精神科主治医のための患者さんの子育て・子どもの支援ツール(3種)
※改訂版を公開しました。より汎用的なものとなっています。
》権利から始まるリソースマップ
①子ども編 ②親編 ③精神科主治医編
患者さんにお子さんがいたらご活用ください。主治医の気づきから支援がひろがります。
1 サポートマップ
主治医にできること(気づく・話題にする、つなぐ、ピンチのときの対応)と、地域のリソースの概要のマップです。
2 主治医の気づきシート・担当患者さんの子ども編
患者さんのお子さんと、直接お会いしたり話をする機会は少ないと思います。このシートは、お子さんの権利や希望、暮らしについて、気づきのヒントにするためのシートです。
お子さんの名前や学年などを書きこめる欄があります。
3 「精神疾患をかかえながら子育てしている親のみなさんへ」
患者さん(親)と一緒に見られて、書きこめるシートです。
希望があれば□にチェックを入れてもらいます。
「いっしょに考えてくれる人」の欄に相談先に記入して、シートをお渡しできます。
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ver.1
制作
チームクリフ
イラスト チアキ(ぷるすあるは)
協力 小野美樹(東京医科大学 精神医学分野)
第120回日本精神神経学会学術総会 一般シンポジウム「患者からその子どもへ:
子どもと親の暮らしをささえる仕組み
(権利から考えるリソースマップ)
精神疾患をかかえる親といっしょに暮らしている子どもさんへ
あなたが自由にすきなことにチャレンジできるために、暮らしをささえる仕組みがあります
C-1 自分のすきな活動で息ぬきがしたい
「休む権利、遊ぶ権利(育つ権利)」
・学校での部活動
・プレーパーク
・児童館 児童育成支援拠点事業(児童福祉法)
・そのほか「子どもの居場所事業」
C-2 世話をしてほしい
「休む権利、遊ぶ権利(育つ権利)」
家族の世話をかわってほしい
(1) 弟妹の世話、遊び相手を変わってほしい
・養育支援訪問事業(育児支援ヘルパーの派遣)
・子育て世帯訪問支援事業(家事支援ヘルパー、相談員)
・放課後等デイサービス(障害児の放課後の居場所、送迎付きあり)
(2) 調子の悪い親の話し相手を変わってほしい
・精神科医療機関
・市町村こども家庭センター
(3) 親の通院等の付き添い支援
・居宅介護(通院等介助)
家事を休みたい
★家事援助(ヘルパー派遣)
・子育て世帯訪問支援事業(児童福祉法)
・障害福祉サービス居宅介護(家事援助・育児支援)
・養育支援訪問事業(育児支援ヘルパー)
・ひとり親家庭等日常生活支援事業(一時的・ひとり親家庭のみ)
・ファミリーサポートセンターでヘルパー派遣がある自治体もある
★食事面の支援
・自治体独自の配食・宅食サービス
・フードパントリー(社会福祉協議会/民間団体)
・子ども食堂(社会福祉協議会/民間団体)
C-3 家以外の場所に一時的に宿泊したい
「個人の尊重、 育つ権利(休む権利、遊ぶ権利)」
★子育て短期支援事業(子どもショートステイ)
乳児院・児童養護施設や里親世帯に一時的に宿泊できます。自治体により年齢要件が異なります。
★子どもシェルター
青少年の子どもが一時的に過ごすことができます。弁護士の支援も受けられます。
★児童相談所を経由した保護(自由に出入りはできません)
・一時保護所
・児童養護施設
C-4 自分の話をきいてほしい
「参加する権利(意見表明権)」
専門家に受け止めてほしい
・スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー
・市町村子ども家庭センター
・(社会福祉法人)児童家庭支援センター
同じ立場を経験した人の話を聴きたい
・ピアサポートの場(対面、オンライン)
C-5 生活に必要なものをそろえたい
「生きる権利(生活保障)」
・就学援助(低所得世帯への学用品等の費用の支給)
・社会福祉協議会の総合相談(生活福祉資金の貸付、バザー用品等の提供、制服やカバンの支給 等、自治体による)
C-6 勉強を教えてほしい、進路・進学を応援してほしい、自由に学びたい
「学ぶ権利、発達する権利」
・小中学校での学習支援、補習事業
・学習支援事業(生活困窮者向け、ひとり親家庭向け等)
・放課後子ども教室
・「子どもの居場所」事業
・教育センター、フリースクール ほか
C-7 親の病気のことや対応について知りたい
・主治医、病院SW
・精神保健福祉センター
・ヤングケアラー支援団体、当事者団体
・民間団体の情報サイト、絵本 ほか
精神疾患をかかえながら子育てしている親のみなさんへ
自分らしい親でありたい、という願いをかなえる仕組みがあります
P-1 家事を手助けしてほしい
「地域社会への包容」
★家事援助(ヘルパー派遣)
・子育て世帯訪問支援事業(児童福祉法)
・障害福祉サービス居宅介護(家事援助・育児支援)
・養育支援訪問事業(育児支援ヘルパー)
・ひとり親家庭等日常生活支援事業(一時的・ひとり親家庭のみ)
・ファミリーサポートセンターでヘルパー派遣がある自治体もある
P-2 お金のやりくりをささえてほしい
「自立生活の権利、地域社会へ包容される権利」
★就学援助
★生活保護
★生活困窮者自立支援制度…家計相談(お金のやりくりの支援)を実施している自治体もあります
★市町村の社会福祉協議会生活福祉資金窓口(まずはお金の相談に乗ってもらい、低利子の貸付が利用できます。返済の相談もあり)
P-3 子どもとのうまいかかわり方を学びたい
「個人の尊厳、親の養育責任」
★親子関係形成支援事業(改正児童福祉法)
・ペアレントトレーニングなどの子育て方法を学ぶプログラムが受けられます
★子育て短期支援事業(ショートステイ)
・親子で施設に一緒に寝泊まりしながら、専門職から子育てのアドバイスを受けられます
P-4 子どもとはなれて、自分の心と体を立て直したい(自分の時間がほしい)
「個人の尊厳」
★数日子どもと離れて過ごす
・子育て短期支援事業(子どもショートステイ)
★日中子どもと離れて過ごす
・一時預かり事業(未就学児の日中の一時保育)
・子育て短期支援事業(トワイライトステイ)
P-5 子育てのなやみ・しんどさをきいてほしい(地域づきあいの悩みを聞いてほしい)
「自立生活の権利、地域社会へ包容される権利」
★学校・園との付き合い方の悩みが相談できる
・市町村こども家庭センター
・地域子育て相談機関(保育所等に併設)
・育児支援ヘルパー(学校や園からのプリントを読み、対応支援)
★ママ友が欲しい(未就学児)
・地域子育て相談機関、子育て広場事業
P-6 どこに相談したらよいか教えてほしい
「意見表明権、参加権」
★メンタルヘルス不調のために生活に困りごとが出ている場合
・市町村の基幹相談支援センター
・市町村の就業・生活支援センター
・市町村精神保健福祉相談窓口
★子育て全般の相談先
・市町村こども家庭センター