家庭内不和をテーマとした絵本です。キーパーソンは保健室の先生。どこかに行くだけが冒険じゃない。
あらすじ
主人公リクの家では、お母さんとお父さんのケンカが絶えません。ケンカを留められないのは、自分のせいかもと感じて、悲しくなっています。叩かれて、はれてしまった顔のことを、先生に聞かれても、お母さんが怒られると思いウソをつきます。ある日、お腹が痛くなっていった保健室で、先生は何も言わずに、リクを温かく受け入れます。やがて少しずつ話をするようになる2人。両親のケンカはリクのせいではないことを先生が教えてくれます。
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巻末には大人向けの解説つき
どんな気持ちも大切な気持ち/うちあけるペースを大切に/「よく話してくれたね」のひとことを/子どもと作戦会議を ほか
絵本を特におすすめしたい方
養護教諭、スクールカウンセラー、教員、相談機関、医療機関、図書館(小中高校/大学/公共)、子育て支援に携わる方 など、子どもにかかわる全ての方が絵本の対象です
推薦文 犬塚峰子先生(児童精神科医/大正大学人間学部臨床心理学科)
親同士のけんかや暴力は、子どものこころを深く傷つけ大きなかなしみをもたらします。そして、自分が親の笑顔を引き出さなくてはいけない、だって自分のせいでこうなっているのだからと、出口のない孤独な努力にこころとからだをすり減らし、自尊心がそこなわれていきます。この絵本では、傷ついたボクが迷路から抜け出し、「ボクがボクである」ことに向かって歩み出すようすが、繊細な絵と言葉で描き出されています。
ボクの力をパワーアップしたものは何でしょうか。答えは絵本の中です。
ヒントは、はちみつ入りのホットミルク。もう少し言ってしまうと、だまって頭をなでてくれる手、「ボクの好き」を見つける冒険。そして相棒ソラ。
関連絵本
プルスアルハ著/ゆまに書房
・子どもの気持ちを知る絵本
①わたしのココロはわたしのもの ─不登校って言わないで
②ボクの冒険のはじまり ─家のケンカはかなしいけれど…
・家族のこころの病気を子どもに伝える絵本
①ボクのせいかも… ─お母さんがうつ病になったの─
②お母さんどうしちゃったの… ─統合失調症になったの・前編─
③お母さんは静養中 ─統合失調症になったの・後編─
④ボクのことわすれちゃったの? ─お父さんはアルコール依存症─