(2019年12月小平市で行なった展覧会の展示作品とことばです)
ぐるぐる
君の名はぐるぐる
生と死の真ん中はなにかをいつも考えてる
哲学者のような子
迷ったときには
石の声をきき、風の声をきき、水の音をききながら
その日その日をやりすごす
川の水の冷たさで生きてることを感じる
大人は簡単に
明日はある、夢見ていいよって言うけれど
そんな簡単なことじゃないってぐるぐるは知ってる
大人のこと
よく見てるし、よくきいてるし、感じてるから
子どもの声をきいてほしい
だけど…言えないから…石、風、水に問う
ぐるぐるは生きることをがんばってる
ぐるぐるの子どもじかん
君の名はぐるぐる
ぐるぐるは生と死の真ん中はなにかをいつも考えてる
哲学者のような子
ぐるぐるにも気をゆるしているときがある
石を踏んだときの跳ね返りの音
ぽわーん
って弾んだ音をきいてにっこりしてる
帽子は安心アイテム
音や光やいろんな刺激から守ってくれる
ぐるぐるだって笑う
大人には見せない顔をして
ぐるぐるがぐるぐるでいられる時間
子どもが子どもでいられる時間
ぽわーん ぽわーん
未来へゴー
春の景色はまぶしくてクラクラする
ぐんぐん伸びる若葉や花たちに降り注ぐ光がキラキラ乱反射して
朝、昼、夕と同じ道を歩いてもいつもちがう道を歩いているみたいな錯覚
脳がグラグラする
それでも木や草花たちに目を奪われてきれいな世界に立ち止まる
あるときこの世界を描いてみたら
隣り合う色の美しさに惹きつけられていつの間にかドットの絵になってた
クラクラするチアキの視覚の世界は
だれかにとっては未来へつながる光の世界に
ふしぎやなあ
デビルエンジェル
子どもは天使?
子どもだって天使ばかりじゃいられない
子どもが子どもでいられる時間
天使の役割なんか忘れて
大人の期待なんかさよなら
子どもでいられる時間は子どものもの
生きるエネルギーに変換して
飛び立てデビルエンジェル
見えない包帯 みえますか?
見えない包帯は
落ち着かない家の中を
サバイブする子どもの工夫
傷ついた心をグルグルといて
バレないように、傷つかないように・・・
包帯は大人の目には見えないけど
包帯の存在を信じない大人のことは
子どもの目にはよく映る
あなたの目には
見えない包帯 みえますか?
宇宙船
鳥は宇宙船
宇宙船は、子ども情報ステーション
たくさんの子どもたちを乗せて
宇宙船はいく
だだっぴろい宇宙で迷子にならないように
ここにきたらエネルギーをチャージできるよ
子どもたちが、大切にしていること、たくさんのスキのカケラ
生きるための情報といっしょに
進んだり戻ったり寄り道したりしながら
今日を生きぬいて、明日へ、未来へ、飛び立ってほしい
見えない有刺鉄線
(『生きる冒険地図』表紙)
社会の差別や偏見
光のまん丸は子どもたち
差別や偏見はなくなることはないけど
子どもたちが有刺鉄線のこっちとあっちを
自由に行き来できたら
どんなに素晴らしいやろう
表紙の手描き文字の
表の横書きは、古く大切に受け継がれてきたように
裏の縦書きは、下に地図がどんどん広がっていくように
有刺鉄線で張り巡らされた社会の中でも生きぬく力を
「生」の太い縦の棒にこめて
文字のひとつひとつにストーリーをのせて描く
見えない有刺鉄線はすぐにはなくならないけど
こっちとあっちのスキマが少し広がったら…?
有刺鉄線の向こうには広い世界が待ってる
コンパス
生きる冒険地図のMIRUとIRU
いろいろな事情でまわりに頼れる大人がいない子どもたち
ほんとはどの街にも
どのクラスにもいるけれど
大人が見ようとしなければ見えない
いると信じなければいない子どもたち
MIRUの3つの目は
2つの目で現実をみて
もうひとつの見えない目で真実を見きわめる
今日を生きぬくためには差別や偏見をかいくぐらないといけないから
街がある
犬が吠えてる
外野はいつもいろんなことを言うけど…
そんな声なんか気にするな
見えないココロのコンパスは、ふたりの生きる道を照らす
迷ったときには、こっちやでって
どこかに行くだけが冒険じゃない
自分のスキを見つける冒険へ
どんな背景に育つ子どもにも
自分のスキや夢やたくさんの遊び、うれしいを経験して飛び立ってほしい
だれでもだれかのサポーター
沈まないように
ココロがしんどくなりすぎる前に
ちょっとずつ応援する
大きなひとつのカケラはこわれやすいけど
たくさんの小さなカケラは簡単にはこわれない
だれかを想う
たくさんの小さなカケラの集まりで
ふんわりと応援する
だれでもだれかのサポーター