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感覚過敏の人にやさしいセミナーイベント・チェックポイント10(チアキ編)

感覚過敏の人にやさしいセミナーイベント・チェックポイント10(チアキ編)
2019年2月16日 pulusu

ぷるすあるはの制作担当チアキは感覚過敏もち。
活動をはじめてから、セミナーなどでお話しさせていただく機会をたくさんいただきました。今回のコラムでは、数々の失敗談もふまえつつ…そういった場面のチェックポイントをまとめました。
4/2の自閉症啓発デーに向けて、発達障害関連の啓発イベントなど、全国で企画されていると思います。登壇[とうだん]してもらう方や、参加される方の中にも…感覚過敏っ子(大人)がいるかもしれません。企画する側の人にも参考になれば幸いです。

 

*感覚の特性は個人差が大きいです。今回はあくまでチアキの場合です。

 

(視覚過敏にかかわること)

 

1. 照明

 

最重要チェックポイントです。
スポットライトの直撃は絶対にさけます。
セミナー内容に支障[ししょう]のない範囲で、なるべく暗めになるように、会場の全体の照明でどこをつけてどこを消すのかを最初に相談します。

 

2. レーザーポインター

 

とても苦手なので使いません。
揺れる動きを目が追いかけてしまい、酔います。
(動かないポインターならokと思いましたが、それでは使う意味がないとのこと…)

 

3. スクリーン、スライド

 

プロジェクターの光源が目に入らない配置にします。
ぷるすあるはのスライドでは、スライドのアニメーション効果は使いません。これも酔います。
スクリーンに映写されているスライドは、あまり読めないのが正直なところです…。
(そもそも光の映写の時点でまぶしくて文字など見にくいですし、パソコンとちがって、自分で角度や明るさを調整することもできません。講演のスライドが全然読めない人がいる、ということは、心にとめておいてください。)

 

4. 配布資料

 

これは、主に参加者の立場のときの話ですが、3で書いたとおり、スライドは読めないことが多いので、配布資料があると助かります。
見やすいテキスト、見にくいテキストについては、別コラムでまとめています。残念ながら… 世の中の多くのスライド・配布資料は、鮮やかで、装飾が多くて、読みにくいです…。

 

(聴覚過敏にかかわること)

 

5. マイクとスピーカー

 

これも重要チェックポイントです。
音量は事前に調整できる部分ですので、確認して決めておきます。機材そのものの問題は、なかなか調整できないことも多いですが… マイクのエコーや、左右のスピーカーの不協和音など、結構つらいことがあります。調整できる部分は調整しておきます。

 

6. BGMなど

 

プログラム前に会場にかかっているBGMの音量にも注意です。

 

そのほか、席のすぐ後ろがエアコン、ということがあって、「ファンの音」がしんどかったことがありました。地味にこれも気をつけています。

 

(嗅覚過敏にかかわること)

 

7. お花

 

ユリのにおいが苦手なのですが… 立派な演台に立派なユリが…
たいへん伝えにくかったですが、場所を変えてもらいました。
お礼にいただいたお花、帰りの車で窓全開で帰ったことも(もうひとりの方は大丈夫なのでありがたく飾らせていただきました。)

 

(味覚や口腔内の過敏にかかわること)

 

8. 打ち合わせのお弁当

 

最初からお断りしたり、「食べていなくても気にしないでください」と伝えています。いい弁当だったりするので、申し訳ないですが…。
感覚過敏だけでなく、食事をとりながらの打ち合わせは、難易度が高い人が結構いるのでは?、と思います。

 

(触覚過敏にかかわること)

 

9. スリッパ

 

番外編… くつを脱いであがる場所で、とても苦手なスリッパで、さらに階段を上り下りするという、かなり難易度の高い場面に遭遇[そうぐう]したときに…気持ち悪すぎてスリッパをけり飛ばしてしまいました。以後、はかずに手に持つようにしています。

大の苦手なタイプのスリッパ
↓↓

 

 

(そのほか)

 

10. クールダウンスポット・タイム

 

ちょっと早めに行って、ひとりになってクールダウンできるスポットを見つけておきます。
ずっとついてきて案内してくださる担当の方もおられるんですが(とても親切ということなのですが…)、ちょっと一人にさせてください…探さないでください…というときもあります。○時にココに戻る、と決めてフリーに、などできるとありがたいです。

 

さいごに

 

これは参加者として考えても、見通しがあるとありがたいです。
例えば、プログラム全体の見通し。内容や休憩時間など、資料にわかりやすく入っていること。
例えば、照明がつく、照明が消える、音が入る、音楽がかかる、こういった感覚の刺激があるときに、事前のアナウンスが入ること。
「照明がつきます」「音ありの映像です」といったアナウンスがひとこと入るだけで、心づもりができます。あるいは、目をかくして備えることもできます。
最初に「気分が悪くなったときなど、自由に退出、出入りしていただいて大丈夫です」のことばがあると安心です。

 

以上、10のポイントを書きました。
一番大切なポイントは… 率直に話し合えることかなと思います。
ここにあげたことは、へえーそういう視点もあるのかーと参考程度に。
全部を先回りで配慮するのは現実的ではないですし、苦手も工夫もひとりひとりちがいますので、どんな工夫があるとよいか、いらっしゃる方と話せるとよいと思います。少しでも参考になれば幸いです。
これまでのセミナー・イベントで数々のご配慮をいただいた企画者のみなさま、ありがとうございます!

 

*こちらもあわせてご覧ください ↓↓

》視覚過敏の人でも見やすいフォント選び・資料やスライド作成のコツ(チアキ編)

 

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