
ここ1か月くらいなのですが、仕事の方が忙しくてだいぶバタバタしていました。なんとなくせわしないという感じがあって「マイペースじゃないなぁ」と思っていたのですが、改めて#マイペース主義(マイペースに過ごせる社会を目指すという意味で自分が勝手に作った造語です)を普及[ふきゅう]させていく際には、やはりここが一番のネックになるんじゃないかと思いました。
どういうことかというと、結局のところ、マイペースに過ごせるには環境要因が大きく、いくら自分がマイペースに過ごしたくても、周囲の環境がそれを許さないということがたくさんあるだろうということです。
例えば、それは日々生活していくために、働いてある程度お金を稼がなくてはならなかったり、災害があってとにかくその場をどうにか生き抜くということが必要だったり、赤ちゃんを育てていて、どれだけ眠くてもミルクを与えなくてはならなかったりするときなどが該当[がいとう]するかと思います。
これは以前のコラムで「マイペースを調整する」というところでも触れており、この調整をする際に「対話」が必要としているのですが、そもそも自然災害や赤ちゃんを相手に対話することも難しいので、そういった場合どうしたらよいのだろうとずっと考えていました。
ひとつ思いついたのは「対話する対象を変える」ということで、自然災害の場合は同じ避難所に避難している人とか、子育ての場合はパートナーとかと対話をして、自身と相手の負担を減らしてお互いにマイペースに過ごせる方法を考えるということができるとよいと思いました。 ただ、何かこれだけでは何か足りない、そもそもそういう「落ち着かない状況」と向き合うとき、何かもう少しできることがあるのではないかということを漠然[ばくぜん]と感じていました。
以前からその解決のヒントになりそうなこととして、ヨガとかマインドフルネスとか座禅[ざぜん]などがあるのかなと思っていました。 ようは物事に対する向き合い方や向き合っている最中の自分の状態をよく知ること、そして落ち着いて過ごすことがマイペースに過ごすことに近づくのではないかと考えたのです。
ただ、自分でもいろいろ試してはみたのですが、どうもこれだけではやはり何か足りないのではないかという感じがしました。 なんというか結局「自分が落ち着いているときはマイペースに過ごせるというだけで、自分や周りの環境が落ち着いていないと、やはりマイペースが作り出せないと思ったからです。
ヨガとか座禅[ざぜん]に対する自分の修行が足りないからだと言われればそれまでなのですが、でもそれだけ修行しないと身につかないことはそもそも普及もしないだろうし…とずっとモヤモヤ考えていました。
そんな中、最近取り組んでいるのが「システマ」という武術を習うことです。
初めて聞かれる方もいると思うのですが(一時期お笑い芸人のみなみかわさんが「システマ」の芸をして話題になっていました)、「システマ」は元々ロシアの軍事格闘術から誕生し、自分や相手を傷つけずに「生き残る」ということをテーマにしたトレーニングシステムです。トレーニングの中では心身のパフォーマンスを引き出すために「呼吸」を活用するのが特徴です。
なぜこれがマイペースにつながるのかというと、まず、元々、軍事格闘術なので戦場という究極的に危険な場所であったとしても、リラックスした状態をつくれるようトレーニングするということが、自分自身のマイペースを維持[いじ]するために必要なこととつながる気がしています。
また、呼吸法やリラックスの方法などがトレーニングの要素としてあり、これらが主体的にリラックスした状態を創[つく]るということが、自身のペースを維持するトレーニングになるのではないかと少し思っています。
まだ「システマ」については学び始めたばかりなので、まだ何がどうなるかということはよくわかっていない状態なのですが、より主体的にマイペースな状態をつくることができるヒントが何か見つかればと思っています。
こういった自分自身に働きかけることと、環境を調整していくという双方へのアプローチが、マイペースを創るうえで大切ではないかと思っています。
次回は個と環境の相互作用[そうごさよう]からマイペースを考えてみたいと思います。



