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Q49. 男の子同士の友達関係ーゆるゆる子育て実践編

Q49. 男の子同士の友達関係ーゆるゆる子育て実践編
2023年3月20日 office

ゆるゆる子育てを担当している公認心理師・臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。

 

質問タイトル:男の子同士の友達関係
年れい: 小学1-3年

質問内容

 

保育園からずっと仲良しで2年生始まりの頃までずっと一緒だったのですが、ある日突然に仲良しの男の子が息子の一つ一つの言葉が傷つくようになり距離を置かれてしまいました。あたしは息子に自分が言われたら嫌な気持ちになる事とかを説明し長い目でそのうち分かるだろうと思い見てきました。けれど、学校でもふいにバカだったり下手くそとか息子が突発的に言ったりして仲は縮まるどころか離れていき、息子は遊んだりもしたいけど中々僕を見てくれない。その友達がいる所に入っていくことすらできなくなり新しい友達と遊んだりとかしてますが、息子はやはり仲良しだった友達と仲良くしたいみたいでなんでかは分からないですが突然その仲良しの子の名前を使ってよく遊びに来る子の家の前にいんしつてきな手紙をはったりしてまして。子供にはしっかり話しをして反省もし友達にも謝罪をしました。子供だから許せる事であるが大人になると大変な事。一年生の時は毎日のように先生から電話が鳴ったりとあったが親の言う事理解できるようになり頑張っているようにも見えたんですが、。
これから息子にどんな感じで声をかけて楽しい学校生活楽しい友達との付き合いを教えたらいいんでしょうか。。

 

おがてぃの回答

 

ご相談ありがとうございます。
相談者さんとしてもどのようにお子さんに関わったらよいのか、あるいは見守ったらよいのかとても悩まれただろうなぁと思いました。人間関係は当人同士の感じ方もあるので、一概にどうすればよいということはなかなかアドバイスしにくいのですが、いくつか自分だったらこうするかなぁと考えたことをお伝えできればと思います。

 

まず、今回はお子さんの発言や行動が、お相手を傷つけてしまっており、それが要因となって遊べなくなってしまっているので「なぜ、お子さまはその発言や行動をしたのか?」を理解するところから始めるかと思いました。

 

それは、例えば、学校でふいにバカとか下手くそなどを言ったりするのはなぜかということを理解するということになります。理解をするためにはその前後にどのようなことがあったのかを知る必要があり、例えば遊びたいお友達が他の友達と仲良くしていたので、気を引こうと思って言った可能性もあれば、そもそもバカとか下手くそということ自体が遊びの延長で楽しいと感じている可能性もあります。また、その他として自分がバカにされたと先に感じていて、その仕返しとして言っているなど、その発言や行動をどうして取ったのかによって、その後の理解の促し方が変わってくるので、まずはそこを理解したいなと思いました。
そのように考えると他のお友達の名前を騙って手紙を貼るというのも非常に気になる行動であり、どのような意図があるのかを知ることがまずは大事かと思いました。

 

上記のようにその理由を知った後、その次にすることとしては「別の発言や行動を提案する」ということになります。
お子さんもできればトラブルなく過ごしたい、仲良く遊びたいという気持ちがあるのだと思いますが、一方でどのような行動をとったらよいのかがわからない、あるいは身についていないということがあるのだと思います。また、もしかしたら間違って学んでいるということもあるかもしれません。間違って学ぶというのは、この場合だと「友達の注目を得るためにはバカと言った方が良い」といったような学びで、実は短期的にはその願いは叶っているのでなかなか行動が改められないということになります。時々好きな子にいたずらをするお子さんがいるのですが、それはそうやって注目を得たいという「長期的にみると損をする行動」が身についていると理解できます。
なので、その場合は「より適切な行動を教えて、習慣化させる」ということが大事なので、何をどうしたいのかを理解したうえでそれがかなえられる別の発言や行動を提案できればと思いました。

 

別の発言や行動を提案した後でした方が良いのは「良い発言や行動をとっているときに誉めてあげる」ということになります。子どもというのは自分の行動を自分で振り返ることがあまり得意ではないので、外部の人からの反応で自分の立ち振る舞いを理解していきます。なので、良い行動をとっているのかどうかを自分だけで判断することは難しいので、側にいる人が「〇〇って言ってくれてうれしかった」「××という関わりはとても良かったと思う」と伝えてあげると、お子さんも納得してその行動をとりやすくなると思います。
要は振り返りというかフィードバックをするということなのですが、なるべくポジティブに伝えた方がお子さんもうれしくなってさらにその行動をとり続けようとしてくれるかと思います。なので、良かった行動に対してはほめたり、ハグしたり、グッドサインを出したりなどしながら伝えていけるとよいと思いました。
学校でのお友達との関わりなのでなかなかその場ですぐに伝えることは難しいかと思います。ただ、普段の家庭でのやりとりや時々話される学校での話などを聴いた際にそういったことを伝えていくだけでも変化はあると思います。

 

ちょっと余談になりますが、なんだかんだ言って学校からの連絡というのはだいたい何か問題があったときに来ることが多いので、お子さんは問題だらけなのではないかと思われがちなのですが、それなりに過ごしているときも必ずあり、そしてそのそれなりに過ごせていることを学校から保護者にフィードバックされる機会は少ないです。だから、つい子どもは良くない行動ばかり取っていると理解しやすくなる傾向があります。なので、お子さんの良い発言や良い行動はなるべくひろってポジティブに伝えてあげて、お子さん自身が「なんだ、おれだってやればできるんだ」と感じてもらえるよう伝えていけるとよいかと思いました。

 

お子さんの悪い言動を知ると親としてつい叱りたくなってしまいますし、そういう気持ちになるのも親としては自然な感情かなと思います。ただ、一方で叱ったとしてもそれで行動が改まるかというと別問題なので、お子さんが理解し、言動を変えられるように上手く伝えていければと思いました。

 

おがてぃ
普段は民間企業で心理職として仕事をしています、3児の父です。
公認心理師。臨床心理士。

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