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聴覚過敏のチアキが苦手な「オンライン会議」をのりきる工夫

聴覚過敏のチアキが苦手な「オンライン会議」をのりきる工夫
2020年3月18日 pulusu

新型コロナウイルスの影響で、会議やイベントや学びの機会で、オンライン化が進んでいるように思います。必要、必然の流れかと思いますが、実は感覚過敏もちのチアキはオンライン会議が苦手…。
このコラムでは、チアキの感覚過敏のなかでも聴覚過敏の特性を紹介しながら、特性に配慮したオンライン会議の工夫を考えます。

*感覚過敏とひとことでいっても、個人差がとても大きいです。今回のコラムはあくまでチアキの場合の前提で読み進めてください。

まず、チアキの聴覚の特性から。
大きい音というよりも特定の音が苦手です。

 

その1  閉鎖空間の不協和音が苦手(ブーメラン)

 

聴覚過敏というと、大きい音、運動会のピストルの音…そんなイメージもありますが、チアキの場合は、屋外で音が外に抜けるところは案外大丈夫です。花火大会も見に行けるし、渋谷のスクランブル交差点も、音に関してはものすごく苦手ということはないです。
だけど、閉鎖空間だと、壁にあたって跳ね返るの音を拾ってしまうようで、その音同士があわない不協和音だと、その場にいられないくらいしんどくなります。

 

 

教室のざわざわとした声が反響するイメージ。
声がブーメランみたいに跳ね返ってきて耳が痛くなって、気持ち悪くなる。集中できない…。

 

必ず起きるわけではなく、場所(空間のつくり)によってもちがったり、その場にいる人の声の組みあわせもあるみたいです。
声と声の組みわせ?
例えば、AさんとBさんの会話は大丈夫だけど、AさんとCさんの会話・声の重なりはあかん→ 聞き取れないとか、その場にいられない、が起きることがあります。
これは、耳栓というわけにもいかず、対処法が見つけにくいです(耳栓の話は追記に)。
多人数のときに起きやすいですが、目の前の1人の人と話していても、まわりのざわざわが跳ね返って聞き取れないことがあります。場所をかえられるなら、まわりのざわざわがない、静かな場所へ移動して対処します。

 

 

その2 電子音、機械音や機械を通した音が苦手

 

換気扇とか、エアコンの音がしてると、なんか疲れるなーというのがあって、音が消えると、はーーっと安堵[あんど]します。締め付けのきつい服を脱いだときみたいなかんじで。電子音、機械音、苦手です。
昔、ワンルームの部屋に住んでたときに、冷蔵庫のブーンという音が耐えられなくて、ある夜、ガムテープでぐるぐる巻きにしたことがあります。かすかな隙間もなくせば音が消えるのではと思ったのですが全然効果なく……。それくらい気になることで、このときは、玄関に冷蔵庫を移動させて、ベッドとなるべく物理的な距離をとりました。次からは、キッチンと寝るところがわかれている物件を必ず選ぶようにしました。部屋と家具の配置は大事。物理的な工夫では、エアコンだと、必ず「音が静か」の設定に切り替えるなどもあります。

 

そして、マイクの音割れやパソコンを通した音がとても苦手です。
マイクの音割れは、マイクの音量をあげると、ある一定のところから急に音割れがするときがあります。音量はなるべくおとす方がほっとします。

 

「機械を通した音で複数の声が重なる状況」
オンライン会議はこの2つが組み合わさって最強

 

ここまでの説明で、オンライン会議の苦手さはイメージしてもらえると思います。便利やと思いますが…
一対一ならまだ比較的マシですが、それでも機械を通すので、聞き取りにくいし疲れます。そして、何人もで話をすると、声が重なり、音割れがして、耳が痛くなって疲れて、そして「聞き取れない」が頻繁に発生します。

 

ききとれない…(><)

イヤホンを試してみたけど効果ありませんでした。
視覚情報もない/へるので、誰が話しているか、どんな表情や間合いなのか、といった音以外の手がかりがないことも、会議についていくことを難しくします。
文字起こしアプリも入れていますが、音声がよくないと正確度がもうひとつで…(これからのデバイスの進歩に期待です!)

 

こんな工夫、配慮があるとありがたいです


 

1.資料の用意

聴覚情報を補うもの。事前に目を通せるとなおありがたいです。

 

2.会議中にリアルタイムで議事録メモを画面共有

これはほんとに助かります。ポイントだけでも文字で共有。

 

3.通訳役の人が隣にいて必要時補足

聞き直してもよい人に聞き直してます。手軽にできる工夫です。
ときどき、会議のポイントの整理、理解の確認があると助かります。

 

4.そもそも共有するパソコンの数を少なくする

一台に複数の人で。
(マイクが遠くなる、表情がみられないが生じますので、メリットデメリットを天秤にかけつつ…)

 

全部が聞こえないわけではないので、聴覚情報以外の手がかりが少しあると、ついていきやすくなります。聞き漏らしたことがあるかも…と結構不安になるので、大事なことは文字で残してもらえると安心です。
状況によってどうにも聞き取れないときは、会議に無理に参加せず、別の方法で議論を共有、参加するのもひとつの方法だと思います。というのも… 結局、聞き取れていないので、わからないのにわかったことになるのもよくないですし… わからいところは質問してと言われても、なにを聞いていいかわからなくてどうしようもないです。

 

オンライン会議が聞き取りにくい人がいるかもの視点と、聞き取れないときに聞けるような雰囲気、共通認識をもてることが、まず大事かもしれないと思いました。
これからどんどん進むと思われるオンライン化に向けて、ご協力よろしくお願いします。長文最後までお読みいただきありがとうございました。
チアキ

 


 

追記1)
チアキの聴覚過敏対応アイテム→『使い捨てもできる耳栓』
ノイズキャンセリングは、ノイズを打ち消す音が苦手で、つけられないです。イヤーマフは、ホールド感が強くて窮屈で苦手です。(音の遮断力が優れているので、それを求めている人にはよいですが、チアキは無音になることは求めていないです)
物をなくしやすいのもあって、高価なものよりも、100円ショップにもあるような、使い捨ての耳栓が気軽に使えて、調節もしやすくて(両耳、片耳など)、自分には合っているようです。いろいろ試した結果です。
その人にあったアイテムはさまざま。アイテム探しは、実際につけて試してみるのが大事です。

 

追記2)
機械音が苦手→自然の音ならよいのか?
そうでもないみたいです。
せせらぎの音で癒されるロッジに泊まったときに、うるさーいとなりました。自然の音でもうるさいものはうるさい、あかんのはあかん、です。いろいろ経験値をためています。

 

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