ゆるゆる子育ての担当:心理士おがてぃです。
今回のテーマは子育てからは少し離れて…「感覚過敏」について。ぷるすあるはでは旬なテーマです。みなさんの体験談[みんなの感覚過敏]もいろいろな意見があって興味深かったです。
普段の相談業務の中でも「感覚過敏で困っている」という話を良く聞きます。聴覚や視覚だけでなく、触覚過敏で困っていることも多く、なかなか対処が難しいのが現状です。
音への過敏さは耳栓やイヤーマフ等が対処の基本、光のまぶしさはサングラス等、物理的にどうするかという対処を進めることが多いのですが、なかなかそれだけでは追いつかないことがあります。
以前相談されていた方の中には「水にあたる感覚がダメ」と話していて、食器を水洗いすることが苦手で、どうしても洗い物が溜まってしまうと悩んでいました。
最終的にはお金を貯めて食器洗い機を買いましょうというところになったのですが、ホントに日常生活で困るよなぁと思いました。
そんなとき、自分の尊敬している作業療法士さんから「感覚統合療法」というリハビリテーションのお話をうかがう機会がありました。感覚というのは脳の中で 処理されるモノで、外からの刺激が上手く処理できないことからいろいろな不都合が生じるので、上手く処理できるように刺激を選んで提供したり、運動の中に 取り入れたりするというモノでした。
その中で感覚には「原始系」と「識別系」の2種類があるという話がありました。
★原始系:刺激に対して防衛的に働くのが「原始系」
→例)嫌な感覚が生じてその刺激を避けようとする
★識別系:物の形や大きさ、素材等を触って弁別するのが「識別系」
→例)ポケットの中に何があるのか手で触ってわかるようなこと
「識別系」が発達すると「原始系」が押さえ込まれるような働きがあるそうです。
「お化け屋敷みたいな暗いところで、突然首筋にこんにゃくみたいなのがさわって触れるのと、明るい場所で「これから首のところにこんにゃくをあてます」と言われてから触れるのでは、感じ方が違う」という説明がありましたが、これがなんとなく腑に落ちた感じがしました。
そういえば、発達障害の子たちも、普段苦手な刺激でも自分から主体的に触りにいく時には案外大丈夫だったり、あらかじめどんなことをするのかよく説明して予告しておくと平気だったりすることがあります。
それは感覚統合の観点からすると「あらかじめ何が触るのか、どんな刺激が来るのか予測しておくと脳の方が準備をして感じ方が変わってくる」ということになるのかと思いました。
まぁ自分から嫌な刺激に無理に触れることはないと思うのですが、あらかじめどんな刺激がくるのか自分なりに整理しておくと、少しはマシになるのかなと思った次第でした。