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【リンク集】 トラウマ、トラウマインフォームドケアについての情報

【リンク集】 トラウマ、トラウマインフォームドケアについての情報
2022年1月12日 office

【リンク集】 トラウマ、トラウマインフォームドケアについての情報

 

非常に大きな精神的ショック、恐怖をともなう体験があると、人はだれでもこころに深いケガを負ってしまうことがあります。そのような「こころのケガ」をトラウマ(心的外傷)と呼びます。
自然災害や、事件や事故、性的暴力など、一回の出来事のこともあります。虐待、DV、いじめなど、何度も繰り返され、逃れられないような出来事や状況のこともあります。本人が直接体験したことだけでなく、身近な人が傷つけられるのを目撃することなどもふくまれます。
こころのケガは、からだのケガとちがい、本人にも、まわりにも見えにくいものです。そして、過去のトラウマ体験が今に影響していることがあります。

 

トラウマインフォームドケア(TIC:Trauma Informed Care) /トラウマインフォームドアプローチは、こころのケガについての知識や対応を身につけ、「トラウマがあるかもしれない」という視点をもって対応していく枠組みです。医療、教育、福祉、保健、地域など、こころのケガをした人に関わるすべての人が対象になります。

 

TICの広がりの背景のひとつには、「小児期逆境体験(ACEs:Adverse childhood experiences)研究」の知見があります。ACEsは18歳までの虐待や家庭環境の困難な体験で、実は多くの人が逆境体験を経験していること、逆境体験の数が多ければ多いほど、行動面、精神面、身体面の問題を抱えやすくなることがわかっています。逆境体験がすべてトラウマになるとは限りませんが、トラウマを理解して対応していくことの必要性が認識されるようになってきています。
また、医療、学校、公的機関などが提供するサービスや対応によって、過去に深刻なトラウマを体験した人が再トラウマを負うようなことや、それ自体がトラウマを引き起こすことがあることも指摘されています。
TICでは、こころのケガをあつかう支援者、組織のありかた、安全や安心を守ることについても触れられています。

 

このページでは、トラウマインフォームドケア、トラウマに関する心理教育についての情報を紹介します。ウェブサイト、ダウンロードできる資料、書籍など。子どもを中心に、成人にかんするものものせています。

 

更新日 2023年11月

兵庫県こころのケアセンター

》センターのページへ
「こころのケア」に関する調査研究、人材育成・研修、相談・診療、情報の収集発信・普及啓発、連携・交流など、さまざまな機能をもつ専門拠点施設です。

トップ>支援者向け資料
子どものこころのケアに役立つ資料

子どものPTSDのアセスメント
子どものトラウマへの心理教育
TF-CBT トラウマフォーカスト認知行動療法
子どもの心的外傷性悲嘆*
トラウマインフォームドケア
トラウマと発達障害

の項目があります。(*外傷性悲嘆は、とてもショッキングで恐怖を伴うような状況で、大切な人を亡くしたときに認められる反応のとこです)

【以下、ページの内容や素材の一部を紹介します】

「子どものトラウマへの心理教育」のページでは、絵本と冊子が紹介されています。

[絵本]
・子どものトラウマ治療のための絵本シリーズ(誠信書房)4冊

「トラウマインフォームドケア」のページより。

[ガイドブック 23ページ]
・SAMHSAのトラウマ概念とトラウマインフォームドアプローチのための手引き

米国保健福祉省薬物乱用精神保健管理局(SAMHSA)作成。
兵庫県こころのケアセンターと大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンターにより翻訳(2018)
トラウマインフォームドケアの基本概念がわかりやすく解説されています。

 


子どもの性の健康研究会

》研究会のページへ

「子どもの健康的な発達や成長を支えていくために、おもに性の健康(セクシュアルヘルス)の観点から、子どもへの教育や支援などのありかたを考える研究会です(since 2009)。子どもの性の健康を守るために、子どもや大人向けの心理教育や性教育の教材を作成し、情報提供をおこなっています。」
サイトは平成30年~令和2年度文部科学省科学研究費助成事業(基盤研究(C))「子どもへの性暴力に対するトラウマインフォームド・ケア/システムの開発」(研究代表者 野坂祐子)により作成・運営)
(サイトより引用)

リーフレットダウンロードコーナーが充実しています。
性暴力・性的搾取に関するもののほか、トラウマに関する素材も掲載されています。

【以下、ページの内容や素材の一部を紹介します】

[小冊子 20ページ]
・『わたしに何が起きているの? 〜自分について もっとわかるために~』[改訂版]

(平成30年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業「児童自立支援施設の措置児童の被害実態の的確な把握と支援方策等に関する調査研究」により作成。平成29年度 同研究による成果物を評価研究によって一部改訂。)

