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Q12.チックや自傷についてーゆるゆる子育て実践編

Q12.チックや自傷についてーゆるゆる子育て実践編
2019年3月7日 pulusu

ゆるゆる子育てを担当している公認心理師・臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。

 

質問タイトル: チックや自傷について
年れい: 小学1-3年

 

質問内容

小学2年生の息子が、幼稚園年中より自傷とチックがはじまりました。
医師にも確認しましたが、チックは指摘しないように言われました。
自傷は痛いと泣きながらも爪かみをやめることができません。
絆創膏[ばんそうこう]をはったり、かみかみぐっずをわたしたりしましたがおさまりません。
学校のイベント前からはじまり、当日がピークを迎えます。
先日、音楽祭が終わったばかりなのに自傷がおさまらないなと思っていたら、学校の個人懇談[こんだん]で「ちょっとしたことでよくなくようになりました」と言われました。
友人とのトラブルが主でドッチボールや掃除のルールを友人が破ることに嫌悪感[けんおかん]を抱いているみたいです。
友人に何回話をしても聞いてくれず、泣いてしまうケースです。
このまま見守るかどうか悩んでします。
ご回答のほど宜しくお願い致します。

おがてぃの回答

 

メールをくださってありがとうございます。
メールを読んでいてさぞご心配されていることだろうと思いました。チックや爪かみといったことは指摘すると余計に気になるので、しないようにというのが一般的なアドバイスになりますが、このお子さんの場合は学校のイベントだけでなく、学校での他のこともストレスになってしまっているのですね。そんな中では学校に通うのも大変だろうなぁと思いました。

 

 

メールの文面だけでの判断になるのでなかなか正確なことは言えないのですが、もし僕がアプローチしていくのであれば、二つの側面から考えていくのではないかと思いました。
ひとつはストレスの元になっているところからのアプローチで、今回のこの子の場合は友人関係になります。ルールを破る友達がストレスになっているので、そのことに対するアプローチですね。
いくつかの案があり、ひとつは友達のことについて学校の先生や相談員さんたちとそのことについて考えていくこと、他には本人とそのことについて話し合うということです。ルールを破ること自体があまりよくないので、友人を注意することは自然なことだと思いますが、現実にはルールを破っても直さない人もいるし、それを受け入れないといけないこともあるかと思います。そういったことを、この子自身がどう受け止めていくかということも、考えていく必要があります。

 

 

もし「そんなことはもうやっているよ!」ということであれば、たぶんやっていたとしても、この子自身と問題に一緒に取り組む協力関係を築くところまでいけていないのではないかと思います。
僕が面接者だったとしたら、この2年生の子と「じゃあそのルールを守らない子が学校でどのくらいルールを守ってないのか観察してきてくれる?」「もし例外的にルールを守ったことがあったら、それも教えて」「君自身がその子と遊ばないようにして、他の子と遊べた日があったらそれも教えてくれない?」など言いながら、一緒に解決していく方法を模索するというスタンスになります。
大事なこととしては「大人側が主になり過ぎない」ことで、子ども自身も問題解決に役立った、何なら子ども自身が解決したという体験になっていった方がその子の力になるし、その後にも活きるからです。

 

 

その上で、そのルールを守らない子自身の課題が大きい場合には、学校側の配慮がだいぶ求められるので、担任や相談員などと一緒に、どうしたら自分の子とその子があまり関わらなくてすむようになるかを、考えていけるとよいかもしれません。

 

 

もう一つのアプローチは爪かみ以外の代替え案を考えていく方法です。
爪かみがストレスの表れであることはメールの文面を読んでいて伝わってくるので、別の方法でストレスを解消していけるようになるというのが目標になります。この場合「何がストレスになっているのか?」よりも「それをどう感じているのか?」という感情面にアプローチしていくことがメインになります。

 

僕の場合だとこのくらいの年齢だったら「快・不快」かあるいは「うれしい・悲しい・怒り・おどろき・いやな気持ち・こわい」といった気持ちについてまず説明し、どんな出来事でどんな感情がわいているのかを丁寧に確認していきます。
特にネガティブな感情は言葉にすることでストレスの解消になることが多いので、丁寧に確認してくことになります。ルールを守らない友達のことで泣いてしまうまじめなお子さんなので、もしかしたら「ネガティブな感情は言ってはいけない」という思いもあるかもしれません。その場合は「むしろそういったことを表現できるのはとても自然なことで、良いこと」と伝えつつ、一緒にネガティブな感情を表現する練習をしていきます。

 

 

上記のようなアプローチをしていくことになるかと思いますが、いずれのアプローチをするにせよ、大事なこととしては「安心感をいかに持ってもらうか」ということが大切になってくるかと思います。
世の中思い通りにならないこと、不安に思うことが多くて、それがストレスになっている。でも、確かに上手くいかないことが世の中にはたくさんあるけれども、案外人生というのはどうにかなっていくし、上手くいくことだってある。そんな風に「ゆるゆる」と思ってもらえるような関わりが必要かなと思います。なるべく日々の生活の中で楽しいこと、ゆったり過ごせることをしながら、取り組んでいけるとよいかなと思いました。

おがてぃ
普段は行政機関で相談員をしています、3児のパパです。
公認心理師。臨床心理士。

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(子育ての質問は、2018年12月にウェブサイトで公募しました。現在、新たな質問は募集していませんm(_ _)m)