ゆるゆる子育てを担当している公認心理師・臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。
質問タイトル: 人見知りが激しい末っ子の息子について
年れい: 〜3歳
質問内容
9歳長女、7歳長男、3歳次男のきょうだいの母です。
子ども達はみな、人見知りでしたので末っ子の人見知りも仕方ないと思っていますが、末っ子のはひどく、2年間、毎週通っている親子体操にも慣れず困っています。家だと親子体操でした体操をニコニコして取り組んだりするのですが、現地に行くと固まるか、抱っこをせがみ、もっと嫌な時は泣いてしまうことも。
先日は幼稚園の入園まえの面接時に、待っている時からプレッシャーからか大泣きして暴れ、大変でした。
私自身が人見知りがないので、最初は子どもの気持ちがわからなかったのですが、さすがに三人目になり本人が嫌なら仕方ないな、と思えるようになりました。
それでもあと数ヶ月で幼稚園に行くのに、この状況のままで、四月からの精神的な負担が末っ子には大きすぎるのではと心配しています。
おがてぃの回答
メールをくださり、ありがとうございます。
人見知り、これから幼稚園に通わないといけないとなるとなおさら心配だろうなぁと思いました。メールをくださった方もすでにご存じのことかもしれませんが、幼児期の人見知りというのは、ある意味では成長の証とも言われていて、信頼できる人とそうではない人の区別、安心できる環境とそうではない環境の区別がついてきたからこそ、そういった人見知りという行動が出てくると言われています。
ただ、なかなか慣れないということであれば、もしかしたらそういったパターンになっているという可能性もあります。つまり子どもの中に「外に出かけたら、それはもう絶対的に怖くて不安なことだから、お母さんに抱っこしてもらったことがいい」とインプットされてしまっているということです。
そういった場合には、そのパターンを崩していく必要があり、どうするかというと「子どもが安心できる、楽しめる外出先にいく」「子どもが安心できる、楽しめる母以外の大人に関わってもらう」などしていけると少し変わってくるかもしれません。
また、人一倍感覚が過敏でなかなか慣れにくいというお子さんもいます。その場合には人見知り以外に過敏なところがないか確認していき、それに合わせた対応をしていけるとよいでしょう。
大きな音に過敏だったり、たくさんの人がいる場所だと疲れてしまったり、苦手な関わり方があったり…これは子どもだけに限らず、大人にもあり得ることでもあります。もし、そういうことが苦手ということであれば、まずはその苦手なことがない外出先に行って、それから少しずつ「楽しい体験ができる」少し苦手なことがある場所に行けるとよいかもしれません。
メールをくださった方がお子さんと外出した際、外で楽しくしていること、また子どもに安心感をどのように与えるかも大事なポイントになってくるかもしれません。
専門的には「アタッチメント」と呼ばれることになりますが、親は子どもの「安心基地」になると同時に、子どもの探索行動を見守るという、ある意味では矛盾[むじゅん]した関わりをバランスよくこなすことが求められます。
このバランスを取るのがけっこう難しく、子ども成長スピードやその日の体調、周囲の環境や親自身の状態などいろいろなことを気にしながら「今日はこんな感じかな?」と決めていかないといけないので、なかなか一概に「ずっとこう関わっていればいいんだ」と答えを出すことができないのです。
まぁ人間関係の悩みは全般的に絶対的な正解があるわけではないので、当たり前といえば当たり前なのですが…それは大人だけでなく、子どもも一緒ということでもあります。
そんな感じなので、なかなかスッキリとした回答をお伝えすることができないのですが、それでも言えることがあるとすれば、ちょっとずつ外に出て楽しい経験が積めるようにいろいろと試していかれるとよいかなと思います。