虐待や逆境的な家庭環境によるトラウマから、問題に思えるような行動や不適応を示すようになった子どものための小冊子です。「こころのケガ」であるトラウマを受けるとどうなることが多いのか。そして、そうした苦痛への対処法が次第に行動の悪循環を生じさせてしまうことを説明しています。
小学校高学年くらいから高校生が主な対象です。
丁寧な支援者用ガイド(28ページ)があり、子どもへの心理教育に取り組む前のオリエンテーション、冊子のページ毎の解説などが示されています。

[パンフレット4ページ]
・こころのケガをトラウマのメガネで見てみよう ~養護教諭のためのトラウマインフォームドケア~

(令和2年度科学研究費助成事業「子どもへの性暴力に対するトラウマインフォームド・ケア/システムの開発」により作成)

学校でできるトラウマインフォームドケアについて、養護教諭が関わることの多い例を挙げながら説明しています。

 


 

TICCこころのケガを癒やすコミュニティ事業

》ページへ

TIC、子ども時代の逆境的体験、トラウマ反応(大人)についてのイメージをつかめるサイトです。

[パンフレット 4ページ]
・「視点を変えよう!困った人は、困っている人」
》紹介ページへ

・「問題行動の背景をトラウマの視点から考えてみよう」(学校で日常的にみられるトラウマについて説明する小冊子)
》紹介ページへ

(JST-RISTEX プロジェクト「トラウマへの気づきを高める”人・地域・社会”によるケアシステムの構築」の発行物)

 


 

国立成育医療研究センター
>子どもの心の診療ネットワーク事業

》ページへ

「災害と子どもの心」のページに、ご家族向け、支援者・専門家向け資料が掲載されています。

【以下、ページの内容や素材の一部を紹介します】

[冊子 32ページ]
・こころとからだのケア~こころが傷ついたときのために~第2版

(平成22年度厚生労働科学研究費補助金により作成 第2版国立成育医療研究センターこころの診療部 発行)
「子どものみんなへ」「保護者の方へ」の内容が入っています。

[ガイドライン 40ページ]
・子どものトラウマ診療ガイドライン

(平成22年度厚生労働科学研究費補助金により作成 第3版国立成育医療研究センターこころの診療部 発行)
専門家向け。

 


ぷるすあるは

》心理教育絵本『こころにケガをしたらートラウマってなんだろう?』
物語・子どもと取り組む解説・大人向け解説の3部構成です。
原案・解説:犬塚峰子

》こころのケガ(トラウマ)
絵本の内容に対応したA4*2枚のまとめシートあり。無料ダウンロードできます。

 


 

大阪教育大学 学校安全推進センター

》子どものこころのケア(トラウマインフォームドケア)のページへ

学校関係者向けの子どもへの対応の素材など、ダウンロード素材が充実しています。

 


 

Trauma Lens こころのケガに配慮するケア

》ページへ

科研費事業「精神保健医療福祉施設におけるトラウマ(心的外傷)への対応の実態把握と指針開発のための研究」により、「トラウマインフォームドケア=こころのケガに配慮するケア」について考えるために作られたホームページです。

精神保健医療福祉施設におけるトラウマ(心的外傷)への対応、特に精神科の看護師向けのコンテンツです。動画と勉強会などで活用できる振り返りシート、ガイダンスが掲載されています。
18ページのガイダンス(ダウンロード可)は、TICについてわかりやすく実践的な内容で、医療者でなくても活用できます。

 


 

精神科救急医療ガイドライン2022年度版

》ページへ

第3章 興奮・攻撃性への対応
興奮・攻撃性に関する基本的な考え方として、トラウマインフォームドケアのアプローチが説明されています。全項サイトに公開されています。

 


 

一般社団法人 日本トラウマティック・ストレス学会

》PTSD 初期対応マニュアル:プライマリケア医のために
(第1版、2013年9月6日)

 


 

久留米大学神経精神医学講座

》「心理教育テキスト」のページへ

20をこえる多くの資料が公開されています。

・緊急事態から「脳・こころ・身体」が 回復するしくみ

「主治医「トラウマ体験と関連した症状(PTSD とは限りません)がある」と判断した方を対象として、脳・こころ・身体がどのような 反応を示し、その後どのように回復していくかを説明しています。また、治療については基本的な考え方と実践のヒントあげています。」

・今を生きるヒント

「過去に(多くの)辛い出来事(心的外傷的出来事とは限りません)を体験した方を対象にしています。診断名は問いません。
現在のあなたについて 1) 感情・感情を安定させること 2) 自分に対する考え方 3) 人付き合い の3つのテーマについて取り上げます。」

 


