今度は何をして過ごせばいいのかが問題になります。前述のようにTVや刺激になりそうなものはさけないといけない、でもそうではないものは興味を示さない、外にも出かけられない…親子の関係がとても煮詰まりそうな状況です。本人が気に入っていることをしてなるべく静かに過ごすことが大切かなと思いますが、この辺りはケースバイケースなので、なかなか一概[いちがい]にこれが良いと言えないのが現状ではないかと思います。ご家庭によってはとにかくワンオペになって大人の方が参らないように工夫することが大切です。なるべく交代制で、日中睡眠をとりながら子どもに付き合うといったことが大切になるかと思います。

おがてぃ
普段は行政機関で相談員をしています、3児のパパです。
臨床心理士。

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(子育ての質問は、2018年12月にウェブサイトで公募しました。現在、新たな質問は募集していませんm(_ _)m)