「子ども情報ステーション by ぷるすあるは」精神障がいやこころの不調、発達凸凹をかかえた親とその’子ども’の情報&応援サイト

「ヤングケアラー関連の本棚」ぷるす文庫だより(2022年6-7月)

「ヤングケアラー関連の本棚」ぷるす文庫だより(2022年6-7月)
2022年7月5日 office

2022年6月、大宮は氷川参道沿いにあるシェア本棚「ハムブック」に、「ぷるす文庫の分館」をオープンしました。
ぷるすあるはの絵本と、数ヶ月ごとにテーマを決めて本を並べる本棚です。
最初のテーマは、ヤングケアラー関連の本です。
本のリストと、ミニコラムをつけた「ぷるす文庫だより」も発行しています。


「お母さんがうつ病になったの…」
というプルスアルハ最初の絵本を、ゆまに書房から出版したのが2012年。その頃は、ヤングケアラーという言葉を知りませんでした。10年後の2022年。メディアで取り上げられる機会も増え、国や自治体、民間団体の支援の動きも加速しています。

 

NPO法人「ぷるすあるは」は、「親が精神疾患を抱えている子どもたち」を応援しています。ヤングケアラーと重なるところもあり、重ならないところもあります。ヤングケアラーさんたちが、ケアをしている相手は、親だけでなく、祖父母やきょうだいのことがあります。抱えている事情も、身体疾患、知的障害、発達障害、認知症、あるいは病気や障がいではなく、幼い、高齢といったこともあります。
ヤングケアラーについての調査が、研究者や国、自治体で行われるなかで、このような状況が少しずつ明らかになってきました。
埼玉県の高校生の調査(2020)では、ヤングケアラーさんが、4%くらい。 クラスに1-2人くらいいることになります。その中で、ケアの相手が母は24%(そのなかで精神障がいが19%)、父は11%(15%)でした(複数回答あり)。

 

ケアというと、介護や家事をイメージしやすいですが、「感情面のケア」もあります。元気づける・話しかける・見守る・外に連れ出したりするなどで、ケアの相手が精神障がいのときに多くなっています。ほかにも、医療的ケア、働いて家計を支えている、通訳を担っているなど…。
ヤングケアラーとひとことで言っても、相手も、状況も、ケアの内容も、子どもの年齢や家族構成も、個別性がとても大きいです。その子どもがどう感じているか、なにを望んでいるか(望んでいないか)もさまざまです。
まずそれを尊重したいと思い、「どんなきもちもあっていい」、というメッセージを大切にしています。

別の視点で、親が精神疾患を抱えている子どもは、みなヤングケアラーでしょうか? …いいえ。
「ヤングケアラー」の言葉の注目から外れる子どもたちも応援したい。
今季の本棚は、タイトルやキャッチコピーの中に、ヤングケアラーの言葉がでてくる本を中心に紹介していますが、そんな視点とともに、手にとっていただけたらと思います。