武蔵野大学心理臨床センター

》「一緒にトラウマについて知ろう トラウマ支援コンテンツ」のページへ

「こころの傷つき(トラウマ)に関することを知っていただき、「トラウマについての知識と対処法」を身に着けていただくきっかけとなることを願って作成いたしました。」(サイトより引用)
動画とワークブックから構成されています。おもに大人向け。

[動画(1-4分程度の短いもの6本、日本語/英語版あり)]
・「動画でみるトラウマ反応とケア〜トラウマを知りたいあなたへ〜」
・「動画でみる解離の対処法」

[ガイドブック 44ページ]
・こころの傷つき体験をしたあなたのためのワークブック

「こころの傷つき体験(トラウマティック・ストレス)を受けた方への基本的な関わり方についてまとめたワークブックです。主に心理教育やセルフモニタリングが中心になっており、トラウマ支援の経験がそれほど多くなくても安全に関われる内容となっています。」(サイトより引用)
ワークシートとして部分的に利用することもできます。動画の内容と対応しています。


 

地域(みんな)で支える子どもの回復ネットワーク(Trauma Informed Care for Children in Osaka:TIC-CO)

》ページへ

「平成29-30年度大阪大学「知の共創プログラム」資金による「社会的養護で暮らす子どものトラウマインフォームドケア/システムの構築」に関する研究として運営するプロジェクトです。福祉・医療・心理・教育等、さまざまな領域を超えて、子どもの支援の質を高めるための取り組みを行っていきます。」

 

参考書籍

・トラウマインフォームドケア, 野坂祐子,日本評論社,2019
・こわい目にあったアライグマくん,マーガレット・ホームズ(作),キャリー・ピロー(絵),飛鳥井望・亀岡智美(監訳),一杉由美(訳), 2015
・えがおをわすれたジェーン(子どものトラウマ治療のための絵本シリーズ), ジュリー・カプロー、ドンナ・ピンカス(作),ベス・シュピーゲル(絵),亀岡智美(訳),誠信書房,2019
・物語と、その語り手:考えとこころとからだ:子どものための癒やしとEMDR療法の絵本,アナ M ゴメス (著), 太田 茂行 (監修), 武嶌 波 (イラスト), 大塚 美菜子 (翻訳),スペクトラム出版社,2019
・トラウマの伝え方:事例でみる心理教育実践,大江美佐里(編集), 2021
・被災地の子どものこころケア: 東日本大震災のケースからみる支援の実際, 松浦直己 (編著), 八木淳子,福地成,桝屋二郎(著),中央法規,2018
・子どものトラウマとPTSDの治療:エビデンスとさまざまな現場における実践,亀岡智美 (著, 編集), 飛鳥井望 (著, 編集),誠信書房,2021
・子ども虐待とトラウマケアー再トラウマ化を防ぐトラウマインフォームドケア,亀岡智美,金剛出版,2020
・複雑性PTSDの臨床実践ガイド トラウマ焦点化治療の活用と工夫, 飛鳥井望 (編集),日本評論社,2021
・マイ ステップ:性被害を受けた子どもと支援者のための心理教育,野坂祐子, 浅野恭子,誠信書房,2016
赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア: 自分を愛する力を取り戻す〔心理教育〕の本,白川美也子,アスクヒューマンケア,2016
・子どものトラウマがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版) ,白川美也子,講談社,2020
・PTSD治療ガイドライン[第3版],デイヴィッド・フォーブス (編集), ジョナサン・I・ビッソン(編集),キャンディス・M・モンソン (編集),ルーシー・バーリナー(編集),飛鳥井望(翻訳),亀岡 智美 (翻訳),金剛出版,2022
・トラウマインフォームドサポートブック,大岡由佳(編著),中央法規出版,2023

 

講義

令和3年度第2回子どものこころ診療部セミナー「子どものトラウマの理解とケア」八木淳子先生(岩手医科大学)の講義動画が公開されています
》信州大学web(youtubeチャンネル)

文献

・亀岡智美(2019)逆境的環境で育った子どもへの治療的 関わり:トラウマインフォームドケアの観点から, 児童青年精神医学とその近接領域,Vol.60, No.4, 409-414.

古田洋子 「解離症状の理解」
子どもの虹情報研修センター 紀要 No.15(2017) p53-63
https://www.crc-japan.net/wp-content/uploads/2021/02/%E7%B4%80%E8%A6%81No.15%EF%BC%882017%EF%BC%89.pdf

(平成28年度「施設心理合同研修」の講演をまとめたものです。 生活上どんなことが起きてどのように誤解されてしまうのか、どう対応していったらいいのか、症例を挙げながらわかりやすく説明されています)

》犬塚峰子・プルスアルハ『こころにケガをしたらートラウマってなんだろう?』,ゆまに書房,2023