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パートナー・配偶者の方からの質問Q&A 3.職場とのかかわり

パートナー・配偶者の方からの質問Q&A 3.職場とのかかわり
2018年8月21日 pulusu

うつ病患者の家族向けコミュニティサイト「エンカレッジ」×「ぷるすあるは」のコラボ、精神障がいをかかえた方のパートナー・配偶者の方から、よくたずねられる質問のコーナーです。
今回は、パートナーの会社の制度がよくわからない… など職場とのかかわりがテーマです。

 

はじめに

 

うつで休職に入られた方の、配偶者の方からのご相談で比較的多いのが…
「パートナーの会社の制度(休職期間、休業中の手当・補償など)のことがわからない」
「夫(妻)に聞いても『大丈夫』としか言ってくれず、この先の生活の目処が立てられない」といったご相談です。

 

うつになったご本人は「家族に心配をかけまい」と話さないこともあるでしょうし、体調が優れない中、込み入ったことを考える余裕が持てない場合もあるでしょう。
だからこそ、家族である自分が知っておきたい、配偶者に代わって対応したいのだけれど、配偶者の会社の情報が入ってこない。そんな場合は、どのように対応するのが良いでしょうか。

 

会社はどれくらい休めるか確認したいとき

 

一般的な会社には、就業規則として病気欠勤制度や休職制度が定められており、一定期間の病気欠勤を経て、休職となることが一般的です。
病気欠勤中や休職期間中は、会社からお給料等はもらえないことも多いですが、その分を補填する仕組みとして、加入している健康保険組合等から傷病手当金が支給されます。
お勤めの会社に休職制度がある場合、就業規則や休職規定などに詳細が記載されています。

 

【傷病手当金】

傷病手当金は、健康保険の加入者が病気やけがで働けなくなり、給与がもらえない場合に、1年6か月間、給与の額の約3分の2相当が健康保険から支給される制度です。なお、加入している健康保険の種類によっては、支給期間が1年6か月より長いケースや、支給額が給与額の3分の2より多くなる制度が設けられている場合もあります。

 

【就業規則】

就業規則とは、賃金、労働時間、休日・休暇などの労働条件や、服務に関することなど、労働者が守るべき規律を定めているものです。労働者を常時10人以上雇用している会社は、就業規則の作成と届出が原則として義務づけられています。

 

【休職制度】

休職制度とは、業務外の理由で、一時的に労務提供ができなくなった場合に、これまでの会社に対する貢献度を勘案して、その事由が将来的に回復するなら、解雇を一定期間猶予する、という制度です。休職制度がある会社の場合は、どのような場合に休職となるのか(休職の事由)、休職期間の長さ、どのような場合にどういう手続きで復職とするのか(復職の基準と手続き)、休職期間中に復職できない場合はどうなるのか(復職できない場合の措置)などが定められています。

 

上記が確認できない場合は、うつになったご本人または、ご本人がお勤めの会社に確認することになります。
ご本人に確認する場合、体調が良さそうな午後など(午前中は体調が優れない方も多いです)に、
「会社からどれくらい休めるか聞いている?」
「何か資料は貰った?」「貰っていたら、私にも見せて」などと確認をしてみるとよいでしょう。
「大丈夫だよ」「自分でやるよ」などと拒否されてしまう場合、
「私がこの先の計画を立てるために知りたいから、確認したいんだ」
「私があなたを支えるために適切な対応をしたいから、教えて欲しい」と伝えてみるのも一つです。

 

「何も貰っていない」「何も聞いていない」と言われたら、会社に問い合わせても構いません。
ご本人にも、会社に聞いてみることを伝えるとともに、休職中の窓口を確認し、特に決まっていなければ人事部門などに問い合わせると良いと思います。
個人情報の関係上、たとえご家族であっても、問い合わせた内容についてご本人以外に回答をすることができない、と言われる場合もあるかもしれません。その際は、会社側から、直接ご本人にメールや文書等で伝えていただくとよいでしょう。

 

尚、傷病手当金については、直接健康保険組合等に問い合わせてみるのもよいでしょう。
「病気でお休みさせていただいている◯◯の家族です。お休み中の制度(休職期間、休業中の手当・補償など)を確認したいのですが」
などと伝えてみてください。
会社と話す際は、復職要件や、復職に際して必要な書類なども確認しておくと、安心かもしれないですね。

 

さいごに

 

家族として一緒にいると、うつのご本人が体調が優れない中でも、休職後のことや生活のことなど、ご本人の意見を聞いたり、先々のことを決める必要に迫られることがあるかもしれません。
うつはその症状に判断力・思考力の低下があるので、「どうする?」「一緒に考えて」という伝え方だと、ご本人がつらくなってしまう場合があります。
そのようなときは例えば
「私は◯◯したいと思っているけれど、それでいいかな? 良ければ◯◯するし、良くなければあなたの意見を反映させて、一緒に決めていこう」
など、YES/NOで答えられる聞き方だと、ご本人も答えやすいかもしれません。
今後のことなどについて判断が求めれられる場合は、主治医の先生ともよく相談しながら進められると、さらに安心ですね。

 

担当:エンカレッジ

執筆者

三瓶真理子(EASE Mental Management代表カウンセラー、臨床心理士)

医療機関(精神科・心療内科)、大手EAPプロバイダー、上場企業の専属臨床心理士を経て、働く人と企業のメンタルヘルス相談をおこなっています。