
『子どもの語りからわかる 精神疾患がある親をもつ子どもの支援』
【著】田野中恭子(佛教大学保健医療技術学部 看護学科)
中央法規出版
発売日 : 2025/7/11
A5判/約230頁
定価 2,750円
ISBN 978-4-8243-0286-1
子どもの声が示す 親子への支援とその視点
精神疾患のある親とその子どもはまわりから気づかれず、困り事を抱えがちです。
支援者や教員、身近な人も親子をどのように支援したらよいか悩みます。
本書は、インタビュー調査を通して明らかになった、子どもが経験した年代別の困難、助けになった支えを紹介します。
子どもの声を聞くことは、支援を考えるうえで重要な手がかりになります。親子を取り巻く状況や海外の支援内容をふまえ、親子をどのようにみて支えるか、実践に役立つ「子どもをみるための4 つの視点~生活/気持ち/情報/自分の時間・発達~」から年代に応じた支援方法、多職種・多機関連携のあり方を具体的な事例とともに示しています。保健・医療・福祉・教育の専門職、身近な人がそれぞれの強みを活かして連携しながら、子どもを支援につなげるための、地域の支援者や教育関係者を対象にまとめられたはじめての本です。
【主要目次】
第1章 なぜ、精神疾患の親をもつ子どもに着目するのか
第2章 精神疾患の理解
第3章 精神疾患がある親と暮らす子どもの支え
第4章 精神疾患がある親と暮らす子どもの困難
第5章 精神症状のある親と子どもにどうかかわるか~関係機関との連携
第6章 ドイツをはじめとした海外における支援
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子どもの語りを中心に置いて
子どもの語りを大切にして
というのが一冊を通して貫かれていると感じながら読みました。
専門職はもちろん、子どものまわりにいる身近な大人のだれが読んでもいいように、大人が子どものことを気にかけられるようにーー精神疾患の入り口の情報も含まれ、ひとつひとつのエピソードがコンパクトに刻まれていて、その都度対応のヒントまでがセットになっていて、読みやすいように、という意図を感じました。
さらに、社会的な状況や最近の制度・法改正のこと、海外(ドイツ)の情報、日本の資源の情報まで、内容はとても包括的です。優しさと聡明さが詰まった一冊。支援者必携。
博士論文から、だれもが読める本として、世に出してくださってありがとうございました。
この本とあわせて、親が精神疾患をかかえる子どもひとりひとりのストーリー・体験談をいくつか読むと、さらに理解がひろがるのではと思いました。
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先日、田野中さんと中央法規出版のみなさんがぷるすあるはの事務所にきてくださったとき、無理をお願いして動画メッセージもいただきました。ありがとうございました。
担当編集者の中村麻由子さんにも、本についてお聞きしました。
「ヤングケアラーと重なる部分もあるけれど、精神疾患のある親をもつ子どもにはちがう困難さがあり、そこに光をあてることに意味がある」という言葉が印象的でした。
作っていくなかで、実際の相談場面からみえるリアルな状況や、著者の田野中先生の想いが伝わってきたとのこと。
「読みやすさにもこだわった本です。幅広く、地域の支援者の方へーー職種にとらわれず、子どもの周りの身近な人に読んでほしいと思います。」

関連ページ
動画&解説ページ「親が精神障害 子どもはどうしてんの?」
たのなか先生が出演!解説ページも書かれています。
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絵本『悲しいけど、青空の日』
(文・絵:シュリン・ホーマイヤー,田野中恭子訳,サウザンブックス,2020)

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パンフレット&Webサイト
It’s your time あなたの大切な時間 精神疾患の親をもつ子どもたちへ |CAMPs(キャンプス)
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